チュートリアル
(......ここは......どこ......だ?)
海斗は周りを見渡した。そこは見渡す限り草原だった。
(これが......ゲームの世界!)
「すっげー!!」
海斗は思わず声を上げた。
海斗の周りには既に数十人ほどの人がいた。さらに人間の体よりやや大きい光がいくつも出現し、そこから人が出てきた。やがて海斗の周りは人だらけになった。
しばらくすると、人が出てこなくなった。そして上空から大きな光の玉が出現した。
草原にいる人達が一斉に光の玉に注目した。
すると、光の玉が大きな音と共に弾けた。光の粒がスコールの如く下にいる人達に降りかかった。
そして光の玉から白い羽の生えた青年が姿を現した。
「やあ、5000人のプレイヤーのみんな! こんにちは!」
その青年はまるで幼児向け番組のおにいさんの如く言った。
「僕の名前はS7(エスセブン)。このゲームの運営の1人だよ。よろしくね! 早速だけど、10分あげるから2人組を作ってくれるかな?」
そしてプレイヤー達は2人組を作り始めた。
海斗も良さそうな相手を見つける為に周りを見回しながら歩いた。
「おーい、海斗!」
海斗の後方から声が聞こえた。海斗は後ろを向いた。人混みの中に見慣れた顔が1つあった。
「和也!」
海斗は人混みをかき分け和也の元へ向かった。
「一緒に組もうぜ」
「ああ、もちろん」
そして10分が経過した。
プレイヤー達は皆、無事2人組を作る事ができたようだ。
「みんな2人組ができたみたいだね。それじゃああそこに並んで!」
S7はプレイヤー達から少し離れた何も無い草原を指差した。すると指差した場所に謎の装置が出現した。
その装置は人がすっぽり入るくらいの円柱が2つとその2つの円柱を繋ぐように横長の直方体で構成されている。
円柱の部分には扉があり、左側の扉には大きく「L」と、右側の扉には大きく「R」と書かれていた。
直方体の部分にはモニターとボタンがある。
S7は機械のモニターのところに降りてきた。
「2人組で左と右にそれぞれ分かれてね」
プレイヤーが一斉に並んだ。海斗は右、和也は左を選んだ。2人は運良くかなり前のほうに並ぶことができた。
「にしても......このゲーム、現実の体を忠実に再現してるな」
「どういう事、 和也?」
「これを見てみろ」
和也はズボンの裾をめくり上げた。そこには傷痕があった。
「それって、和也が交通事故に合った時の?」
「ああ、そうだ。まさかこんなものまで再現されてるとはな。ハハッ。」
「......にしても、体をどうやって再現したんだ?」
「さあな。今の俺達にはそれを知るすべはないからな」
「はい、次はそこの君たちだよ! 2人それぞれ左右の装置に入ってね!」
海斗と和也は装置の中に入った。
中には小さなモニターが1つあった。まもなく、モニターに文字が表示された。
「武器ヲ選ンデ下サイ」
武器はいくつか種類があり、
長剣、短剣、大剣、弓、斧、槍、槌、長杖、短杖、鞭、ナックルの11種類があった。
モニターの右下の方には
「※ゲーム中ニハコレラ以外ノ種類ノ武器モ存在シマス」
という注意書きが書かれていた。
「やっぱRPGといえば剣だな! 長剣ってのが俺の思ってる物に近いかな」
そして海斗は長剣を選択した。
「登録完了デス。コノ腕輪ヲオ受ケ取リ下サイ」
そうモニターに表示されると、モニターの下から細い金属製の腕輪が出てきた。
腕輪にはボタンが1個ついている以外は特に変わった箇所はなかった。
海斗は腕輪を左腕に装着した。そしてその数秒後......
壁が崩壊した。
「な......なんだ!」
装置は完全に消滅した。そして目の前に外の空間が現れた。しかしそこはさっきまでの草原ではなかった。
「何処だ......ここ?」
海斗の目の前には看板があった。
"Welcome to Cross Road"
目の前に現れたのは街だった。




