↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
101/157

99話『意外』





「うちの常連さんに居るわよ」




店員のお姉さんがアリスのコーヒーを注ぎながら言う。




思わず動きが止まるハルとアリス。




「「ほんとですか!?」」



と同時に声を揃える二人。




「ふふっ、あなた達本当に仲が良いわね」



全く同じリアクションをした二人に、小さく笑う女性店員さん。




恥ずかしそうにうつむく二人。




「あの、40代くらいで、商人か運び屋をやってると思うんですけど…」




「えぇ、いつもニコニコとした優しそうな人でしょう?運び屋トーマスと言えばうちの店員は皆知ってるわ。街に居るときは毎日パンを買いに来るからね」



女性店員さんはにっこりと笑って言った。



「よかった…やったねハル君!」



アリスが嬉しそうに言う。



「あの…トーマスさんに助けられた恩返しをしたくて。どうしたら会えますかね」



ハルは女性店員さんに尋ねる。



トーマスさんがお店に来る時間が分かれば、待っていれば会うことができるだろう。



「そんな事しなくても、彼の家に行けばいいわ。配達しに行くこともあるからよく知ってる。地図を書いてあげるから、帰りに渡すわね」




そう言って店員のお姉さんはウインクをすると、店の奥へ入っていった。



「よかった…」



ようやく得られたヒント、いや答えにほっと胸を撫で下ろすハル。



よくよく考えれば、パンで思い出した話であった。パンを辿るべきだったのだ。



そもそも偶然あのお店で夕食を取らなければ気づけなかったのだから、幸運が重なった結果でもある。



「ハル君、はやく食べなきゃ!」



「いや、ゆっくりでいいよ。ご飯は落ち着いて食べよう」



「ごめんなさい、私ったら。嬉しくって」



焦る必要はない。



ゆっくり余裕をかます訳ではない。



が、ご飯はゆっくり落ち着いて食べなければ。



母親にも妹にも口酸っぱく言われていた。


それがハルの家でのルールだった事を思い出した。




「食べて落ち着いてから行こう。行き先が決まってれば焦る必要はないし」



「うん♪」



そう言ってアリスは笑顔でパンを口に入れる。



意外な場所から探し人の居所が分かり、遅めの昼食はとても楽しい雰囲気で食べることができた。






「はいコレ地図。まぁそこの通りをまっすぐ言って三つ目の角を右、緑の壁の家だからすぐ分かると思うけどね」



食事が終わり、声をかけるとメモと共に行き方を教えてくれた。



「「ありがとうございます!!」」



ハルとアリスは同時に頭を下げる。



「がんばってね!」



店員のお姉さんは明るく笑うと、店の外まで出て手を振り、見送ってくれた。



「よし、じゃあ」



「行こっか」



ハルが言うと、アリスが続きを言った。



ウキウキと歩き出す二人。




「あれ~なんか寂しいなぁ~」




アリスが手を大きく振ってわざとらしく言う。

 



「えぇ~…恥ずかしいんですケドー…」




ハルは目をそらして言う。少し笑っているのは、嬉し恥ずかし、といった所か。




「嬉しかったのになぁ~」




アリスは口をとがらせて言う。




「もー…仕方ないなぁ…」




ハルはそう言ってアリスの手を取る。



「嬉しいくせに~」



繋いだ手を見て、アリスは満足そうに言う。



「アリスだって」



ハルは言う。



否定はしない。だが、アリスも嬉しそうにしているではないか。



「にへ…」



緩んだ笑顔は、とても幸せそうだ。



見ているこちらも幸せになる。



そうして二人は街を進んでいく。



恥ずかしさが勝っていた先ほどとは違い、今度は二人とも楽しそうに嬉しそうに歩いている。




「っと、ここだな」



目的地の、緑の壁の家だ。



「ごめんくださーい!トーマスさんおられますかー??」



そう言ってハルは扉を叩く。



が、ひっそりと静まり返り、人が居る気配がない。



「まじかー…留守か…最悪、奥さんかお子さんは居るかと思ったんだけどなぁー…」



返事がない扉を見据え、ハルはがっくりと肩を落とす。



「ハル君、場所はわかったんだし、時間をあけて夜ご飯の時にもう一回来てみようよ」



「そうだね。用事で出てるだけかもしれないし。よし、それじゃ一回宿に戻ろうか」



二人は踵を返し、宿へ戻る。



もう買い出しの二人は戻っているだろうか。







宿へ戻るとちょうど買い出しの二人も戻ってきた所で、そのまま夕食へ向かう事になった。




夕食はミナが見つけてきたピザ屋だ。



なんでも街一番のピザ屋で、ご飯時には大行列ができるらしい。



幸いにも四人が来たのは夕食には少し早い時間だったので待たずに入ることができた。





「見つかったの!よかったわね!あ"っ"つ"!」



ミナが熱そうにピザを頬張りながら言う。



「うん。けど留守だったんだ。あ、辛いのとって」



「なんと、それは残念だな。ほら」



ハルの言葉に、フィーダが辛いソースを渡して言うと、返してハルは礼を言う。



「食べ終わったら帰りにもう一度寄ってみるわ。ミナ、それもまだ熱いよ」



「あ"っ"つ"…あぁそうね。それがいい。帰ってるかもしれないしね」



熱そうにしているミナに水を渡すアリス。



「しかしここのピザは美味だな。あ、酒をもう一杯くれるか」



フィーダは店員に注文しながら言う。



「バジルのがおいしいよ!!ハル君はいこれ」



アリスはチキンとポテトを小皿に取り分け、ハルに渡す。



「ありがと。もう一枚追加しません?」



「賛成っ!!肉のやつっ!」



ハルの言葉にすぐさま同意するミナ。



絶品のピザに舌鼓をうち、食事を楽しむ四人であった。






いつも読んで頂きありかとうございますm(_ _)m


100話記念で何かしようかと思いましたが何かありますかねえ…



と、考えたところ。番外編で短編でも書こうかな、と思い付きまして。


なんかリクエストもらえたら書きますよ(・∀・)来なかったらサブキャラで適当に書きますかね

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。