鉱山_2
「えっ、そんなに高いの。まだ半日も経ってないよ」
「うん、フレイさんに合う直前まで外で戦ってたからね」
「それだけでそんなに上がるんだ」
「まぁ、最初の頃だけだと思うけどね」
話しながら更に奥へ進んでいく。その過程にも何度か戦っているがそこまで時間がかかることはなかった。だが、坑道の中腹まで差し掛かると新たな魔物が姿を現した。その魔物は大人と同じぐらいの背丈で小さめだが石でできた人形だった。
私はその人形に対し初心者の双剣を1本投げる。人形の体に当たりはじかれてしまう。
「硬っ」
「赤名ちゃんこいつは私も手伝うよ」
「ごめん、お願い。私じゃ時間掛かりすぎる」
フレイさんが手伝ってくれると言ってくれたので、その言葉に素直に乗ることにした。人形は動きこそ早いわけじゃないが、硬いのでなかなかナイフでダメージを与えることができないでいる。そのまま攻撃していると使っているナイフの先端がかけたのでしまうことにした。
「フレイさん、少しの間お願いします」
「遅いから大丈夫だけどあまり長い時間持たないよ」
「大丈夫、30秒で戻る」
「できるだけ早くお願いね」
それだけ伝えると双剣を拾い一旦後ろに下がる。そしてメニューを開き装備をナイフから初心者の双剣に変更する。変更したあとに初心者の双剣を抜き再び人形に近づく。
その間にフレイさんは採掘のために使うピッケルを振り下ろし人形の関節をガンガン叩いている。私は足の関節に初心者の双剣を1本関節と脚部の間に突き刺す。そのまま、てこの原理で足を解体しようとしたが私の力では外すことが出来ない。そのまま関節に剣をさしたまま後ろに下がる。一旦距離を取ったあとに再度近づき、バック転の要領で双剣の柄を蹴り上げる。その際にバキっという音がした。
(やばっ、双剣折れたかな)
そう思い人形の関節部を見てみたがまだ双剣が刺さったままだった。双剣を確認してみると双剣にはヒビひとつ入っていなかった。その代わり人形の足に若干の亀裂が入っている。それだけであんな音がしたのかと思っていると、思わぬところから声がかかった。
「赤名ちゃん、危ない」
「ん?」
その声のした方を見てみるとわたしの顔めがけてピッケルの先端が飛んでくる。飛来物を確認したと同時にあの音に対し合点が行った。この状況を確認するに蹴りを入れると同時にピッケルが壊れてその先端が私のところに来たんだろう。一旦しゃがみ正面に飛び込む。飛び込んだことで髪が数本ポリゴンとなって消えた。フレイさんは私が大丈夫だったことにほっとしたのか新しいピッケルを取り出している。
一方私は上からパラパラと小石が落ちてきている。上を見てみると人形の足が迫ってきている。それを確認した私は横にコロコロと地面を転がることで躱す。人形の足が地面についたところで転がるのを一旦止め、足を上げて勢いをつけることで起き上がる。
起き上がった私は人形の足へ走る。そして膝に刺さっている剣を持ち抜こうとするががっちりはまってしまって抜くことができない。なので仕方なく人形と一旦距離をとる。そして剣の刺さった足へ向けて走っていく。そして思いっきり突き刺さった剣の柄に飛び蹴りをかます。
すると「ピキピキ」と人形の足から音が出る。
見てみると剣の刺さった場所の岩にヒビが拡大を続けていく。そのまま人形の膝が壊れた。そして足を失った人形は私のほうへと倒れてくる。
「えっ!?」
私は驚き、一瞬体が固まってしまった。
(やばいやばい、初デスが人形に押しつぶされてとか冗談にもならないって)
そう思いつつも現状のステータスでできることを考える。立体的に動くとなんとなるかな。そう考え、足に力を入れ人形の腕へ近づく。そして人形の脇から手を出し肩口に手を回そうとしたが届かなかった。その代わり背中に手をつき片手で逆立ちの要領で人形の背中に回る。
「ふ~、何とかなった」
「赤名ちゃんさっきはごめんね」
「フレイさん大丈夫ですよ。それよりこの人形倒しちゃわないと」
私はフレイさんの謝罪を受け取り倒れた人形に向き直る。何度か起き上がろうと地面に手を付けている。その過程で背中が微妙に上下に動いている。それを気にせずに頭をガンと踏む。それによって微量のダメージが入る。
それでもまだ動けるようで背中を手に持った剣1本で攻撃を加えていく。そうしてさらに3分経過すると、人形はポリゴンとなって消えていく。
背中に乗っていた私は地面に落ち着地といきたかったが、運の悪いことに足元には人形の足に刺した剣の柄があって踏み外してしまった。
「ふぇ?」
「ぷっふふふ」
「ちょっとフレイさん笑わないで」
私が踏み外したことでフレイさんに笑われてしまった。そのまま四つん這いになって剣を拾い、武器をしまった。
「ここまでにしましょう」
「そうだね、倒すのだいぶん大変だったし」
「あとフレイさんこれ上げます」
私は人形を倒したことによって手に入った鉄鉱石とゴーレムの核のうち、鉄鉱石をすべてフレイさんに渡した。フレイさんはお礼を言った後、鉄鉱石をカバンにしまう。
休憩も終わろうと思ったところで護身用ナイフを取り出し耐久値を確認してみると残り一桁となっていた。
「これはテツさん行きだな」
私はそう口の中で呟いてから初心者の双剣をもって旧鉱山を後する。そのまま道中の岩虫を倒しつつ、ゼロに帰ることにした。
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名前:赤名 Lv:7
装備
武器:護身用ナイフ×2
頭:
胴:初心者の服
腕:
足:初心者のスカート
靴:
アクセサリ:
★STR:22
VIT:17
INT:17
MND:17
★AGI:30
DEX:17
LUC:17
★RES:22
★3D:29
スキル
双剣:Lv7、双剣術:Lv2、STR強化:Lv7、AGI強化:Lv7、3D強化:Lv7
投擲:Lv5、罠:Lv1、危険察知:Lv4、認識阻害:Lv5、収納ボックス:Lv5
暗視:Lv4、格闘:Lv1
残りスキルポイント(6)
残りステータスポイント(0)
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