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予定は確定ースケジュール管理は基本ー  作者: 秋海棠
第七章 対立

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オリちゃん大興奮


 ロッテントーク大陸を離れ、一度小島を見つけて休憩をとり、また移動を開始し延べ七時間程。

 そろそろ今日の移動は終了しようと辺りを確認するが、広がるのは海ばかり。

 小島のようなものもない。

 それならと、グンちゃんとバステト様に止まってもらい、ストレージから木造船を出す。

 何故ストレージから取り出す時重さを感じないのか不思議だが、考えても私の頭では答えを出せないので、そう言うものなんだと思ってる。


 ザバンッと言う音をたて、海の上に浮かぶ船はなかなかに立派だ。

 和船の様な形で、帆も大きい。

 帆は畳んだまま、錨を下ろし海上に留め置く。

 これで合ってるのかな?

 まあ、動いてしまっても問題ないか。


 バステト様は変化を解かれ私の肩に、グンちゃんは船室内に入るには少し大きいので、甲板で待機となった。

 グンちゃんだけ外というのも申し訳なかったので、ふかふかのラグを【買い付け】アプリでまとめ買いし、引いておきました。

 オリちゃんは、気にしなくて良いよと言ってくれたけど、流石に硬い木の上でとは気が引けたからね。

 勿論、船の周りに結界を張ることを忘れない。


 船室内は左右等間隔に窓が設置されておりとても広いが、特に何かが置いてある事はなくガランとしている。

 私はせっせと奥からカーペットを引いていき、三分の二程引いたら、奥にベッドを二つ、その手前にもう一つ、そして入り口に近いところにソファとテーブルを置いた。

 入り口付近で靴を脱いでくつろいでもらえる様な配置にしてみた。

 奥のベッド二つに私とオリちゃん、手前のベッドにヒースさんとしている。

 一応私たちとヒースさんのベッドの間には衝立を置いてある。

 と言っても、お互いもう気にもしていないのだがね。


「トコ様すごいね! あっという間にお部屋ができた!」

「ハハハ、私は出しただけなんだけどね」

「にゃぁ〜」


 バステト様は早速私の肩から降り、ソファで寛がれている。


「オリちゃんここで靴を脱いでね。ヒースさんこの配置で大丈夫ですか?」

「はーい!」

「ああ、問題ない」

 

 それからお茶を出したり、お菓子を出したりのんびり夕食まで寛ぐ。

 オリちゃんは初めて見るお菓子に釘付け。

 あの建てて貰った屋敷でハン族の人がいる時は、一応気を遣って現代日本のものは控えた。

 なので、初めて食べたチョコレートに大興奮していたオリちゃん。

 いっぱい食べたいと言うオリちゃんに、食べ過ぎると鼻血が出たり、お肌が荒れたり、虫歯になるんだよと迷信を伝えたところ、じゃあちょっとにしておくと聞き分けのいい子だ。

 何にでも程々が大事だからね。

 そう言う私は程々にできないほどお菓子を買い漁っているか……言いながら反省した。


 そして夕食。

 今日はカレーライスだ。

 私がレシピを見ずに作れる数少ない料理、しかも甘口。

 中辛の方がいいかも知れないが、オリちゃんが食べたことのない料理でいきなり辛かったらびっくりさせてしまうと言う配慮と、私は辛いのが苦手な為だ。

 そして、悲しいかな粉から調合するなんて高度な技を私は持っていないので、ルー頼り。

 勿論オリちゃんの前では“予定”スキルのキッチンは出していない。

 オリちゃんの事は信用しているし大好きだが、“予定”スキルを使い過ぎると、私自身それに慣れ、他の人前でも平気で使ってしまいそうだから、今はしっかり「使わない」という事を体に叩き込み中。

 これはヒース神の助言だ。

 と言っても、細かい予定とか【買い付け】何かは見えないように使ってしまってるんだけどね。

 大っぴらにキッチンとかお風呂とかトイレを出さないように心掛けている次第です。


 なので、現在カセットコンロで作成中。

 ああ、いい匂いが漂ってきた。


「トコ様ちょっと匂いは強いけど、美味しそうだねぇ!」

「あっ、オリちゃん鼻も良いのか! ダメな匂いってある?」

「私は、ナトウだ」

「いや、ヒースさんには聞いてないんですけど……しかも納豆ね」


 まだあれを引き摺っていたのかヒースさん。


「ナトウってなーに?」

「およそ食材とは思えない匂いを醸し出す食材の事だ。オリは気絶してしまうかもしれないな」

「そこまで言わなくても……くさやとか出したらこの人どうなっちゃうんだろう……」


 ヒースさんがオリちゃんに納豆がいかに危険であるかを真剣に解いている間、私はカレー作りに勤しむ。

 付け合わせのサラダと、らっきょう、福神漬けもね。

 

