私、カカシみたい。
今日の戦闘場所は第三訓練場。
試験するんだって。
始めて結構経ったし、どの位戦えるようになった?って感じ。
相手は多種多様な魔物から選ばれるみたい。試合数は3回。
今回は観客無し。6つに仕切られて、完全に個別試験。……嬉しい。騎士さん2人にジッと見られるのは緊張するだろうけど、たくさんの観客の中でやるよりマシだもん。
で、私の順番は一番最後。……うっ(泣)
何だろうね。名簿順だと私が一番最後なんだよ。今まで害は無かったんだけど、やっぱりそうなる?って感じ。
って言うのも、初日にグループ作ったじゃん?で、7グループ目の一番最後に名前書いたのが私っていうか……、それがそのままの順で名簿になりーの……的な。ま、そゆこと……(汗)
で、待機して待機して……。
私、待つのは嫌いじゃないんだけどね?……試験前の待ち時間だけは辛いですわー。緊張が半端ないもん。
一つ前の世良愛菜ちゃんも呼ばれて、その後すぐに私も呼ばれた。
ビクビクーってしながら部屋に入って。番号と名前告げて。
『もうちょっと前来て。』って言われたから、ピョコンって棒立ちのまま前に飛んで。
学校の体育館位の広さ。目の前の壁には鉄格子が嵌まってて、その奥はコンクリート部屋になってる。
左側の壁は、司会席みたいな風に一部がガラス張り。その小部屋の中にいるのは司会さんなんかじゃなくて、試験官係の騎士さん二人だけど。
『試験を始めます。』って感じに始まって。
鉄格子の向こうに現れる、魔ウサギさん1匹。
キギギギ……って鉄格子が開けば、魔ウサギさんはすぐ私に飛びかかってきた。
その時の私は、まだ棒立ち状態だったり。
……まぁ、問題は無いんだけど。
【一撃必殺】使用、発動。
『ぎゅゅー!』って叫びながら向かって来てた魔ウサギさん。走る勢いそのまま、地面に激突した。痛そー。
どうかな?チラッて司会席の騎士さん達を見れば、なんか焦った様な顔してる?
『捕まえてから結構時間経ってるし、弱ってたのか?』とか言ってる。え、そうなんだ。
「ちょっと、改めてもう一回行きまーす。」
そう言われて、また鉄格子の中に魔ウサギさんが放たれる。
キギギギ……って開く鉄格子。魔ウサギさんは私に向かって駆けてくる。
【一撃必殺】使用、発動。
ちょうど空中にいた魔ウサギさん。上手く着地出来るわけがなく、ベチョっと地面に墜落。そのまま前転、くるりんぱ!デローッと仰向けに伸びたまま、魔ウサギさんは動かない。
『え?え?』って、騎士さん達は焦ってる。どうしたんだろ。
『もう一回!』って今度はカタツムリさん。
ノロノロ~と出てくる。
【一撃必殺(他人指定)】鉄格子の場所から完全に出てきた所で、使用、発動。
グデーンと溶ける体。
それを見た騎士さん。二人いるうちの一人が、慌てたように席を外す。
「ちょっと待ってて!設備の調子が悪いみたい。」
残った方の騎士さんに言われて、私はその場に待機。
暇だなぁ。何があったんだろ?って、ボーっとしてた。
……で、ふと思い出した。
私、スキル使っても体は光らないんだった!
