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妹と異世界転移 ~引きこもりだった俺が妹を護るために大陸を統一するまで~  作者: おとしんくるす


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21 これからの計画

「当面の目標としては、領地を持ちたいと思う。なるべく他から干渉を受けない、自由で安全な居場所が欲しい」


 場所を俺達が借りている部屋に移し、俺と妹はベッドに、リンネは椅子に腰掛けて話を始めた所、リンネだけでなく妹までが『コイツなに言ってるんだ?』という視線を向けてくる。


「えっと、領地といいますと貴族になられるのですか?」


「それでもいいけど、より自由度を追求するなら独立国の方がいいかな」


 二人の視線がいよいよかわいそうな人を見る物になる。でもそれが、多分俺達の安全を確保するのに一番いい方法なのだ。


「もちろんすぐにって訳にはいかないだろうけど、あくまで当面の目標としてだよ。目下の所は資金を貯めつつ機会を伺う事になると思う。でも、俺だって当ても無く言ってる訳じゃないんだよ」


 その言葉にリンネは興味を引かれたのか、視線が少し真面目なものになる。


「ほら、この世界にはリンネみたいに虐げられているエルフ族がいっぱいいる訳じゃない。その人達を助け出して一つの勢力として結集できれば、国一つを作れるくらいの戦力は確保できると思うんだ。あとは土地さえあれば国の完成だ。どこか人間の勢力が及んでいない土地があるといいんだけど……」


 確か元の世界の歴史にも奴隷王朝というのがあった気がする。あんまりよく覚えてないけどね。


「……人族の支配が及んでいない土地となると、山の高所や深い森の中、湿原の奥などになるでしょうが、そこには人の手を逃れたエルフ達が細々と暮らしているはずです」


 リンネがいつのまにか真剣な表情になっている。


「あ、別にエルフの人達の生活を圧迫しようって訳じゃないよ。できればその中間辺りで、緩衝地帯みたいになれると理想ではあるけど」


 慌てて補足するが、リンネは表情を緩めない。


「いえ、いまだ自由の身でいるエルフ達も、このまま人族の数と勢力が増していけば遅かれ早かれ飲み込まれてしまうでしょう。ご主人様は滅亡の運命にあるエルフ族を救ってくださると、そうおっしゃっておられるのですか?」


 リンネの表情は期待と疑惑が半々くらいだ。いや、俺だってそこまで考えてる訳じゃないけど……。


「そうだね、結果的にはそうなるかもしれない。もっとも、本音を言うと俺と香織が安心して暮らせる環境が欲しいからで、そのためにエルフの人達を都合よく利用しようとしているのかもしれない。でもエルフの人達をなんとかしてあげたいって気持ちがあるのも嘘じゃないから、お互いが利益を得られる形になれば一番いいかなって思ってる」


「…………」


 リンネは真剣な表情をじっと俺に向けてくる。薄い緑色をした澄んだ瞳が俺の心を見透かすように、射抜くように見つめている。

 思わずプレッシャーに負けて目を逸らしてしまいそうだ。


 なんとかギリギリの所で耐えていると、しばらくしてリンネはゆっくりと、初めて聞く力強い声で言葉を発した。


「ご主人様。貴方が私達エルフ族の救いの神となるのか、あるいはただの夢想家なのか、正直な所よくわかりません。ですが可能性がわずかでもあるのなら、私はそれに賭けてみたいと思います。どうか我々の種族が生き残るために力をお貸し下さい。私も微力を捧げ、誠心誠意お仕えいたしますから」


 リンネは椅子から降り、床にヒザをつく。元の世界の土下座に近いポーズだ。


「い、いやいや。どこまでできるかなんて俺もわかんない話だからね。あんまり期待されても外れになっちゃうかもしれないよ」


「それは当然です。このような大それた計画、むしろ実現できると思う方がどうかしているでしょう。ですが少なくとも、私は貴方に助けられました。もう一生戻る事はできないと思っていた森の暮らしに、戻してやるとおっしゃって下さいました。救われる人数が少し増えるだけでも構いません、どうかよろしくお願いいたします……」


 そう言って、リンネは床につくくらい深々と頭を下げる。あ、これ完全に土下座ポーズだ。


「ちょ、リンネ。わかったから頭上げてよ」


「はい。それで私は、森の中にどのような拠点を作ればよいのでしょうか」


 慌てて頭を上げてもらうと、さっそく具体的な話を始めようとする。すごいやる気だな。


「えーと、まずはリンネが住む所。そして、俺と香織が住む所もあるとありがたい。あとは人が増えた時に受け入れる場所と、離れた場所に人間と接触できる拠点。交易所みたいなものかな? 当面はライナさんに頼むつもりだけど」


「なるほど……では私がかつて住んでいた村はどうでしょうか? もう滅びて20年近くになりますが、多少の建物は残っているはずです」


 リンネの故郷か……。


「うん、それはいいかもね。場所はわかる?」


「はい。ここからですと歩いて五日ほどの距離になります」


「それは……俺の足でも五日かな?」


「……一週間から10日を見ておいていただければよろしいかと」


 ですよね。一緒に森に行った時リンネすっごい身軽だったもんね……。


 とにかく、これで当面の行動予定は決まった。一応妹にも確認を取ってみるが、相変わらずの全肯定だった。これは、妹の自立を促すのも今後の課題かもしれない。元引きこもりの俺が言えた義理じゃないけどさ……。


 ともあれ、まずは行動だ。




大陸暦418年11月6日

現時点での大陸統一進捗度 0%

資産 所持金 97万2200アストル

配下 リンネ:エルフの弓士 ライナ:冒険者(三ヶ月の専属護衛契約 2月6日まで)

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