↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狼は振り向かない【完結済】  作者: 月影野里
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
1/47

1:もう時間がない

織部(オリベ)には今、最悪の事態が訪れていた。母親が亡くなったのだ。

このままだと離れて暮らす父親の家に引き取られることになる。

いま住んでるマンションで父親と生活したことはない。

たまにマンションにやって来たことはある。

だが「子供は黙っていろ」「誰のおかげで食えるんだ」

この二つのセリフしか織部(オリベ)の記憶には残っていない。


母親が入院した6年前も、父親の家に引き取られそうになったことがある。

その時は、父親の会社の加藤という男が、織部(オリベ)の腕をむりやり

引っ張って連れて行こうとした。

子供だと思って強引に言うことを聞かせようとする遣り口は、

父親が部下に命じたものに違いない。

(あの尊大な父親がやりそうなことだ)

だから加藤には悪いと思いつつも、織部(オリベ)は彼の手首に思いっきり

噛みついて断固拒否を貫いた。代わりに父親の部下達が、

住んでるマンションに世話係として現れるようになってしまったのだが…


『今度はもっと上手くやらなければ』


今日、織部(オリベ)は母親の葬儀中、父親や部下達の目を盗んでこっそり

抜け出した。

マンションに戻って荷物をまとめ、一人暮らしを始める算段をしていたのだ。

だが計画は失敗に終わった。

織部(オリベ)も高校生になり、凶暴性が増していると警戒したのか、

敵もさる者

『あいつらマンションの契約を解除しやがった……』

「くそっ」織部(オリベ)は自宅のマンションの前で悪態をついた。

既にパスワードはロックされ、エントランスにすら入れなかった。

『こんなことしたって、俺は決してあの男の言いなりになんかならない !』


天涯孤独の母親は20歳の頃に働いていたバーで、客であった父親と

出会っている。

そして織部(オリベ)が生まれたわけだが、父親には正妻がいる。

いつも織部(オリベ)達のところに帰ってくる父親ではなかった。

やがて織部(オリベ)が小学校に上がる頃、母親は強い希死念慮に

襲われるようになり、

織部(オリベ)が小学4年生の時にとうとう精神病院に入ってしまった。


『この豪華なマンションをあの男から与えられ、

 あの男の愛情だけを頼りに生きてたような女性(ひと)だった……』

少しだけマンションを見上げ、元気だった頃の母親との思い出に

浸る織部(オリベ)だったが、もう時間がない。

いつ父親の部下達に見つかって連れ戻されるか分からないのだ。

織部(オリベ)はもうマンションを振り返らず、足早に埠頭に向かった。


https://53293.mitemin.net/i1289106/

挿絵(By みてみん)

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!

もし少しでも「続きが気になる」と思ってくださいましたら、ページ下部にある

【☆☆☆☆☆】をタップして評価や、ブックマーク登録などをしていただけると、

今後の執筆の大きな励みになります!星1つ、応援の気持ちだけでも大変嬉しいです。

どうぞよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。