第69章:継承の儀・「盆山式・神の七つ道具」の授与
第69章:継承の儀・「盆山式・神の七つ道具」の授与
盆ちゃんが隠居を始めて数ヶ月。ダンジョンの入り口には、世界各地で活躍する「盆山工務店」の卒業生たちが集まっていました。
アルフレッド、カイル、そしてかつての海賊リーダー。彼らは、師匠の「最後の授業」を受けるために呼ばれたのです。
「……いいか、貴様ら。俺が教えられることは全部教えた。だが、道具がなきゃ現場は回らん。これは俺が隠居生活の合間に、余った端材で作った**『魔改造・神の七つ道具』**だ。これを持って、それぞれの国を直し続けろ」
盆ちゃんが弟子たちに手渡したのは、見た目は使い込まれた工具ですが、その中身は世界の理を書き換える「概念の結晶」でした。
* 「真実の水平器」: 設置するだけで、政治の歪みから地形の傾きまで全てを真っ直ぐに矯正する。
* 「因果の結束バンド」: どんなに仲の悪い国同士も、物理的に(あるいは外交的に)絶対に離れないよう固定する。
* 「万能スクレイパー」: 邪神の呪いから歴史の汚点まで、一削りで綺麗に「ケレン(下地処理)」できる。
「……親方、これは……。我々には重すぎます……!」
涙を流すアルフレッドに、盆ちゃんはぶっきらぼうに言いました。
「道具に使われるな、道具を使いこなせ。……あと、たまにはこのダンジョンに、新しい現場の『愚痴』でも持ってこい。酒の肴にしてやるからな」
盆ちゃんは弟子たちに未来を託し、静かにダンジョンの奥へと消えていきました。それは「英雄」の引退ではなく、一つの「現場」が完了し、次の担当者に引き継がれるような、職人らしい潔い去り際でした。




