第56章:コタツの魔力(引力)と、神域の健康増進施設
教皇庁全体を床暖房化し、教皇を「コタツ」という名のブラックホールに沈めてしまった盆ちゃん。しかし、現場監督として「作業員の健康管理」を怠るわけにはいきません。
第56章を執筆します。(AI談
第56章:コタツの魔力(引力)と、神域の健康増進施設
「……おい、教皇さん。いい加減にその『多目的な四角い穴』から出てきたらどうだ。もう三日もそこから動いてねえだろ。腰が固まって動かなくなるぞ」
盆山茂(盆ちゃん)は、教皇の私室のドアを蹴破らんばかりの勢いで開けた。
そこには、純白の法衣を脱ぎ捨て、神域商店産の「半纏」を羽織り、コタツから鼻先だけを出してスヤスヤと眠る教皇の姿があった。
「……むにゃ……盆山殿か……。案ずるな……余は今、精神を研ぎ澄ませて……世界の平和を……ぐぅ……」
「ヨダレ垂らして寝てる奴が言うセリフじゃねえ。カイルさん、このままだと教国のトップが**『根腐れ』するぞ。運動不足による筋力低下、いわゆる『廃用症候群』**だ。現場での労働災害よりタチが悪い」
特使カイルは、コタツの魔力に屈した主を情けなそうに見つめながら、深いため息をついた。
「盆山殿……教皇様だけではありません。床暖房を導入した詰所の聖騎士たちも『床が僕を離してくれない』と言い出し、朝の訓練をサボる者が続出しております……」
「……チッ。快適にしすぎるのも考えものだな。設備投資の弊害か。レルちゃん! 例の**『現場用アスレチック・ユニット』**を組み立てるぞ。場所は裏庭の練兵場だ!」
「了解です、親方! 『神の加護付き・24時間年中無休フィットネス』、設営準備に入りますっ!」
盆ちゃんが向かったのは、かつては騎士たちが泥にまみれて剣を振っていた練兵場。
そこに、概念模倣で生成された「鋼鉄のフレーム」と、レルちゃんが神域商店から取り寄せた「謎のベルトコンベア」が次々と設置されていく。
「いいか、これは単なる遊び場じゃねえ。**『神域式・高効率健康増進センター』だ。アルフレッド! 騎士たちを引きずり出してこい。まずは『自動・千本ノックマシン』と『次元負荷トレッドミル』**からだ!」
「親方、これ……歩いても歩いても前に進まないんですが!?」
「当たり前だ、ベルトが動いてるんだからな! 速度を上げるぞ、レルちゃん、ダイヤルを**『神速』**に合わせろ!」
「はーい、親方! 脂肪燃焼(物理)モード、スイッチオン!」
ウィィィィィン!!
凄まじい回転を始めたトレッドミルの上で、騎士たちが必死に足を動かし始める。
さらに、盆ちゃんは横でポチ(フェンリル)に「追いかけっこ」を命じ、タマ(古代竜)には「サウナの熱波」を担当させた。
「……ふぅ。仕上げに、レルちゃん特製の『プロテイン(神の滴)』を蛇口から流しとけ。筋肉痛をその場で治して、さらに追い込めるようにな」
「了解です! 味は『イチゴ風味の聖水』にしておきましたっ!」
数時間後。
コタツから強制排除され、最新鋭のワークアウトを叩き込まれた教皇は、全身の筋肉をパンパンに腫らしながらも、瞳に力が戻っていた。
「……盆山殿。余は……余は今、かつてないほどに『生』を感じている……! この『ベンチプレス』という名の重みが、神の慈悲のように肩に食い込む……!」
「いい傾向だ。教皇さん、健康な体にこそ健全な信仰が宿るんだ。これからは毎朝、ラジオ体操とスクワットを日課にしろ。……カイルさん、ここに『入館管理システム』を付けるぞ。運動しない奴はコタツの電源が入らないように連携させろ」
「は、はい! 徹底いたします!」
盆山工務店の仕事は、建物の修理に留まらず、そこに住む人間の「OS(生活習慣)」までもアップデートしてしまった。
聖都ルミナスは、今や世界で最も「筋肉質な聖域」へと変貌を遂げようとしていた。




