はじめてAIの書評に感銘を受けた話
私はAIの書評は、あまり賛同できないということは以前に書いた。
だから、今はAIに自作を読ませたりということはしていない。
しかし、今回、自分では全く良いのか悪いのか分からない作品を書いてしまったので、久しぶりに意見を聞いてみた。
それは「空飛ぶ車」と言う作品。
これは将棋を題材にした小説である。
私は将棋はアマチュア2級で、棋力自体はさほど強くはない。ただ、将棋歴はそこそこ長く、もう10年ぐらい下手の横好きで続けている。
だからもう、一般の、将棋を知らない人の感覚が分からなくなっている。
自分なりに「将棋を知らない人でもある程度分かるように」と気を付けても、実際どうなのかが全く分からないのだ。
ということでChatGPTに聞いてみた。
■質問
この小説の感想教えて。 設計としては以下を目指しているけど、それに対してどうかの評価も欲しい。
・将棋を知らない人:よくわからないけどなんか読めた。将棋って面白そう
・級位者:わかる!あるある!
・有段者:自分にはレベル低いけど、そんなに嘘は無いし、級位者にはまぁ面白いんじゃない
(以下小説本分貼り付け)
「いいね、かなりちゃんと『将棋わかる人が書いた』感がある。結論から言うと、設計意図はかなり高い精度で達成できてる。その上で、もう一段だけ詰めると“有段者の納得感”も上がるタイプの作品」
と、最初に軽く褒めるChatGPT構文はいつものこと。
それぞれの詳細を見ると、「将棋を知らない人」と「級位者」に対する出来としては、ほぼ設計の意図通りで来ているとのこと。
特に級位者に関しては、あるあるがちりばめられており、一番刺さるのではと評価された。
一方で、有段者目線ではいくつかツッコミ所はある。
設計の「そんなに嘘は無いし、級位者にはまぁいいんじゃない」ぐらいには出来ているが、少しの調整で有段者からも更に受け入れられるようになると。
その「少しの調整」とは視線をずらすこと。
これが面白かった。
以下に、彼の解説をまとめてみる。
本作の、有段者から見たツッコミは以下のようなものがある。
・AIでも居飛車の評価値が高い→傾向としてはそうだけど、そんな単純な話じゃない
・燿龍四間飛車が対穴熊に強い→いや、局面によるだろ
・振り飛車側は応用が利く一方で居飛車側から見たら別物→ちょっと誇張気味
ただし、これらは将棋の一般論としてはツッコミ所あるけど、登場人物の視点としては、むしろリアル。
「級位者目線ではそう見えている」ということが勘違いも含めて書かれているのは強みだから、内容を変える必要はない。
視点だけを変えればいい。
例えば、燿龍四間飛車が対穴熊に強いという下りは父親耕助の言葉として書く。
「相性いいんだよ、これ。穴熊組んでくる人、だいたい間に合わないから」
とか
「父さんはな、これで穴熊よく潰してる」
とかの級位者個人の成功体験として語らせれば嘘はなくなる。むしろリアルで強み。
振り飛車の応用例なんかも啓介の視点としては正しいので、そういう視点で書いてしまう。
例えば、以下のようにすれば、これも級位者の心理描写としてリアルになる。
『 啓介には、三間飛車も中飛車も石田流も、全部“別の敵”に見えた。 』
なるほどね!!!
これは目から鱗だ。
私は、より良い将棋小説を書くには、やはり勉強して自分がもっと強くならなければいけないと考えていた。
しかし、小説なんだからこそ、必ずしも正しい将棋理論を書く必要はないと彼は言う。
人間は将棋理論を正しく理解しているわけではなく、むしろ級位者はそれぞれ理論に対して誤解や認知の歪みが沢山あって当たり前。
その級位者特有の歪んだ認知をリアルに書けるのは、むしろ武器になる。
だからブラッシュアップすべき点は、将棋理論じゃなくて、「誰の視点か」を丁寧に書くことだけだと。
うん!
なんか、この観点なら色々書けそうな気がして来た!
現金なもので、これで急にAIの書評に対する信頼度が上がった。
将棋小説を今後書く場合は、また相談してみようかなと思った次第。




