改変後4:のじゃロリエルフ&淑女♂︎エルフVS勘違いのクソ野郎エルフ
これもまた、原作改変による弊害なのかな…?
「ー聖女様のお供に何故貴方達のような老エルフが選ばれたのか理解出来ませんね!」
「はぁ?お主、今は旅路の為に辞めたとは言え、ワシが長老会の中でも重鎮であった事を忘れたのかぇ?」
「私もヴィーと共に重鎮をしていた上に、【最果ての集落】一の弓士であった事をご存知無いと?
何処の集落出身ですか?野良エルフですか?貴方は。」
今、ボクの目の前でヴィヴィオ様&ジュードさんVSクソエルフの戦いが始まろうとしていた。
タイミング悪くシャルやキリカちゃん達は全員出払っていた……と言うか多分この誰も居ないタイミングを狙ってきたなコイツ。
まったく!!今はボクのお米に合う料理を3人で研究してた所なのに!!
ヴィヴィオ様が持ってたのなんか“朴葉味噌”っぽい何かなんだぞ!!
(自家製味噌を香りの良い葉で包んで持ち込んでた、同じ種類の葉を皿替わりにして葉ごと炙って香り付けしながら食べるらしい)
ジュードさんは漬物を持ってたんだぞ!!
(自家製漬物を同じく香りの良い葉で包んで持ち込んでた、匂いも味もたくあんだった)
………と言うか、エルフって味噌とか漬物とか作ってたんだなぁ……
「おや?たくあんを食べますか?エルーナさん。」
「あ、ありがとうございますジュードさん。」
たくあん美味しいです。ポリポリ。
ごはんうまうま。
そろにしてもこのクソエルフ。
原作同様のインテリ気取りのナルシスト野郎だからボクがご飯食べつつ帰れオーラを込めた冷めた目で見ている事に気付かない。
それどころか何を勘違いしたのかキザったらしく笑みを浮かべた。
あのさ、ボク既婚者なんだけど??
とは言え、重婚でもあるから言うだけ無駄だろうけど。
と言うかまたこのパターン?
なら今回は最初から口撃全開で行くよ??
ボクはご飯を飲み込むと早速口撃を開始した。
「ーあのですね、貴方が何者かは存じませんが、ヴィヴィオ様とジュードさんは私にとっての師匠なのでバカにしないでいただけますか?
旅に同行しているのも、師匠であるお2人に私からお願いした事ですし。」
事 実 100% 。
実際、ヴィヴィオ様は(百合妊娠の)師匠だから嘘は言ってない。
ジュードさんはボクの嫁の弓の師匠だし。
と言うかジュードさん、シャルとキリカちゃんの2人を同時に相手にして組手をしてたのを見たけど、冗談抜きで強かった。
弓使いなのに近接格闘術も得意だった。
どうやら、ボクと同じ原理で魔力量による身体強化で強いタイプらしい。
魔力で強化されたその拳は、本気を出せば岩をも砕く破壊力だ。
それでいてまるで優雅にダンスをするかの様な戦い方で、まるでそこは舞踏会の様だったんだ………
ギャグとかじゃなく、武闘会が舞踏会になる人って実在するのかっていう、嘘みたいなホントの話だよ………
本当になんなんだろ、ジュードさんって。
そう思いながらジュードさんを見ていたら、優雅に微笑みを返してくれたから思わず顔に熱が……危ない危ない。
ジュードさんもボクも既婚者だ。
いくら重婚が可能でも浮気はダメだと思う。お互いに。
「む…?これジュード!気を逸らすでないわ!!」
「あら?ごめんなさいね、ヴィー。」
「くっ…!顔がいい…!!じゃ無くてのぅ!?今は目の前の事に集中せんか馬鹿者っ!!」
「照れながら言われても可愛いだけですよ?可愛い可愛い私のヴィー。」
「ニッコニコじゃなぁ!?しかもサラッとワシを口説きおってからに!!お主は何時も緊張感が無さすぎるのじゃ!!」
「あら…………?
