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第11節 陽ちゃんの正体
俺は差し出された陽の手を握った。
「ふふ、握手というのは信頼しあった者同士が行うものだね」
信頼という言葉がこれほど胡散臭いものだとはこれまで思ったこともなかった。
「良かったね陽ちゃん。気に入った子と仲良くなれて」
勒音父は何故か陽ちゃんと呼んだ。
「ネタバレには早いと思うんだけど?」
「いや〜もう無理パパ限界だよ〜笑」
親子でわけわからんやりとりをしてる。
そして寺嶋さんがようやく気づいた。
「おい勒音、お前のところの子供…娘さんじゃなかったか??」
「は?娘!?」
陽の事をしっかりと見てみた。
「変装は探偵の基本技術だからね、口調は適当に探偵ぽくしてみたよ」
そう言いながら帽子から長い髪を下ろし、服の上から色々と弄ると…
「あふぅ…キツかったー。男装は胸の部分がキーになるから特に念を入れなきゃだもんね」
黒髪長髪の胸のある女の子が目の前に現れた。
「どう?私が女だと知った感想は?」
今の状況を正しく認識しきれていない遼の答えは…
(俺と仲間になろうとか信頼とか言っといて最初から騙してくるとか何なんだお前!!)
「ヤバい、女子に魅力的とか言われたのマジ嬉しい…!!」
「うん、多分だけど発声と心の声逆だよねそれ」
「!?」
清々しいほどテンパって答えてしまったのだった。