魔法を使えば、体が光る。
魔術を使えば、足元には魔方陣。
外から見れば、私は棒立ち。対して【一撃必殺】された魔物は、見た目的には勝手に自爆。
やっば(汗)……ごめんなさい。
――エフェクト。体光らせれば良いんだよね?…………あ、駄目だわ。イメージしてみたら、『ほら、私に注目して!キラキラ~』感が出て無理。精神的に受け付けない。
……ならどうしよっか。
エフェクト無いと、試験的に駄目。
体を光らせるのはヤダ。無理。
――ん、ん。
杖だけ光らせようか。
ほらアニメとかで、杖が光って『えーい!』ってやつ、あるじゃん?たまに。それにしようかなー。
【エフェクト1】《杖の先端部分が赤く光る。球体型。》作成。
たくさん種類が出来そうだから、『1』っていう仮の名前。増えてから整理し直そっ。
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「遅くなってごめんね。これに魔法打って貰えるかなー?」
しばらく待ってたら、試験官の騎士さんともう一人別のお手伝い騎士さん二人がかりで、なんかスゴく大きい……えっとあれは、カカシかな?を持ってきた。
えぇと、あれに当てるの?
……うーん。パタンって倒すかー。
【パタン(他人指定)】《指定した物をパタンって倒す。衝撃で壊れる事はない。》
だって、壊して弁償とか嫌だよ?(泣)
試験官騎士さんが部屋に戻って。
『はい、どうぞー。』って言われたから。
カカシさんを指定して。
【パタン(他人指定)】、【エフェクト1】同時に、使用、発動。
杖の先端は赤く光る。
カカシさんはゆっくり前のめりになって。
バッターン!ってくらい、大きな音を立てて倒れた。
目を見開く騎士さん二人。
少しの硬直の後、さっきの騎士さんがまた部屋を飛び出していく。そしてお手伝い騎士さんと一緒に来ると、カカシを持ち上げ出した。
「今、何の魔法を使ったんだ?」
その間、残った方の試験官騎士さんに質問された。
ちなみに、あっちからの指示の声はマイクで室内に放送されてる感じ。――あれ?こっちからはどうすれば良いんだろう……?まぁ、良いや。大きい声は出せないから、肉声で届けるのは不可能ってものだしさ。
「えっと……あ、相手を転ばせる魔法、です。」
補助魔法らしく言ってみた!
ボソボソ声だけど、大丈夫かな?って思ったら。
「相手を転ばせる……それは本当に火属性魔法なのか?どちらかと言えば風属性の様に思うのだが……。補助魔法に関しては詳しくないんだ。すまない。」 と。
はわわわ!
そうじゃん!赤色に光るって事は火属性の攻撃って事じゃん!杖の所に付いた石が赤色だから赤い光にしたのに……。駄目じゃん!
ちなみに水色は水属性、緑色は風属性、橙色は土属性、白色は光属性、黒色は闇属性。だからこれらの色も、使えばちぐはぐになるかもしれないのかー……。
……あ、そうだ。今の赤色、朱色って事にしちゃおうか。ほら、色似てるし?……それか、えぇと赤と橙が混ざった色って事にして、火魔法と土魔法で何かしたとか!
――あぁでも、そんな事を言うタイミングなんてある訳無くて。
「お、準備が出来たようだ。2発目を頼む。」
ん?ってカカシさんを見れば、見事に直立してる。騎士さん達、ぜぃぜぃ言ってる。頑張ったんだね……。カカシ倒してごめんなさい。
2発目かー。何しようか。
もう一度、あんな重そうなのを倒すのは申し訳無さすぎるし!
うーん……。
「あのー。相手の動きを止める魔法、無かったッスか?アレ見たいッス。」
チャラそうな声。さっきの、ぜぃぜぃ騎士さんかな。お手伝いじゃ無くて試験官の方。
戻るの早っ。
「確かに。あれは魔法使いの実力を測るのにぴったりな魔法だ。出来るか?」
へぇー。そうなんだ。……ま、それにしようかな。
私はコクりと頷く。
【エフェクト2】《杖の先端部分が橙に光る。球体型。》作成。
蔦が絡みついてるっぽく!土属性。
「あの人形は状態異常を計測する事も出来る。もちろん、『どのくらいの時間、相手を拘束し続けられるか?』というのも測定出来る。それは試験の結果に大きく影響するからな。集中してやるといい。」
ふぅん。とりあえず、1分くらい持てばいいかな?
