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おやすみ

子供達がよく眠れますように。そんな魔法を使う妖精も居るのです。眠りの妖精達です。

夜になると眠りの妖精は子ども達の所へ行き、色とりどりの絵が描かれた魔法の傘を一振りします。

そうすると子ども達は眠たくなってベッドに潜り、素敵な夢を見て朝までぐっすり眠るのです。

それが眠りの妖精のお仕事。ただし、眠りの妖精が行っていいのは子どもの所だけという決まりがありました。


あるところにアウレという眠りの妖精の女の子が居ました。アウレはまだ見習い妖精です。

アウレには気になる男の子が居ました。毎晩みんなの所に行って傘を一振りするのですが、その子の所に行く時はいつも胸がドキドキして、真っ赤になってしまいます。

でも不思議と嫌とは感じません。むしろ毎晩その子の所に行くのが楽しみでした。


アウレは毎晩たくさんの子ども達の所に行きますがその男の子の家を一番最後にしていました。

いつもチラチラ窓から中を覗いて「今日は何をしてたのかな?」「笑ってみてほしいな」と考えながら家に入ります。

そして七色の傘を一振り。そうするとその子は欠伸をして暖かい布団を被って眠ります。

次にアウレが傘を開いて男の子の上にさすとふわふわと色鮮やかな夢達が現れて部屋中を飛び回りました。

この子の夢はいつも楽しくて、宝石を散りばめたように輝いていてアウレはいつも幸せな気分になりました。

そうして夢を楽しんだ後に男の子の寝顔を見るのがアウレの密かな楽しみでした。


男の子がアウレに気づくことはありません。アウレの気持ちが伝わることもありません。

だっていつも、アウレが行くと男の子は眠ってしまうのですから。

それでもアウレは幸せでした。毎晩楽しくて嬉しくて仕方がありませんでした。

この幸せがいつまでも続きますようにと願っていました。


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