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んっ、パンを作るよ!

こんなに遅くなるなんて……。

3月4月は超忙しかったんです……。


「本日は『パン』を作りましょう。」


てれててれて、てれててれて、てれてててててて、てってんれー


「パン生地として予め、小麦粉、バター、卵、牛乳、塩、砂糖、ドライイーストを混ぜて生地にし、一晩寝かせたものを用意しました。各々、好きに成形してください。中に具を入れるのも良いですよ。」


「はいなのです。」

「分かった~!」

「御意。」

「……ん。」

「やるっす!」


わぁ。みんな良いお返事。

各々が目の前に置かれたパン生地を手に取り、動き出す。


だだっ広い庭エリアに、みんなで料理の出来る、簡易なプレハブ小屋を建ててみた。

部屋の真ん中には大きな机、周囲の壁際には流しや冷蔵庫や棚などが置いてある。――イメージは、お料理教室みたいな感じだったり。



……さてっと。私もやろー?……ぉー?


…………。

うん。やりたいんだ。でもでも、ね?


イズミてんてー!私の分がありませーん。――って感じなのだよ。……うっ。でも緊張して言えないのだよぅ。おろおろ。



「お待たせしました、マスター。これをどうぞ。」


そんな言葉と共に目の前にペラリと置かれたのは、ラップに包まれた正方形の生地。


「んー?」


「こちらはクロワッサン用の生地、バターシートをパン生地で包んだものになります。」


おぉ!わーい♪クロワッサンんん~!

そして私の隣にはもう一枚、同じ生地がペロリンと置かれる。



「マスター、隣失礼します。」


そう言って、イズミちゃんはヨッコラ、ヨッコラと踏み台を運んで来た。可愛い。

――実は、私とお人形ちゃん達には身長差がある事を忘れ、プレハブ内の机等もろもろを私サイズで作るというドジをやらかしていたり……。

それによって、お人形ちゃん達には踏み台が必須という状況に。……わざわざごめんねぇ。



「さて。クロワッサンですが、まずはこの様に生地を縦方向へ伸ばし、長さを3倍程にします。」


そう言ってイズミちゃんは麺棒を転がし、せっせと生地を伸ばしていく。

私も真似して、コロコロ、コロコロ。


「はい、それではこれを3つ折りにし、生地を90°回転させます。そしてまた、同じ事を繰り返します。」


ほむほむ。

パタン、パタンで、クルリンぽ。

コロコロー、コロコロー。

コロコロー、コロコロー。

これを数回繰り返す。



「そろそろ成形しましょう。こうして三角に切り、クルクルと巻きます。」


そう言ってイズミちゃんが見せてくれたのは……おぉ!クロワッサンだぁ!!


「マスターもどうぞ。」


わーい、やるやるー!

……こうしてこうして、クルクルぽんっと。

ニヘヘ。楽しい。




「全員、そろそろ出来ましたか?」


「モモは出来たのです〜。」

「見て見てー、泥団子ー!」

「無論。」

「……ん。」

「出来たっすー。」

「私も出来たよー。」



机に並ぶ、様々な形の生地。


……ふむ。

モモちゃんが作ったのは……えぇと?モモちゃんだし、やっぱりこれはお花なのかな?

モモちゃんって、もしかして不器用なの……かなぁ??


ホタルちゃんのは案の定、茶色い球体。……ねぇこれ、ココア味だよね??砂を使ったりなんかしてないよね?食べたらジャリジャリとか、しない……よね?!砂遊び用のバケツがあるのは、たまたま置いてあっただけ……だよね!!

ワタシハ ナニモ シラナイ。


シノブちゃんのは、精巧に作られた短剣や手裏剣など、忍者っぽい道具が様々。

……上手いなぁ。本物みたい。


コズエちゃんは、……えぇっと、丸めただけ……かな。生地の塊がドンっと置かれている。


「コズエ。これは一体……?」


「……枕。」


「枕?」


「……ん、食べれる枕。」


「お行儀悪いですよ。」


「……むぅ。」


あぁ、うん……。

なんか、コズエちゃんらしいな〜って。



「あ、これはモモなのですぅ~?」


「そうっすよ!」


アカネちゃんの作ったパンは、超可愛い。


「これがホタルさん、こっちがシノブさん、それがコズエさんで、そっちがイズミさん。そしてこれが、マスターっす!!」


デフォルメされた私達のパンなんだなー。アカネちゃんってば器用!



……対して私は、ただクルクル丸めただけのクロワッサン。何の面白味もなく、基本に忠実な状態なんだよなぁ。

むぅ。私もなんか、コネコネすれば良かったかな。

……んー。それよりもなんか、創作意欲が。



あ、粘土したくなって来た。コネコネしたい!色付けもやりたい!後で何か作ろーっと。ふふふーん♪



「ではこれを、藤木さんへ入れて発酵させ、焼きます。」


んー?んんー?


「ねぇねぇイズミちゃん。それ、手作業で丸める必要あった?」


だって、不思議機械こと藤木さんなら、生地を入れるだけでクロワッサン作ってくれると思うの。


「……マスター。マスターは、楽しくありませんでしたか?」


不安そうに、イズミちゃんは私を見上げてくる。


「ん?楽しかったよ!」


ふーむ。なるほど納得。

楽しいからやる。好きで手間をかける。――そういう事ねー。

まぁ私は、使えるものは遠慮なく使う派なんだけど。

縛りプレイとか滅多にしない。ってか、たぶんしないわ。


だからなんか、こうやって手間かけてみるってのは新鮮だよねー。ふふふ。


「ねぇねぇイズミちゃん。ちなみにさ、どれくらいで焼き上がるの?」


「もう出来ましたよ?」


「早っ。」


いや、早いよ!ビックリだよ。いつの間に?って感じだよ!



「何せ、藤木さんですので。」


こんがり焼き色の付いたパンの乗ったお皿。それを持つイズミちゃんの言葉に、なるほど納得。

だって不思議な機械、藤木さんだもんねぇ。発酵時間も焼き時間も無視出来るよねぇ。



イズミちゃんに差し出された程良い焦げ目のクロワッサンをパクり。

はぅ。サックサック……。

あぁ、もう!……幸せですなぁ。えへへ♪


次の更新はいつになるかな……。

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