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私、苦手だもん。

糸川さん達からだいぶ遅れて、私はそこに辿り着く。


赤い点が3つあった場所。そこはまさに戦場だった。

樹木は折れ、ぶら下がる蔦は不自然に千切れ、地面の草の部分には焦げ跡。土が剥き出しので抉り取られた部分もある。


私はその手前、まだ無事な木達が密集する場所に留まる。



赤い点は今、ここから100mくらい離れた場所に一つ。300mくらい離れた場所にもう一つ。最後の一つは森の奥の奥に逃げたみたい。追いかける緑色の点は無し。追い払ったのか、それか……えぇと、そんな感じじゃないかな?



……で。元激戦区っぽいこの場所には、看病する人とされる人が合計十数人。この中に、八重鈴夏ちゃんも交ざってた。あ、治療する側としてだよ?【治癒】スキル持ってるもんね。


少しだけ泥と血で汚れた布。その上に寝かせられてる怪我人さん達。順番に、森を抜け転移陣を通ってお城の方へ運ばれてるっぽい。

暇な私は、ただ眺める。混ざってもどーせ、足手纏いだもん。




痛みに呻く人、怪我により荒い呼吸を繰り返す人、悲痛な声を上げる人……。


……あ、これ無理だ。さっさと退散しよっ。




感情の乗った声が苦手。耳を塞いで逃げたくなる。


「ケホッ。……ケホッ、ケホ。」


声が聞こえないくらい遠くに行ってから速度を緩めれば、変な風に走ったせいか少し咳が出た。そのせいで若干呼吸も乱れるけど、息を吸って吐いてをしてるうちにすぐ治った。




――さてと!

暇だし、お絵かきでもしようかな?


戦闘組に行っても、お荷物さんは邪魔なだけだし。

治療組に行っても、どうせ私は役に立たないだろうし。



ん、お絵かきするのに良い場所見つけた!

平らで大きな切り株さん。高さもちょうど良いかも。

それと、傍には描きやすそうな若木さん。ポキッて簡単に折れそうなくらい細い幹だけど、ちゃんと上向いて生きてるのが分かる。いいな、すごいなぁ。





----------



大体描き終えて、今何時だろ?って感じにウィンドウ見て。


あれから40分くらい経ってたみたい。つい夢中になって描いてしまったっ!


マップ見れば、戦闘は終わってるみたい。例の赤い点は見えないし、緑の点がある程度一ヶ所に集まって、その中でドタバタと忙しそうに蠢いてる。



……戻ろうか。

マップにこの切り株の場所をマークして、ついでに若木さんのSS(スクショ)も撮っておく。

だって、また来たいもーん!






----------




傷だらけの森の中をあちこち見ながらのんびり歩いて、私は感情渦巻く集団に紛れ込む。――あ、いや。ここが目的地なんだけどさ!

怪我人も多そうでみんなボロボロだし、なんかもう悲しみの負のオーラ全開空間で、もう一回逃げ出したい気分(汗)



「あ、いた!マキちゃん!!」


嬉しそうな声。振り向けば、状況を認識する前に強い衝撃。


「無事で良かったぁ!なかなか見付からないから、何かあったんじゃないかって心配したよ。」



ギューーーって抱きしめられてるみたい。身長からして糸川さんかな。――あ、今背中からもギュウされた。


「可愛い可愛いマキちゃんが無事で良かったよぉ~!」


これは八重鈴夏ちゃんだね。


……うん、なんか居心地悪いかな。抱き付かれるって慣れてないから、結構落ち着かない。『はわゎゎゎ……。』ってなる。……私ガリいから抱き心地良くないよ。円周が足りないから変に隙間ができるし、体重掛けられても私じゃ支えられないからお互いに?変な体勢になっちゃうし。……はわゎゎゎ。



幸いにも、すぐに解放してもらえた。

立ち上がった二人を見上げれば、二人とも目元が赤くて鼻をスンスンしてる。泣いた後、とかなのかな?


――理由はすぐに分かった。
















世良愛菜ちゃんが死んだ、って。

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