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「——全員、しっかり捕まってろ!」
カイが操縦席の中央、無色の核に手を置いた。
『天の舟』が地を割り、空を裂き、アヴァロンの雲海を突き抜けて加速する。
下界では、人々が空を見上げていた。
自分たちから属性を奪い、代わりに本当の自由を教えてくれた「無色の旅団」の最後を見届けるために。
「……来たわね、カイ」
飛空艇の窓の外。大気圏を抜けた先の真暗な宇宙に、巨大な機械仕掛けの要塞と化した「黄金の月」が、その禍々しい全貌を現した。
そこから放たれるのは、地上の神罰の比ではない、星を滅ぼすほどの光の濁流。
「——ノア、リナ、フェリス! 最後の仕事だ!」
「「「了解っっっ!!!」」」
ノアが重力で舟を護り、リナが熱量で障壁を焼き切り、フェリスが振動で敵の装甲を粉砕する。
そして、その中心を。
カイの『虚空』が、月そのものを両断せんとする勢いで突き進む。