んー…格下相手に緊張なんてする必要、ありますか?」
「格下!?今僕の事を格下と言いましたか!?」
「………はぁ…こやつめ、無自覚にシレッと煽りおる…そうゆう所じゃぞジュード。」
「はぁ…?」
首を傾げるジュードさん……“天然さんな深窓の令嬢”感がすごぉい!!
君は淑女するのが得意なフレーげふんげふん。
話が進まないって言うか、ジュードさん、そもそも相手にする気が無いのか、話の腰を折りまくってない?わざと??
「うふふふふ…♪」
あ、わざとだこの人。
淑女スマイル浮かべてるけど内心何考えてるんだろ。
「怒るヴィーも可愛いですねぇ…♡」
「ジュードォォッ!?お主!ほんっッにお主ぃぃ!?
もう好きなのじゃぁぁぁ!!」
「あらあら♪ありがとうございます♡」
「「くっ…!顔がいい…!」」
あ。ボクとヴィヴィオ様の声が重なったね。
実際、今のジュードさん、恋する乙女顔してて絵になるし。
「「……。」」
ガシィッ!(固い握手)
思わずヴィヴィオ様と見つめあって固く握手しちゃったよ。
「〜っ!この僕をコケにするとは!なんなんですか貴女達は!?」
「ジュードの嫁じゃが?」
「ヴィーの旦那ですが?」
「シャルとキリカちゃんの嫁ですけど……
「そうゆう事を聞いてるのではありません!!」
「「はぁ…?」」
「はぁ?」
なんか怒ってるエルフ(笑)。
ボクとジュードさんは首を傾げて間の抜けた声。
ヴィヴィオ様は睨みつけながら侮蔑を込めた声を上げる。
「まぁ、なんじゃ?
相手が悪かったのぅ、お主。
ワシも大概じゃとは思うが、エルーナも同じく食わせものじゃし、ジュードはそれ以上じゃぞ。」
「何気に失礼ですよねヴィヴィオ様!?」
「事実じゃろ。
表の方では清楚感出しておる様じゃが……お主、頭の中身は別じゃろう?」
「ぐっ…!」
「シャルロッテやキリカが気付いとるかは知らんがのぅ。」
「多分、2人とも知ってると思います。」
もう付き合いが長いし、結構な頻度で素…いや、表の顔も素ではあるから中身、と言うべきかな?が出てたりするし。
そもそもシャルに関しては会ってすぐに神呼吸でやらかしてるし、なんなら国王陛下も神呼吸してから話しちゃったからボクの正体には気付いてると思う。
それはそれとして若干ドヤ顔なヴィヴィオ様可愛い過ぎる。
やっぱりエルフだから美形だし。
と言うか、顔は双○杏に近いものがあるからドヤ顔似合うなヴィヴィオ様。
まぁ、あくまで近いだけで、敢えて例えるなら杏似って程度でエルフらしい顔立ちをしてるし、
声は田村ゆか○さん似だし、
ロリ巨乳(推定Cカップだから幼児体型にしては大きいの程度だけど)なエルフだけど。
なお、ジュードさんはあの強さで乃木坂○香似の淑女だから恐ろしい。
(おっとり系淑女の見た目で歩きながら笑顔で狙撃したり踊る様にCQCキメたりとか普通に怖い。)
声は水樹奈○さん似だし性別男だけど。
と言うかこの世界のエルフってなんなの?
アニメ(ゲーム)キャラに近い見た目と言い、声優さんっぽい声と言い。
創造神様は狙って創ったのだろうか?
まさか、ね。
「えいやっ♪」
「ぐはぁ!?」
「って言ってるそばから近接キメましたねジュードさん。」
「近接格闘は私の得意分野ですから♪」
……本当に、なんなんだろ?この淑女♂エルフさん。
あと何しに来たんだろ、あのエルフ(笑)は。
あとそのまま鼻歌をしながら取り出したロープで手際よく拘束するとか、ジュードさんってこうゆう事に慣れてない?
