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んっ、キャラメイクだよ。

3章です。


キャラメイク~、キャラメイク~♪


仮の肉体(ぶんしん)さん、作りましょー。



肌は色白!

色白とかホント憧れるっ。私、油断するとすぐ日焼けしちゃうんだよなー。


鼻は小さめ。

唇は赤みの入った桜色。

身長は、160くらいは欲しいよねぇ。人並みの身長がとっても憧れ。


髪型はうーん。

私ずっと長髪だったし、ここは気分を変えて短髪にしようかな。肩くらいの長さでのぱっつん。ついでにハネたくないから、髪質はサラサラストレートがいいなー。

あ、色はピンクがかった薄い灰色で。


瞳は髪色に合わせる感じで、うーん……色素薄い感じで普通の灰色かなー。



あとは……んー?こんな感じで良いのかな?

なんか忘れてる事多そうだけど、まぁそれはおいおい調整していく感じで。

【クリエイト】っと。


ポンッと、目の前に現れる身体。――あら、可愛い。

と次の瞬間、その体は力無く傾いでいく。


ひぇっ!?


慌てて駆け寄るも、鈍い私は支えきれず。

倒れ込んだ人形と共に、トスン!と尻餅をついた。……うぐぐ。お尻痛い。

そしてなんか重い。動けない……事は無いけど、結構辛い。



……あ、でもちょうど良いや。入っちゃえ。


こうクイッっと、自らの肉体から離脱してお人形さんの中に入る感じで。

シュルシュルグイッと引っ張られる感覚がして、一瞬の暗転の後、視界は切り替わる。


パチクリ。

お手てニギニギ。

身体をペタペタ。


んー。……鏡欲しいな。【クリエイト】して部屋の隅に設置。


鏡の前で、じーっ。

くるりんぱ。ぴょんぴょん。

……んっ。良い感じ。



っていうか、アレね。

入って気付いたけど、これ“お人形”だぁ。

材質は布、中には綿が入ってるやつ。


……ん?あれ。

コレ、ゲームのアバターだよね?材質、布なの?

ん?っていうか、アバターの材質って何だ。……電子の塊、とか?


……うん。まぁ良いや、お人形で。

だって、肌の質感は布っぽくなくて普通の肌みたいだし、動きにも違和感は無い。

違いといえば、お腹がザックリ切られた時に血や内臓じゃなくて、綿が飛び出るだろうなってくらいかな。

気にしない、気にしない。



さて。

見下ろせば、床に倒れたままの『私』。



――よっと。

チチンプイと肉体強化を掛け、ソッとお姫様抱っこで持ち上げるとベッドの方へ。



この場所は、地下に作った新たなフロア。

イメージは、たくさんのクローンが眠っている地下室……的な。今は2つしか、カプセルベッド無いけど。


横に長い楕円をした、半透明なカプセル。

特別にフカフカなお布団を詰め込んだ中に、私の身体をソッと寝かす。


ここに入れておけば大丈夫な様にしておいた。

この中に入れた身体は、腐らないし老いないしお腹空かないし餓死らないし退屈死ないし窒息死ないし衰弱死ないし死なないし。

――時の止まった中で、ただスヤスヤと寝ているだけ。


その隣にはもう一つ、空っぽのカプセルベッド。

それは私の、……人形となった『私』の席。――今の所、使う予定は無いけれど。




……そうだ、名前。

新しく名前を付けなくっちゃ。

スヤスヤと眠る彼女は『アキ』と名乗っていたっけ。


ボーとする中、ふと浮かび上がった文字は『せ』と『つ』だった。



ここからは私の勝手なイメージなんだけどさ。

『せつな』って子は、クラスの中心で輝いてる感じがするんだ。

特に『な』の部分がキラキラ輝いてるイメージ。


でも、『せつな』からキラキラした『な』を取っちゃえば、私の中ではなんか“いつも隅っこの方にいる大人しい子”っていうイメージになったんだ。


『せつ』目立たずヒッソリと、でも己の役割はしっかり全うする……みたいなイメージに。


……なんかコレ、しっくり来た。

うん、これでいいや。



――せつ。


新しい、私の名前。



----------


「うきゃあー!!あ、マスタぁーだぁ。助けてぇ!!」


上に戻れば、ホタルちゃんが私に向かって走って来た。

背後に迫るのは、案の定イズミちゃん。

ホタルちゃんは私の足に縋り付き、イズミちゃんとの盾にする。


「ようやく追い詰めましたよ、ホタル。」


「ひぃぃ!」


怒ってるイズミちゃん、可愛いなぁ。小さな体で精一杯頑張ってる感じが、微笑ましい。

私の足に必死でしがみついてくるホタルちゃんも可愛い。怯えてプルプルしてる感じがとっても可愛い。



「あっ。んーと、……ねぇ、今度は何したの?」


いつもの通り、大した事じゃないんだろうけど。

でも、一応聞いておこうと思って。



「……ホタルが、大量の泥団子を地面に並べて遊んでいたのです。よく見れば『イズミおに』という文字になっていました。」


鬼?イズミちゃんが?……うん、なるほど。確かにピッタリかも。


「無駄にピカピカな泥団子で制作されていました。その事が、より腹立たしいです。」


「……う?」


ピカピカな泥団子?

私の中で、幼稚な心がムクムクと顔を覗かす。



「ねぇ、ホタルちゃん。泥団子、ピカピカなの?」


ウズウズしてきた私は、ホタルちゃんの方に振り向いて、そう聞く。


「もっちろん!マスタぁーも一緒に作るー?」


「作るっ!」


泥団子、たまに作ってたなぁ。

ピカピカに磨きあげるも翌日には既に干からびてて、私は毎度毎度ションボリしてたっけ。

よしっ。魔法駆使して、今度こそピカピカ泥団子をキープしてやるっ!



「マスター!ホタルにはまだお説教が……。」


「マスタぁー!行くよ!」


ここぞとばかりに、私の手を引っ張りながら駆け出すホタルちゃん。

引っ張られながら走る私と、それを追い駆けるイズミちゃんが続き……。







泥沼の淵、私が黙々とピカピカ泥団子を作る隣で、イズミちゃんによるホタルちゃんへのお説教は長時間続いた。

――いや。お説教っていうより漫才な気がしたけどね?ふふっ。


新しい肉体で、思いっきりはっちゃける、アキ……じゃなくてせつちゃん。

(ちなみに、『せつ』を漢字にすると『雪』になる事に彼女が気付けるのは、もっと先の話。)


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