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和沢 1

ここからは文化祭のはなしになります。

 うちは青果店を営んでいる。俺はそこの倅で現在高2だ。


 近々俺の通っている高校で文化祭があるのだが、これが少々変わっている。

 まず、うちの文化祭は1日間のみ学内関係者だけで行われる。そしてそれぞれのクラスによる出し物はなく、部活動単位や有志のみで何かをすることになっていて、更に飲食物の出し物は基本禁止だ。

 ちなみに去年の唯一の食べ物関係は料理部のお菓子作りだったのだが、料理部は全員が女子部員らしく男子が行くのはかなりハードルが高いので諦めた。

 恐らく今年も行かないだろう。

 まぁ、ここまではそこまで変ではない。変わっているのはここからだ。

 食べ物関係の出し物がないせいか、代わりに生徒たちは持参したお菓子などを食べるのが恒例になっているのだ。

 もちろん食べながら移動するのは禁止で、食べられる場所も限られている。しかしその日は教師たちも多少目を瞑り、学校中のいろんな場所で生徒達がお菓子を食べる。

 つまり、秋+お菓子ということでうちの学校の文化祭はハロウィン色が強い。

 元々出し物で仮装する生徒もいるだろうが、更に今年の文化祭のイメージカラーはオレンジ色なので、飾り付けもカボチャなどのハロウィンに寄せた物が目立つ。ということで今年は完全にハロウィンと文化祭が混ざっている。

 ちなみに文化祭中は屋上も開放されるので、出し物に興味がない生徒たちはそこで駄弁ったりお菓子を食べたり時間を潰したりする。



 さて、少しはなしは変わるが、


「バナナはおやつに入りますか?」

 

 とはよく言ったもので、当然ながらバナナはおやつに入るだろう。


 当然チョコレートも然り。


 そしてうちは青果店なのでバナナは簡単かつ大量に手に入る。



 チョコバナナ作れるじゃん。



 ということで文化祭でチョコバナナを作って食べることにした。

 本格的なのではなく、単にバナナにドロドロしたチョコとチョコのふりかけのようなやつをかけるだけの簡単なものだ。

 出し物ではなく個人でお菓子枠として食べるのだから問題ないだろう。

 調べるとドロドロしたやつはチョコレートソースといい、ふりかけのようなやつはチョコスプレーというらしい。

 どちらも簡単に買うことができるし値段も大したことはない。これなら周りのやつにも配れるだろう。

 なのでそのことを親父に伝えると「良いなそれ」と褒めてくれた。「バナナは手配してやるから任せろ」と昔ヤンチャだった親父は大賛成のようだ。

 母ちゃんに言うと何を言われるか分かったものではないので内緒にしておくらしい。大賛成だ。


 文化祭当日の朝、親父がバナナの入ったダンボールを渡してきた。けっこう重い。一体何本あるのやら。

 ……いや、そもそもこれでは登校できないだろ。

 しかし親父が車で学校まで送ってくれた。ありがたい。

 いつもは徒歩と電車で通学しているので帰りも問題はない。

 仕事はいいのか? と思ったが敢えてツッコまないことにした。おそらくこのままパチンコにでも行くのだろう。帰れば母ちゃんに怒られるだろうがそれはいつものことだ。

 学校に着きダンボールを抱えたまま教室へ向かう。多少目立つかと思っていたが、文化祭で使う備品などを持っている生徒もいたので、周りから見て違和感はなかったようだ。

 しかし教室に入るとクラスのやつらからは当然質問が飛んでくる。


「和沢、なんそれ?」

「お、なになに?」

「なんだなんだ?」


 先に言ってしまうと面白くないだろう。


「まだ秘密だけど昼飯のときいいもん食わせてやるよ」

「え、マジで?」

「菓子か?」

「果物じゃね?」


 教室の後ろに置いておいたが担任からは何もツッコまれなかった。他にもいろいろ置いてあったからだろう。

 そして文化祭が始まり、俺は同じクラスの友人3人と一緒に回ることになった。

 俺たち4人は清掃部だから文化祭当日の仕事はない。

 だが文化祭前に同じクラスでサッカー部の駿河に頼まれ出し物の手伝いをした。なので最初はサッカー部を回る。

 サッカー部の出し物はありきたりだがサッカーボールを蹴る的あてゲームだ。

 自分たちが手伝ったこともあってか、なかなか楽しめた。

 駿河もいたので4人で勝負をふっかけたがやはりサッカー部、誰も勝てなかった。

 勝負が終わり駄弁っていると「駿河! お前ちゃんと仕事しろ!」と3年から注意されてしまった。

 すまん駿河。

 隣では野球部が的あてゲームをしていたのでついでにそちらにも参加した。こちらは投げるタイプだ。

 しかし隣同士で同じ的あてゲームとは、お前らそれでいいのか?


 その後、10時になる前に武道場へ向かった。

 武道場では演劇部が午前と午後に1度ずつコントをする。

 午後に回ると午前に見たやつらからのネタバレの可能性があるため、午前に回ることを事前に仲間内で決めていた。

 武道場の中に入ると見事に男子しかいなかった。料理部とは全く逆だ。

 前方には畳が置かれたスペースがあり小道具なども置いてある。そして後方にも飯屋のセットのようなものがある。もしかすると前後両方を使うのだろうか?

 そして観客はその間の地べたに座って観るようだ。

 去年体育館でやったときとはえらい違いだ。

 進行役からスマホの音が鳴らないようになどの注意喚起がされたあと、後方を舞台に演劇部のコントが幕を開けた。

 ……まぁ実際は幕などないのだが。

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