第6話 現実
壁をすり抜けたその先は俺の家の玄関だった。
戻れるのか。後ろに動いても戻る事は出来なかった。
一体なんなんだ。この世界はなんなんだ。
家の中に入って今残っている謎を冷静に整理しよう。
最初にこの世界がなんなのか。俺の存在はなんなのか。
次に、功がどこか。母さんの言っていた厄払いの神とは。
最後にぐっちが生きてるのか。
義父は亡くなっているだろう。確認もしたから間違いない。
ぐっちが入院していた病院はどこなのか分からない以上
確認のしようがない。俺はまずぐっちの家に向かった。
インターホンを鳴らした。出てきた人は全く知らない大柄の女性だった。
???「よぉ初めましてだな災離。」
災離「誰だお前は?なんで俺の名前を知ってる。」
???「すまない自己紹介が遅れた。俺は妖刀・村正だ。」
災離「何を言ってるんだお前は。適当な嘘をついてないで本当の名前を言え。」
村正「嘘はついてない。俺は真田家で生まれてきた選抜者に仕えてきた村正だ。」
そう言った村正は刀の姿に変わった。」
災離「何が起こったんだ...」
村正「これも見るのは初めましてだもんな。今のは再起変化だ。
強い意志が籠った物は人として再起変化する事が出来る。」
災離「もう色々起こり過ぎて何が起きても驚かない自信あるわ。
なぁ村正聞きたい事がある。聞いてもいいか?」
村正「あぁいいぜ俺の知ってる限り教えてやるよ。なんでも聞いてくれ」
災離「分かった。まずお前はなんなんだ。
俺の常識の中では刀が喋るなんて事は有り得ない。」
村正「あぁ俺は破×(はばち)の一種だ。
破×は最初から破×ではなくて、
持ち主がその物に力や感情を込めると、破×になるケースがある。
他はあるか?」
災離「ありがとう。それじゃあこの世界はなんなのか教えてほしい。」
村正「先に言っておくが、この世界は災離の思ってる世界と何か変わった事はない。
災離にとって常識が変わるって言えば分かりやすいだろうな。
ひとつずつ説明するからよく聞いといてくれ。
この世界には破×を使う破人が居て、
破人になるには刺激が必要になる。
どのくらいの刺激で破人になるかは人それぞれだが、
大体は若いうちに破人として覚醒する。
破人になるとそいつはこの世から人間としての存在が消える。
災離の事も人間だと覚えてる奴は存在しない。
破人で集団を組んで破×を集めてる奴らも居るんだが、
これはアドバイスだ。その集団に所属する事はおすすめしない。
欲望に負けて破×を奪うやつも居るなど基本的に問題ばかりだからだ。
まぁだが何も問題がないなら所属する価値はある。
それでもランキング上位の奴らは
目撃情報によると群れずに一匹狼という噂がほとんどだし、
一人の方がやりやすいのは間違いないから組まないのは当たり前だ。
ちなみにランキングを作成してるやつは不明だ。
まぁざっとこんなもんだ。まだ聞くことあるか?。」
災離「助かった。沢山聞いても申し訳ないしこれで最後にするよ。
俺には母さん...いや義理になる母さんが居るんだ。
その母さんが俺の事を厄払いの神だって言ってたんだ。
厄払いの神ってなんなんだ。」
村正「...」
災離「どしたんだよ村正」
村正「お前本当に真田家の人間なのか?」
第六話 完 次回「不動の男」




