表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/72

7

 読み進めるカイの手が止まる。日記の後半、インクが滲んだ跡があった。


『カイ。お前に無色一刀流を教えたのは、お前を英雄にするためではない。……お前を、この世界の「毒」にするためだ。神々にとって、色に染まらぬお前の魂は、喉に刺さる骨よりも恐ろしい』


『……嘘を吐いて済まなかった。お前を不毛の村に閉じ込めたのは、アヴァロンの目から隠すためだった。だが、もう時間がない。神々は「収穫の時期」を早めている。……カイ、お前の剣で、この偽りの空を、神々の食卓ごと斬り捨てろ』


 最後の一行には、震える文字でこう書かれていた。

『愛しているぞ。我が弟子よ』


「…………」

 カイは無言で日記を閉じた。

 師匠がいつも飲んだくれていたのは、自分を世界の「色」から隠し通すための、絶望的な孤独との戦いだったのだと、今更ながらに理解した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