ねぇ、クノイチさんだよ。
<【状態異常耐性】が使用出来ます。《魔力枯渇》をレジストしますか?>
――のわっ!?
朝。
目覚めたら、なんか目の前にウィンドウ開いてた。
ステータス見てみれば……あれれ?魔力はMAX、状態異常の欄は空っぽ。《魔力枯渇》なんて文字は無い。……およよ?よよ?
試しに<YES>を押してみたら。
<エラーが発生しました。《魔力枯渇》が存在しません。>
ほぇ。
……えっと、んーと、アレかな。
寝てる間に、→レジストの発動が可能になる。→ウィンドウが出る。→私は寝てる。→寝てる間に魔力が全回復。→レジスト氏「あれ?『魔力枯渇』さん、どこ行ったの?」
てな感じで、どうだろ。いや本当かどうか分かんないけど。
――え。……ってか、えっ?魔力MAXっ!?
うわ、MAXだ。『現在の魔力量/魔力の最大値』がそれぞれ、同じ数字の羅列だ!
わぁい!やったね♪
これで、思う存分魔力が使えるよー!
……まぁ、今までも特別に、気にしてたワケでも無いんだけど。うん。
でも『大丈夫、大丈夫♪』って調子乗って使いまくると、すぐ溶け消えるからねぇ。気を付けないとね。
まぁそんな事より、『魔力枯渇』が消えたならやることは一つ!
地下、広げよ?
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「おはようございます、マスター。」
レッツ現地調査!ってワケで地下に下りてみれば、新たな服を着た水色委員長さんもといイズミちゃんが、優雅に一礼した。
……えっと、あの、……カッコいいです。はぅあぅあぅ。
執事服だよっ。男前だよっ!
長く綺麗な髪は後ろでポニテになってる!めちゃカッコいい。
真顔のまま毒舌とか吐きそうだなぁ。……ぐぱぁ(吐血)
どどどんぴしゃ過ぎるっ。萌えポイントを見事に撃ち抜かれたよっ。死ぬっ。萌え死ぬっ!
「どうかしましたか?マスター。」
「……。(ブンブン!)」
なんでもないよ。でも、こうして見ると瞳は純粋無垢ね。腹黒秘書っぽいのだったら、私、怖くて近付けないよ。怖くて、でも萌えとして悪くないから、遠くから愛でるだけになっちゃう。もし近付いたら、きっと心臓が。心臓が……。あぅあぅあぅ。
「あ、マスタぁーだ!ねぇ、こっち来て来てー!」
およよ?黄色ちゃん、何の用だぃ?
あら、君も可愛いね。でも、新しく作ってもらったであろうワンピースが泥だらけよ?君、好きだね、泥んこ。
「アレ取ってー!」
そう言って黄色ちゃんが指差すのは上の方。シャワールームの屋根。
見れば、……うーん。なんか黄色い布っぽいものが引っ掛かってる?
もう少しよく見てみようと近付こうとして――
「主っ!」
ズボッ。
……ほぇっ!?
ズボッ。
咄嗟にもう片方の足を出してて、転倒回避してた。
目の前には、水分たっぷりの泥沼さん。落とし穴ね?表面は見事にカモフラージュしてたみたい。
「ウキャキャ!マスタぁー、引っ掛かったぁ!」
おーのーれーぇー!
ってか、わーらーうーなーぁー!むぅ。
靴もズボンも完全に泥だらけ。上の服にも泥の飛沫が飛んでるし。
「こらぁ、ホタル!マスターに何をしているのですか!」
「うきゃぁー!!」
委員長の如く怒るイズミちゃん。逃げる黄色ちゃん。
……あ、即捕まった。地下、狭くてごめんね。
「主、大丈夫か?」
え、あ、うん。
差し出された手を取れば、クイッと引っ張ってくれる。
「主の危機に反応出来ぬなど、影の守護者として失格である。どんな罰でも受ける所存。」
え、あ、あのあの……。
緑色の髪にショートカットの子。収穫作物を倉庫という名の無限収納ダンボールに入れる係の子。ずっと、どこに行ったんだろ?って思ってた。
服は……えぇと、何て言うか。うん、もろ忍者服。完全にクノイチさんだぁ。
その忍者さんが、私の前で片膝付いて罰?を待ってるって。え、何。守護者って何。罰って何で!?
はゎゎゎ???
「……シノブ。……ますた、困ってる。」
割り込んできたのは灰色ちゃん。……ふぅ。助かったぁ。
「コズエ殿。……しかし!!」
「……ダメ。」
「で、ですが!」
「……次、頑張るの。」
「……御意。」
うむ。よく分かんないけど、なんか纏まったようで何より。灰色ちゃん、ありがとう。
……でもでもね?何か気になる事を聞いた気がするの。
「……んー?」
私の方に振り向いて、小首を傾げる灰色ちゃん。
……聞いてくれる感じ?有り難い。
「あの、……な、名前?」
なんか付いてたよね、名前。教えて詳しく!
コックリと頷いてくれる灰色ちゃん。聡いっ!良い子っ!
「……あい、あむ、コズエ。」
ふむ。この灰色ちゃんが、コズエちゃん。ポケーッとしたマイペースな子。
確かに高いところ好きそうだもんね。うんうん。
「……シノブ。」
緑ちゃんがシノブちゃん。
……あぁ、うん。凄く、クノイチっぽい名前だこと。
「……イズミ。」
うんうん。水色委員長さんは知ってるよ。“水”っぽいよね。
「……ホタル。」
イズミちゃんの前で正座させられてる黄色ちゃん。
……“ホタルちゃん”かぁ。なるほど。確かに蛍は黄色い。
「……モモ」
モモちゃんはさすがに分かるよぉ。本人から聞いたし。
「……が……全部付けた。」
あ、そっち。
でも、うんうん。良いと思うよ。みんな可愛いし。
「……んっ。……シノブ、消えた。」
あら、ホントだ。いつの間に。
「……疲れた。……寝る。」
ふわぁ。と欠伸して、目を擦りながら去っていくコズエちゃん。――えっ。消えた!?
シャワールームの建物近くに寄った瞬間、少ししゃがんだと思ったら大きく跳躍。屋根の上にタンって立ってた。――一瞬、消えた様に見えてビックリした。
あれ?まさか、コズエちゃんも忍者さん??え?
あぁ、また一話に収まりきらない……。




