決着
シン・○ヴァのアスカが使徒化する時のBGMと共に読むと楽しめるかもしれません。
「主様、解いてください」
「えっ!?」
幻聴、ではない。白露さんちょっと何言ってるんですか?せっかく七葉を殺すチャンスなのに······。
「これはつけなくてはいけない決着なんです。解いてください」
「分かった······」
──時は、動き出した
〜〜〜〜〜〜〜〜side白露〜〜〜〜〜〜〜〜
「なぜ·······」
「あなたを完膚なきまでに圧倒してプライドをずたずたにするためです」
立ち上がった七葉を見下ろして言い放つ。ずっとイライラしていた。主様の心の奥にこの女はいつまでも居座っている。
さっきだって主様は七葉といった。あぁ、イライラする。未だに居座りやがって!!だが、それも今日で終わりだ。
「来なさい」
「本当に、私達と来る気は······」
「無い。サマエルとあの街は絶対に渡さない。主様、後ろに」
「最初から手出しなんかしないよ」
流石主様、分かってらっしゃる。ふぅ······長い間居座るこの女の影を今日をもって断ち切る。
「シィィィィィ!!」
「強化!!」
主様が崖に寄りかかったと同時に私はこの女に肉薄、金棒と剣がぶつかり火花が散る。 生じた一瞬の隙に糸で残骸をたたきこむ!!
「っ!泥臭いっ!!」
「泥臭くて結構、卑怯万歳ですよ」
もちろん当たるなんて思ってない。だから飛び上がった奴に障壁を蹴って近付いていく。
「蹴れ、無いッ!」
「あなたの障壁を切るなんてわけない。ぜりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
空中で不安定な中上から襲ってくる斬撃、考えましたね。それでも、全部打ち返してやりますよっ!!
「滅茶苦茶なぁっ!!」
「主様の嫁たる者、不可能を可能にしてこそっ!!」
地面に着地したと同時に地面を打ってスライド、その勢いのままに金棒を伸ばして頭を粉砕!!
「そんな簡単にやられないっ!!」
「ごほぉっ、ッ!!」
血反吐吐いてる場合じゃないっ!!蜘蛛部分から糸を出して脱出、同時に左腕を切り落とす。
「逃げてばっかの弱むs······ッ!!」
「お馬鹿さん。〆糸っ!!」
上手く締まら無い······!!まさか締められ瞬間にる糸を剣で切り裂いたっていうんですか!?
──なんて、慌てるわけないじゃないですか。だって糸はまだくっ付いてるままなんですから。
「う、動けない」
「シャルルッ!!」
隕石がこちらに落ちてくる。必死にもがいても動けはしない。関節を押さえられて動ける生物なんて存在しないっ!!
「これで終わる······わけが無いか」
「フル・バースト!!」
クレーターを覆っていた霧が切り裂かれる。早いっ!!でも見えるっ!!こっちも最高速度で行くだけです!!
「はぁぁぁぁぁぁあっ!!」
「究極剣!!座天使の舞剣!!」
左を切りつけた瞬間、回りながら右を切りつけ続ける。離れなければっ!後ろに飛んで退避した瞬間、後ろから殺気。
間に合わないので糸を背中にくっつけて軌道を変える。変えられた衝撃にそのままっ!!
くっ、切られた。
「これは、覚悟の準備が必要ですね」
「黙って殺されるなら覚悟の時間くらいは」
「寝ている相手にここまで苦戦するとは私もまだまだですね······。必要なのは覚悟、ですよ」
「馬鹿にしてぇっ!!」
能力を活かした奇妙なステップ、確かに軌道は読みにくい、その上横の動きがかなり多彩。どうすれば心臓をぶち抜けるのか?
答えはシンプルっ!!一直線!一直線に進むだけですっ!!
「無茶苦茶めっ!!」
「あなたを殺せばそれでしまいなんですよ」
「私を殺しても傷は消えない」
「なっ」
傷を残すわけにはいかないっ!こんな風にて慌てるとでも思ってました?浅はかっ!浅はかですよっ!
「どうして進んで来れるっ!?傷はついているのにっ!!」
確かに今も傷は剣の軌道上に付き続けている。自分で付けた傷ですがね。原理は簡単。
衝壁を纏っておいて刃が触れた部分を糸で切るだけ。ね?簡単でしょ
「でりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「きゃぁぁぁぁぁあっ!!」
剣と体を金棒で吹き飛ばす。障壁で駆け上がって飛ばされた女と高度を合わせる。
「や、やめて。いやっ!死にたくないっ!!」
「見苦しい。今まで何人殺したと思ってるんですか?見苦しく足掻いて足掻いてそして潔く死ぬ。それが死闘の美学というものですよ」
「いやっ、いやぁぁぁぁあぁぁあぁぁあ!!」
金棒を伸ばして全方向から殴りまくる。地面の染みにするんですからまずは潰さないとですね♪
「しゃおらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「うがっ、うぼっ、ぐほっ、ぐがぁっ、あがぁっ、や、やめ、うぼぉあっ」
上に回り込んで殴りまくる。途中で下に落ちないように障壁でカバーしておくのがポイント。
「死に晒せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!いや待て晒すな跡形もなく吹っ飛べぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「ぁが······ふぐっ······ぁぐ·······ふぁい······なる・ふ······るばーす······と」
「とど、がっはぁぁぁあ!!」
打撃っ!?もしや新手の能力者!?どこから、いやそれより奴は······眩しいっ!!なんですかこれは!!アミノハバキリを準備っ!!
