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68話 ビデオ通話



「というわけで、兄ちゃんは中級ライザーになりました」



『ソラにーちゃんすっげー!』



『ソラにい、おめでとう……』



 ユグドラセンターにあるレストラン街でコハルさん達と食事をしていた時、妹のヒナとルナから『にーちゃん暇ー? ザツコやろー』とビデオ通話アプリの『ザッツコード』に連絡が来た。

食事中だからまた後でと断ろうと思ったんだけど、コハルさんとエルさんの『妹ちゃん見たいです!』という強い希望でそのまま続行することに。



『てかソラにーちゃん声小さいよー』



「外食中なんだから当たり前だろ。そっちでうまいこと調整してくれ……」



「わっこの子たちが双子の妹さん? 写真よりかわいい~!」



「あっちょっとコハルさんっ」



 俺のイヤホンマイクを片方奪ってスマホ画面を覗き込むコハルさん。

そういえば前に日奈多さんが妹たちに会った話を羨ましそうに聞いてたっけ。



『ソラにい、女の人と一緒にいる……』



『アオイねーちゃんが悲しむぞー!』



「いや別に、俺と日奈多さんは恋人とかじゃないから」



「なになに~? 浮気ですかソラ氏~」



「うわっ!? ちょっとエルさんまで!」



 背後から俺の左肩に顎を乗せてスマホを覗き込んでくるエルさん。

すぐ横にコハルさんがいるからギュウギュウである。



『うわーっ! ソラにーちゃんがアオイねーちゃん以外の女を二人も侍らせてる!』



「なんでヒナが郷原くんと同じ見解なんだよ」



『ソラにい、中級ライザーになったからってそういうお店で遊んでたらすぐにお金なくなっちゃうよ……』



「いやただのハンバーグ屋だからここ」



 どうやら妹たちは俺がキャバクラか何かに行っていると思っているみたいだ。

あと日奈多さんと付き合ってるってのもまだ勘違いしてる。



「どもども~ソラ氏のライザー仲間兼都合の良い女の梅雨川エルで~す」



「私は桜ヶ丘コハルです! ソラさんにはライザー活動のことで色々お世話になってます!」



「その分色々お世話してますけどね~」



「おいこら似非ハーマイ〇ニー、妹たちに下ネタはやめろ」



『ソラにーちゃん! その子って中学生じゃない!? ハンザイだよハンザイ!』



「梅雨川は中学生などではありません~成人してる立派な大人ですよ~」



「エルは私の2個上ですよ」



「そうなの!? えっじゃあ俺の1個下!?」



「梅雨川は今をトキメク22才ですよ~この成熟したセクシーボディを見てもらえれば分かるでしょ~?」



『ルナとあんまり変わんない……』



 ライザーとして活動してるから18才以上ではあると思ってたけど、ぱっと見の童顔と小柄な体躯のせいで22才には全然見えない……まだギフテッドライザーの中学生とか言われた方が納得できるぞ。



『っていうかソラにーちゃんずるい! ヒナもハンバーグ食べたいんだけどー!』



「母さんにでも作ってもらえよ」



 そういえば実家にいた頃はハンバーグの日が楽しみだったなあ。

ハンバーグの日は、大体一緒に具だくさんのシチュー、カリカリに焼いたガーリックトースト、そしてデサートに果物の缶詰をぶち込んだ大量のフルーツヨーグルトが出てくるんだ。

あー、なんか久々に母さんのハンバーグ食べたくなってきたかも。



「ヒナ、ルナ、出先だしそろそろ切るぞ。話し足りないなら帰宅してからまた連絡するから」



『分かった……ソラにい、また遊びに行くからハンバーグ屋さん連れてって?』



『ソラにーちゃんの奢りで食べまくるから!』



「はいはい、じゃあ期末テストで30位以内入ったらな」



『それじゃあヒナが食べられないじゃん!』



 それはさすがに諦めが早すぎるだろ。



「……ふう。ごめんね二人とも、騒がしくしちゃって」



「全然大丈夫です! ヒナルナちゃん、とって可愛いですね!」



「梅雨川もヒナルナ氏の間に挟まりたいですね~」



「エルが入ったら中学生3人組に見えるだけだよ」



 この人、見た目は中学生だけど言動はオッサンだな……



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