「はい出来ましたよー、どうぞ召し上がれ」

「恵に感謝を」

「チャーヨ!」

「いただきます」


 それぞれの食事の挨拶をして食べ始める。


「シチューみたいだけど、シチューじゃないんだね! 不思議な味だけど、美味しい!」

「うむ、変わらず美味いな」

「良かった。辛くも出来るけど、私辛いのは苦手で……」


 カレーの味も上々で良かった。

 ただ、らっきょうを食べた二人の顔が面白いことになっていた。

 ヒースさんへは前回福神漬けだけを出したからね。

 オリちゃんはなんか臭いって鼻を摘んだり、ヒースさんは酸っぱそうな顔をしていてそれ以降手をつけていなかった。

 らっきょうは好き嫌い分かれるからね。

 私は大好きだ!


 そんな夕食を終え、ソファにみんなで寄りかかり、これからどう言う旅程にするかと話し合いをする。

 私はまず、ヤヴォン国に立ち寄ってオリちゃんの身分証明書を作らないかと提案した。


「確かにそれが良いだろう」

「身分証って何?」

「オリちゃんがどこの誰なのかを証明するものだよ。それがあれば他の国に入る時にあまり時間がかからないよ。無いと入るのに時間がかかるのと、お金も多くかかるかな」

「そっかぁ、じゃあ作る!」

「オリが作るなら冒険者ギルドが良いだろうな。まだ成人の年齢ではないと言え、私の推薦状があれば作れるだろう」


 よくよく聞くと、一応冒険者ギルドにも年齢制限はあったようだ。

 主に成人とされる十五歳以上が加入条件だが、例外として冒険者ランクC以上の人が推薦すれば仮ギルド証が発行出来る。

 いつの間にかヒースさんはCランクになっていたそうだ。

 ヒースさんの強さからしたらまだCかと思ってしまうが、近衛隊を除隊して半年ほどだよね?

 それを考えたらえらい速いのかもしれない。

 ちなみに私はFランクのままだ、上がりようがない。


「それに、カールさんとナージンさんへもご挨拶したいですし、可能ならセージュさんの事を伝えたいなと……」

「良いと思うぞ」

「わーい、楽しみだな!」


 セージュさんの事を伝えたいと思う人はこの世界では限られるけど、ラミーさんやケージさん、サンディス家の皆さん、エンデル街の商人ギルド長には伝えたいなぁ。

 それに恋人と一緒にいるクリフ君が元気かも知りたいし。

 あわよくば「ドナンの星」の三人にも会いたいな。

 会いたい人がいる事に少し嬉しくなる。


 今後の予定に少しワクワクしながらその日は眠りいついた。

 勿論、自分とヒースさんに【クリーン】をかけて。

 オリちゃんは自分で。


♢♢♢


 ロッテントークの行きに通った島にも立ち寄り、進むこと五日、予定通りヒューマニア大陸が見えてきた。


「うわー! ロッテントークも大きいと思ってたけど、ヒューマニアも大きいんだね!」

「そうだね、ロッテントークよりも大きいみたいだよ」

「また、知らない魔物がいるかな!?」

「……オリちゃん、襲われて倒してくれるのは嬉しいけど、突っ走ってはダメだからね!」


 道中寄った島でオリちゃんがビッグシールやロイヤルピギンに興奮して、あわや大惨事となる所だったのは記憶に新しい。

 危うく絶滅させてしまう所だった……何をとは言えない。

 結果的にオリちゃんの強さを知る事になったのはいい経験だったけども。


 そんな話をし、また少し休憩を挟み、進むこと三時間。

 ヤヴォン国から徒歩一時間程の森の中に降り立った私たち。

 バステト様とはここでお別れとなる。


「バステト様……今日まで本当にお世話になりました……」

『ユエは良く頑張ったの。カマックや他の神に代わってお礼を言うの、ありがとうなの』

「バ、バズデドざまぁー!!」


 はい、私大号泣ですよ。

 今日で最後だと思ったら、朝から涙我慢してましたよ。

 泣きながら神獣形態のバステト様に抱き着く。


『ユエ、汚いの! 離れるの!』

「き、汚い……スミマセン……」


 鼻水ズルズルだったからって、汚いって言わなくても……いや汚いか。


『お茶とかお菓子が美味しかったから、たまーに暇ができたら顔を出してあげるの。だからユエは準備しておくの』

「え、また会えるんですか?」

『暇ができたらなの! 期待しないの!』

「期待して用意して待ってます!」

『もう! じゃあなの!』


 こっちがもうです!

 ツンデレなんですから!


 そう言ってバステト様は上空に消えて行かれた。


「本当にありがとうございました。楽しかったです」


 私は両手を胸の前で組んで、空を見上げ感謝を伝えた。


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ありがとうございます!

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