私、きっと邪魔。
辿り着いた場所は、学校の校庭みたいな所。
「4人~8人のグループを作れたら、声を掛けてください。」
入ってすぐの場所に、簡易的に置かれただけみたいな受付。
そこに座っていた騎士さんに淡々と告げられた。
……グループ。
アレだよね、背中を預ける的なやつ。“仲間”ってやつ。
「ねぇあなた、何の能力なの?」
受付から離れれば、途端に優しそうな女性に声を掛けられた。
「……補助、魔法。」
きちんと伝わったのかな?と、チラリと女性を見れば困った顔してた。
「ごめんね、魔法使える子はもういるの。」
私が『分かった』という意味を込めて頷けば、女性はもう一度謝ってから去ってった。
隅っこに移動した私は、声を掛けられるのを待つ。
正直怖い。声を掛けられても掛けられなくても、どっちも怖い。
掛けられたなら、それは人と対面する事だから怖いし、掛けられないなら、可哀想なものを見るような視線が集まるんだろうし。
恐る恐る少しだけ視線を上げてみれば、もう既にいくつかのグループが存在していた。
中には能力の試し打ちや、他人と連携的なことをしている人達も。
っていうか、よく分からない人達がいっぱいの中で、よくグループなんて作れるね?って思う。
馬合わなかったら、どうするんだろう。
グループ内で一人だけ役立たずだったら、きっと居心地悪い。……もしハブられたりしたら?
……どこか、他のグループに入るのかな。でもそこに入る事によって、そのグループが今まで作ってきたものを壊すことになるんだよね。
きっとそれも、居心地悪い。
……私、大丈夫かな。
「ねぇあなた、私達のグループに入らない?」
段々に人は減って。
最後の集団が私を誘った。
私はコクリと頷く。
正直、何処だって良い。
きっとどのグループだって、私の居心地が悪いのは変わらない。
「自己紹介しよっか!私は糸川絢子。能力は『唄う』」
――出来るお姉さんって感じの人。なんかこのグループのリーダーっぽい。
「高倉清介だ。能力は『鍛冶』」
――おっさん?でも優しそうな系。
「アタシは中野真由実。『暗黒魔術師』」
――ギャルっぽい?少し明るい髪にバッチリメイク。まつ毛すごい。『まじだるー』って言いそう。
「八重鈴夏。能力は『聖魔法』ですっ。」
――制服。なんか、しっかり者の後輩ちゃんな感じする。
「片霧柊。能力は『盾槍』です。」
――こっちも制服。なんか頭よさそう。副委員長とかやってそう。
「世良、愛菜。……『魔物使役』」
――年齢わかんない。ポヘーってしてる。
「(私は)……アキ。能力は『補助魔法』、です。」
「マキちゃんね。ヨロシク。」
――えっ、あ。聞き間違えられた?
で、でも……。訂正できない。ボソボソ喋る私じゃ、きっと上手く伝わらない。
糸川さんから差し出された手に私が軽く触れれば、力強く握り返された。
「じゃあ、もう余っている人はいないみたいだし、登録に行こうか?」
そう言って歩いていく人達に、私は付いていく。
……私が居ることによって、きっとこの人達も居心地悪く思うようになるんだろうな。
――私がいなければ。
……スキル、作ろうか。
《存在感を消すやつ。けど、いないわけじゃない。無意識下では認識している。自分からアクションを起こさなければ全然注目されない。》名前は……【空気化】。
注目しないから、記憶には曖昧にしか残らない。
でも暗殺とかには適してない。だって『そこにいる』って事は認識しているから。
なら暗殺者スキルの定番【気配遮断】も作っておこうかな。《そこにいる事を、誰にも認識されない。》ってな感じで。
【空気化】をセット。
【セットスキル非公開】を一旦解除……するのは怖いから、板ではない別の媒体に……。
【ステータス】《半透明のウィンドウにステータスを表示する。》
使用、発動。
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名前 アキ
年齢 **
性別 女
体力 2
魔力 3
器用さ 1
能力名 補助魔法(スキル作成)
セットスキル
ステータス改変
セットスキル非公開
空気化
作成スキル
*セットスキル
【ステータス改変】【セットスキル非公開】【空気化】【気配遮断】
*技スキル
【ステータス】
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キャンセル、でステータスウィンドウを閉じた。
……なんか、作成したスキル名一覧出てきたぁ。
板には書いて無いよね??って見てみる。
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名前 アキ
年齢 **
性別 女
体力 2
魔力 3
器用さ 1
能力名 補助魔法
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うん、良かった。
あ、今ちゃんと理解したんだけど、スキルって『セットスキル』と『技スキル』の2種類あるんだねぇ。ゲームじゃ“アクティブスキル”とか“パッシブスキル”とか言われてたような?それと同じ。どっちがどっちか分かんないけど。
で、『セットスキル』っていうのは、セットしておけば、常時発動しているスキル。【ステータス改変】みたいな。
『技スキル』っていうのは【ステータス】みたいな、使用、発動、キャンセル、の3手順を踏むもの。【火焔弾】とかいうスキルを使用、発動、すれば《火の玉が飛んでいく。》うん、これスキルにしちゃおう!但しキャンセルを忘れると、無理矢理止めない限り無限に飛んでいくという恐ろしいもの。……あ、《機能》に《障害物に当たった時、自動キャンセル》って追加しておけば大丈夫そうかな?
あと、セット出来るスキルが3つだけなのはツラい。
《セット出来るスキル数を増やす。》【セットスキル追加】
セット……出来ないかな。
だって今は全部のスキルが、外せない。
一人になってから……かな。