【捕縛1分(他人指定)】《指定した人の動きを1分間止める。》作成。
カカシさんを指定して。
【捕縛1分(他人指定)】、【エフェクト2】同時に、使用、発動。
「ふむ……。」
10秒くらい経って、騎士さんが手元の資料に何か書き始めてた。
で、すぐに。
「3発目、好きな魔法打って良いぞ。」
ふぇ??? って。
【捕縛】は、まだ35秒くらい残ってるんだけど……。
「……えっ、と。」
「どうした?やり直しは認めないぞ?3回目として、もう一度チャレンジすることは認めるが……。」
あわわわ。はわわわ。
えぇと、えぇと、【捕縛】が切れてる感じになってる……のかな?
――あ、エフェクト。
ポワッて光って、2秒くらいすればすぐ消える仕様だから、それのせいだったりするかな?(火の玉作り出しーの、飛んでいきーの。で2秒弱かと。)……え、でも。カカシさんは状態異常も計測出来るんだよね!?【捕縛】は状態異常扱いじゃないとか?でも騎士さんから言ってきた奴だし、違う……よね??
誤作動とかエラー的な何かかな。
むむー。ちょっと不満。……あ、違う。かなり不満。
むーーーん。それより、三番目のスキルは何にしようか。
“何でも良い”“自由に決める”とか、苦手なんだってばー!
って事で取り敢えず、作った無駄スキルを眺めてたら、良いの見つけた!
【炎上(他人指定)】《体力を燃料にして死ぬまで燃え続ける。自然の水を被れば消える。炎上中は攻撃ダメージ増加。魔力で作り出した水を被せても、それは敵味方関係なく攻撃扱い。物理的に燃えてるから、触れたものには容赦なく火は移る。でも移った火なら、魔力で作り出した水でも消せる。》
森で使えば、山火事確実の状態異常スキル。
これなら今までと違ってカカシさんの変化も目に見えるハズ!
今気づいたけどさ、【一撃必殺(他人指定)】も【パタン(他人指定)】も【捕縛1分(他人指定)】も、見た目の変化がないスキルばっかりだったね。
でもこれなら大丈夫じゃん!って。
カカシさん指定。
【捕縛1分(他人指定)】もいつの間にか切れてるし、レッツゴー!
【炎上(他人指定)】【エフェクト1】使用、発動。
ゴァ!っと燃え上がるカカシさん。
チラって騎士さん達を見れば、カカシさんの方を見てる。杖のエフェクトは既に消えてるけど、……大丈夫そう、かな?
にしても長いなー。今どのくらいだろ。HP見えたら良いな。……って事で、【鑑定】機能追加。《HP欄・MP欄表示。》
カカシさん指定して。
【鑑定】使用、発動。
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名前 攻撃測定人形(改56)No.12
年齢 0歳(2ヶ月)
性別 女
体力 3
魔力 0
器用さ 0
能力名 なし
あだ名 カカシさん
HP 1,974,380/2,000,000
MP 0/0
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あるえ?数字は止まったまま、全然減っていかないんだけど。
……うーん。あー!ただの『ダメージUP中!』ってだけで、攻撃しなきゃダメージは入らないじゃん、これ。
今減ってる分は、これ以前に受けたダメージって事かな。
って訳で、原因も分かったし【炎上】機能追加。《『攻撃力10/秒』固定ダメージ。》
1秒につき、10ダメージ。1分で600ダメージ。ふふふ。もがけ苦しめ水被れーって?対生き物だとエグい気が……。
にしてもカカシさんのHP、200万かな?HPが燃え尽きるまで……20万秒って何分だぃ?(汗)
長い長い、キャンプファイヤーの始まりだよ!イェイ!(白目)
――あ、結局は騎士さん達がバケツの水で消しましたとさ。消して欲しいなら言ってくれて良いのに……。ショボーン。
・アキちゃんの相手はカカシになりました。
・アキちゃん、棒立ち。まさにカカシ。
サブタイトルに2つの意味!