「あ、私は見た目がコレなのでよく勘違いしたおバカさんに拐われそうになるんですよ。」
「え、なんで考えている事が分かったんですか!?」
「お主、顔に出ていたのじゃ。」
「!?」
「さて、と。ではでは……魔王城へ転送!!」
「!?」
「何を驚いておる。ワシらエルフは魔法も魔術も得意なのじゃ!これ位誰にでも出来るのじゃよ?」
「そうだったんですか!?精霊神様だから出来るのかと……
「む…流石に大人数を転移させるのはワシら2人がかりでも無理じゃな…
「なんだかんだ言ってやはり精霊神様は特別なのですね。」
「………まさかあんなのが精霊神とは思わなんだが。」
「あは…あはははは……我が神がごめんなさい。」
とは言え、信仰心は失ってないから今でも心から『主の導きがあらんことを。』とは言えるけどね?
あの精霊神様のお導きとかちょっと不安な気もするけど……大事な所でふざけたりはしない神様だから。
……………ふざけたりしないよね?精霊神様。
「む?聖女だからと言うてお主が謝る事は無いのじゃ!」
「…ありがとうございます、ヴィヴィオ様。」
と、ちょっと悩んでたらヴィヴィオ様に気を使われてしまった……なんかごめん。
ってあれ?ヴィヴィオ様はなんで微妙な表情を?
「ところでお主、今更じゃが何故ワシには“様”付けでジュードには“さん”なのじゃ?」
「何故、と訊かれましても……
なんでだろ…?
こう……なんと言うか………
「ジュードさんはマリア姉様と同列な気がして…?」
「淑女枠かのぅ?」
「ヴィヴィオ様に関しては聖女の直感で神聖視している部分があるのかも知れませんね?」
「随分曖昧じゃのぅ…?」
「うーん……正しい言葉が浮かばなくて…なんと言えば………?うーん………?お母様、の様な……?」
「ふむ…?確かに今の面子の中では唯一の子持ちじゃろうが……
ごめんなさい、正直 な ん と な く で“様”付けしてる部分もあるから上手く言語化出来ない………
あれ?と言うか今、なんか変な事を………
「………ヴィヴィオ様、今なんと?」
「む?ワシは子持ちじゃが?言っとらんかったかのぅ?」
「ふぁ。」
「普通、エルフは長命故に滅多に子を成さんがワシらはその……
「ついつい燃え上がってしまったので子供が5人居ますよ?」
「ごにん。」
ヴィヴィオ様が顔を赤くして言い淀むと、ジュードさんが後を継いでそう言った……5人………5児の母かあ………
「言うて全員成人済みじゃがな。」
「ですね、1番年下の子でも500歳位の時ですし。」
「スケールが大き過ぎますね?」
そこらへん、流石にエルフだなぁ………
と、苦笑いしてたらヴィヴィオ様はニヤリと笑った。
え?もしかして5人の子供達って誰かしら有名人だったり?
「ところで、お主は【賢者リリアンヌ】は知っとるか?」
「………確か隣国の宰相ですよね。」
あれ?そう言えばあの国って宰相がエルフだからもう何百年も変わってないって……
もしや………
「そのリリアンヌがワシらの最初の子じゃ。」
「ふぁ!?」
「それと、シャルロッテさんから近衛騎士の1人にエルフが居ると聞きませんでしたか?」
「は、はい…確か名前はリリエンカリス、ですよね?」
「その子がワシらの5番目の子じゃな。」
「えぇっ!?」
待って待って!!
リリエンカリスさんって!
騎士団所属のエルフの剣士ってだけでも珍しいのに更にピンクブロンドの髪色で使用武器が刀っていう珍しい騎士様なんだけど!?
あれ?じゃあ2番目、3番目、4番目は?
「………残りの3人は特に何も無いな。皆、平穏にくらしておる。」
ズコーッ!!
「なんじゃお主。いきなり転けおってからに。」
「お疲れですか?」
「いえ……肩透かしをくらって思わず転んだだけです。」
「そうですか。」
「妙な事をするのぅ…?ルイーゼ殿の入れ知恵かぇ?」
「………そうですね。」
『前世の経験からです。』
なんて言って通じるか分からないしなぁ…?
ボクの正体については誰にも言ってない事だし。
………多分、精霊神様は気付いてるとは思うけどさ。
…………あれ?結局あのナルシストエルフとはほとんど話さずに終わった??




