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66話 素材提供



「……なるほど、欲しい武器の素材集めに苦戦していると」



「そうなんですよ~。なんたってゴブリンエンペラーからしかドロップできない素材なもんで~」



 第21階層のタウンエリアで出会った、コハルさんのライザー友達の梅雨川エルさん。

彼女の話によると、第20階層のフロアボスであるゴブリンエンペラーから3割程の確率でドロップされる『卑帝の巻角』を3つ使用して作製することが出来る『卑帝の魔杖』という武器のために素材を探している最中ということだった。



「私とエルが二人とも運良くドロップしたので2つはあるんですが……」



「あとひとつ足りなくてクラフたそに作製依頼が出来なかったんですよ~。というわけで、ソラ氏! その『卑帝の巻角』を譲ってくれませんか~? たっぷりサービスしちゃいますからぁ~」



「い、いやだからそれは一体……」



「いやだなあソラ氏とぼけちゃって~。大人の男女がサービスしちゃうっていうことは~モーテルで」



「……私もいるんですけど?」



「おっとコハル氏ステイステイ! 冗談冗談~冗談ですからね~」



 うーん、なかなかにクセの強い友達を持ってるなコハルさん。

っていうか梅雨川さん、クラフターのことクラフたそって呼んでるんだ……



「ねえ梅雨川さん」



「エルって呼んでくださいよ~梅雨川とソラ氏の仲じゃないですか~」



「いや初対面なんだけど……まあいいや。それでエルさん、素材の提供って普通は魔石のレート換算で取引するもんじゃないの?」



 ライザーカードに収納されているドロップアイテムは、基本的に〝直接〟魔石以外の譲渡や交換が出来ない仕組みになっている。

要らない素材は魔石と交換してくれるクラフターなんかもいるらしいんだけど、ライザー同士で魔石と素材を取引する際に作られた魔石の交換レートの方が高かったりするので、とりあえず素材は今使わなくても持っておいた方が良いらしい。



 それじゃあどうやって魔石以外の素材などを相手に渡すのかというと、クラフターに武器やアイテムの作製を依頼するときに、依頼主以外の人もクラフターに必要な素材を提供することが出来るのだ。

現状この方法でしか他人に素材を渡す方法は見つかっておらず、第11階層で会った竜童マリーさんの武器を作製する際に俺もこの方法を用いて素材提供をした。



「いや~確かに魔石と交換が基本なんですけどね~。梅雨川が作ろうとしてる武器の材料として魔石も結構必要みたいなんで、『卑帝の巻角』と等価交換できるほどの余裕がなくてですね~」



「なるほど、それで体で払うとか意味不明なことを……」



「意味不明ってなんですか~! 梅雨川じゃ満足できないっていうんですか~!? コハル氏くらいおっぱいデカくないとコーフンしないとでも~!?」



「いやそんなこと一言も言ってないよ!!」



「致し方ないですね~。それじゃあコハル氏のおっぱいを提供するのでそれで手打ちにしましょう~!」



「ちょっ何してんのアンタ!?」



「うわっ!?」



 エルさんがコハルさんの背後に回っておっぱいを両手で持ち上げ出したので、慌てて顔を逸らす。

ライザー活動中のスポーティーな服装のコハルさんにそれをやられると非常によろしくない。



「こら放しなさいエルッ!! ソ、ソラさん? 私は提供しません……よ?」



「おっ? この反応は少し押せばイケますよソラ氏~! ついでに梅雨川のささやかなおっぱいも提供するので何卒~!」



「とりあえず体を売ろうとするのやめてくれない!?」



 なるほど、これがユグドラタワーで巻き起こるライザー同士のラブコメ……いやそんなわけあるか。




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