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私、使えない子。

数日して。

試験の結果が出たみたい。


成績の良い人順にダダーッと、広場に張り出されてた。

世良愛菜ちゃんが、上位にいてすごい。中野さんも中の上の上くらいにいた。



私は下から2番目だった。一番下はモヤシさん。試験は棄権したんだって。だから実質、私が最下位。




詳しい結果も貰ったよ。


---


設備不調により、対象を人形に変更。


1,魔法不発。説明を求めた際、誤魔化し有り。

2,【バインド】継続時間、4秒。威力、微少。(魔ウサギが一瞬足を止める程度。)

3,炎系の魔法。見た目に反してダメージは小。


---



むーん。かなり酷い結果かな。


心の石。

丸い刃の彫刻刀が、薄く薄く削っていく。

ズズズ。ズズズ。――じわじわ抉れる。



……私のスキルって、思ったより効いてなかったりするのかな。


でも【捕縛】さんが4秒って。やっぱり認識されてないだけじゃないかな?結局最初の3匹はノーカンだし。ちゃんと測れてないのかも?それか、私のスキルは魔法じゃないから感知出来なかったとか。



――やっぱ、そういうものなのかな。

本番で実力をすべて発揮した!とか出来た事ないし。練習で出来ていても何かしらの凡ミスをして、結局『まぁまぁな結果』なんてよくある事だし。……いや、今回は結構酷いけど!



----------




翌日、森へ行く日。


いつもの様にグループ毎に散って、森の中に入る。なんでか、引率騎士さん2人もついてきた。……うん、これも試験の一つらしい。外だとどう動くかっていうのを見るみたい。

――訓練場のが紙テストで、森では実技テスト……的な?あれ、ちょっと違う?まぁ、良いか。



森の中。


なんか、いつもと違ってなーんも居ないんだけど。

マップにも、何も引っ掛からない。引っ掛からないどころか、縮小しても赤い点が全く無い。

……あ、一ヶ所だけ見つけた。右の方に3つの赤い点。そこへ近付く、複数の緑の点も。



「ねぇ、なんか変じゃない?」


立ち止まる中野さんがそうボヤき、みんなもつられて足を止める。



「うん。不気味な位、なにも引っ掛からない。いつもなら既に、1回や2回遭遇していてもおかしくないのだけど。」


「そうじゃなくて……ううん、それもあるけど……。」


糸川さんの言葉に、中野さんは首を振る。


「なんかおかしい。なんて言うか、こう、雰囲気みたいなのが……。」


「わ、私もそう思います。なんかさっきから、変な感じがしていて……。」


八重鈴夏ちゃんはそう言って、不安そうに俯いた。

少し重くなる空気。騎士さん二人もなんかピリピリしているような。



「あ!あれは何だい?」


声を上げたのは高倉さん。彼が指差す方向を見れば、そこには“ザックリと抉り取られました”みたいな傷口を晒す、一本の樹木。傷口から上は傾いていて、別の木に凭れることで辛うじて、地面に倒れずにいられてる感。



「……あっち、……ヤバイのがいるみたい。」


世良愛菜ちゃんが指差すのは、さっきの赤い点の方向。




「ちょっといいッスか?今連絡が来て、隊長からの命令で『一旦戻るように。』だそうッス。『周囲を厳重に警戒しろ。』とも言ってたッスね。どうします?」


騎士さんの一人が口を開いた。何だっけ。何か連絡出来る魔具があるんだよね。いつもは糸川さんが持ってたはずなんだけど、今日は違うんだー。



「じ、じゃあ、一旦戻りま――」


「……私、行ってくる。」


そう呟いた世良愛菜ちゃんは制止の声を聞く間も無く、九尾に乗ったまま駆け出した。


「さすが九尾ッスねー。探知範囲が広い。……遭遇したグループが交戦中らしいんッスよ。あの子は助太刀しに行ったんじゃないッスか?」


そう言って、騎士さんは世良愛菜ちゃんが向かった方向へ駆け出す。


「先輩、そっちはよろしくッスー!」


「おい!」


お。先輩騎士さん初めて喋った。



「みんな、私達も行くよ!」


「おう!」「はい!」「はいよ!」「うむ!」


そうして、糸川さん達も走り出す。……え?!


「お、おい!」


先輩騎士さんも慌てて走り出す。









………………え。 待ってー!


※試験結果の補足を簡単に。

 こんな事を説明しても良いのか分からないけど、今後説明出来そうな機会も無いし。モヤモヤするならどうぞ。結構、言葉を端折ったけど。




1,アキちゃんが使った魔法は、エフェクト的に火属性。でも結果を見た感じ『風属性だろ?』と判断。後日調べれば、やっぱり火属魔法に相手を転ばせるようなスキルも無し。風属性なら有り。→結果。カカシは偶然倒れた。魔法は不発した。彼女は、偶然倒れたものを利用して、さも自分でやったかの様に言った、と判断。

2,【バインド】という名のスキルと判断。(判断したのはカカシ。該当スキルがそれしか当てはまらなかった?)

相手が生き物であったなら、『拘束時間は1分間続いた』と判断されたかと。でも動かないカカシだからね。見ただけじゃ全然分からない。

3,『ダメージ小』に関して。これは簡単。与えるダメージはたったの10だから。永続的に続くけど、それは想定外の計算外。


そもそもアキちゃんの攻撃が、相手の自爆扱いされるのは、また別の理由があるのだけども。彼女がそれに気付くのはいつになるんだろう?気付く未来が見えない。

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