零章 かくして、らのべは、うまれる
零章はおまけです
ラノベとして楽しみたいなら一章から見てほしいと思います
「よし。ラノベを作ろう!」
「…はぁ…?」
「ちょっとなに言ってるかわからないですねぇ…。」
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「よーし。今から第何回目かのラノベ部(仮)のお題決めるぞー。」
「わかりました。」
「あいあいっ。」
今日もまたいつもの三人。
「今回の担当は小鳥遊だったよな。」
そう言うのは神谷 優。この活動の言い出しっぺである。
ラノベ部(仮)という名も彼が決めた。
「そうだね。前回のやつはひどかったからね。次はいいの頼むよ。」
そう言ったのは和泉 大地。ツッコミ担当。
メガネをかけたのおとなしいやつ。
「せやな。私にまかせときや。」
そして私、小鳥遊 遥歩。
終業式も終わり春休み、二年に上がり暇になった私たちは優のアイデアでラノベを書き始めたのだ。最初はくだらないと思っていたが意外とハマり・・夏休みとなった今でもなんだかんだ続いている。作り方は始めに紙に書かれたお題を袋から三つ選ぶ。お題は私たちが書き始めるたびに袋に追加する。そして選んだ紙に書かれたそのお題を全て含んだ話を考えるのだ。
「さてさてなにがでるんかなぁ?」
私は袋から三枚の紙を選び開いた。
「え…えぇ…。うっせやん…。」
「どうしたんだよ、お前。」
「酷いのでも引いたのかな?」
お題の酷さに頭を抱える。これをどう話にしろと・・。
いや、これはよく考えればいけるかもしれない。
「よし。わかった。いける。 たぶん。」
「自信なさげだね。」
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「じゃあ再来週までに頼むからな。」
「うっす。俺頑張るっす。」
「頑張ってね。」
二人と離れ一人で妄想にふける。帰宅時間。それは私にとってもっとも頭が働く時間。お題にあった話を一体どんなものにするのか。夕暮れの中、車が通らない田舎道を考えながら自転車を漕いだ。
そして再来週がやってきた。
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「どうかい?一章読んでみて。」
「うーん?なんて言うか…。文章が変?」
「そうだね。僕もそう感じたかな。」
二人に一章を読んでもらった感想を聞いてみた。私が思った通りの答えが返ってきた。
「まあ、お題が…ね?」
「一旦どんなお題を引いたんだよ。」
「まあまあそれはおいおいということで。」
次回からラノベの中の話が始まります。
今回の始まりと六章ある話を分けて全七話になります。