「ぎぃぃぃぃぃぃぃいいぃぃぃぃぃいっ!!」
「ぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあっ!!」
なんですかこの耳障りな音は······!!こんなの聞いてたら頭が割れますよ!!ようやく光が収まっ······なんだその姿はぁぁぁぁぁぁ!!
背中からは翼が生え、全身は白く発光していて手には白色の剣を携えている。
「そんな姿になったところでぇっ!!」
「確かに、永久に消えない傷は無くなった。でもね?」
「あがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!!灼、灼かれっ、がぁぁぁぁぁあっ!!」
「あなたは倒せる」
神エネルギー!?くっ、大量に摂取すると私には害なのかっ!!溶けた部分を切り落としてもう一度生やす。よし、治った!!
「はぁぁっ!!」
「ぬぅぅんっ!!」
とんでもない速度でこちらに飛び切りをかましてきた奴の剣を金棒で受け止める。り
奴はすぐさま飛び退いてこちらにもう一度肉薄してきた。そこに下から金棒をそのまま振るう。
「ぐっ······」
「ふんっ、ぜやぁぁっ!」
弾いた勢いをそのままに切りつけてくる。それをしゃがんで避けつつ奴を金棒で薙ぎ払う。
「ふんっ、はぁぁっ!!」
「ぜぇぇぇいっ、ぢゃぁぁぁぁ」
薙ぎ払いを弾いて飛び上がって切りつけてくる。それを大振りで弾き返す。くっ、高度が危うくなってきた。
「ぜぇぇえいっ、はぁっ、ぢゃぁぁぁっ!!」
「ぐっ、だりゃぁっ!!」
障壁を蹴って姿勢の崩れ気味な奴に肉薄斜めからの振り下ろし、そしてそこからの薙ぎ払ちをお見舞いする。
「でぇぇいっ」
「ふんっ!!」
直線に切り掛かってきたのを薙ぎ払い······蹴りっ!?まともに喰らった。まずい、姿勢が崩れるっ!!ッ、この姿勢!!回し薙ぎ払いっ!!
「だぁぁぁぁぁあっ!」
「ぐぅぅっ!!ふおぉぉぉぉぉ!!」
「ぢゃぁあぁぁあっ!!」
回した勢いそのままに頭を狙った私の武器と同じように頭を狙った奴の武器がぶつかり合い競り合いの状態に突入する。
「へぇ〜」
「ぐっ!!」
強引に押し返して、奴の武器を薙ぎ払い、空きっ腹に蹴りをお見舞いし、下げる。そのまま金棒を伸ばして奴を薙ぎ払うっ!!
「くっ」
躱したっ!?関係ないっ!!金棒をすりあげて、そのまま終わりだっ!!また躱したぁぁあ!?ええいっ、ならば縦からっ!!
「ふぅぅぅぅんっ!!」
「せいっ!」
剣で巻き取った!?武器を奪おうったってそうはいかないっ!!巻き取られたのを利用して奴の白剣を引っ張る。
「ぐぅぅっ!!」
「なっ!!」
何度か取り合いが続いた後奴は私を空中に振り上げた。そして左手にはもう一本の白剣。絶望的な状況、それでも私は微笑んだ。
「なんで笑えるっ!!」
「上を見れば分かりますよ」
「ッ!!何にもなっぐぉぉぉぉぉっ!!」
そう、それはフェイク。実際はさっき用意していたアミノハバキリ・烈用の弓矢が周りから火を吹いたのだ。
障壁をいい感じの位置に調整しながら戦うのは骨が折れましたよ。まったく。
「これも計算のうちかっ!」
「そうです。戦う前に勝負は決まっているとは、よく言ったものでしょう?さようなら」
「ぁぐっ······」
奴の脳幹に向かってアミノハバキリを放つ。矢はそのまま奴の体を引き裂いて、やがて摩擦で燃え尽きた。
「シャルルッ!!」
引き裂かれた奴に隕石をぶつける。そして隕石は奴の体を地面まで持っていき、爆発した。パラシュートを編みゆっくり落下する。
〜〜〜〜〜〜〜〜side主人公〜〜〜〜〜〜〜
白露が降りてきたこの光景を俺は絶対に忘れないだろう。キラキラした白い粒子と共にゆったりと降りてくる。なんて幻想的、なんて美しい······。
「勝······ちまし······た。褒め······て?」
「最高だ。お前が一番だよ」
「や·····ったzzz」
白露が俺の腕の中で目を閉じて規則正しい寝息をたて始めた。今までたくさんの白露を見てきた。
でも今日以上にかわいくてかっこいい白露はそうそう拝めないんだろうね······。
「残してきた二人には悪いけどもうちょい頑張ってもらおう。起こすのは野暮ってものだしね」
「zzz」
残ったのは勇者と賢者だけですね。ということはわかりますね?




