一章 つかみは、とっても、たいせつ
第一章
誰もが惚れるようなアイドルがいた。
それはテレビに出ない日のない程のアイドルで、
人は『動く少女人形』『現実の二次元』とその人間を崇めた。
文句のつけようがない愛らしい童顔、
流れるようなすらりとした長い髪、
小さなお姫様のような衣装を身にまとい
今日もステージを舞う。
そんなアイドルが突然行方を消した 。
「今をときめくスーパーアイドル、遥 奏多突然の行方不明!」
俺は朝のテレビを興味なさそうに聞く。
「マネージャーによると、休みを取っている間にいつも繋がるはずの電話が繋がらず、怪しくなったので自宅に寄ってみても…。」
適当にニュースを聞き流しながら仕事の準備をしていた。
「彼女はまさしくスーパーアイドルですからね。引っ張りだこでしたし彼女の年齢では苦しかったのかもしれませんね。」
「ですが何も言わずと言うのは…。」
昨日からニュースはこの話で持ちきりだ。俺にとってはまるで接点のない話。
「今日も畑仕事か…。」
腰を上げ朝早くから自分の畑へと急いだ。
俺、安穏 輝は叔父と農家をしている。つまり俺は都会から遠く離れた田舎で密かに過ごしていた。
「あのっそこの農家さん!」
「えっとなんでしょうか…?」
「僕を匿ってください!」
あのスーパアイドルに会う前は。
::*
「んー、なんていうか、ありきたりというか。」
「いや、普通こんな話そうそうないと思うけどね。」
二章を読み終わり二人ほそう呟く。
「導入だからね。まだまだこれからですよ、ふっふっふ。」
そう、まだこれからなのだ。




