話が通じる
二月十三日、小坂千尋と松井慎吾は、約束の時間の少し前に、卸会社の受付へ着いた。
奥から台車の通る音がした。
入口の向こうには、荷物を積んだ車が止まっている。受付の人が内線で名前を伝えている間にも、作業着の人が伝票を持って出ていった。
「こちらへお願いします」
案内されたのは、事務所の一角にある打ち合わせ用の机だった。
低い仕切りの向こうに、電話と、人の話す声がある。
松井は鞄から会社案内を出し、聞きたいことを書いた紙を、その下へ重ねた。
先週、電話で話した担当者が、資料を抱えてやって来た。
「お待たせしました。ちょっと、こっちでも電話を取るかもしれませんけど」
「はい。お仕事のところ、お時間をいただいてありがとうございます」
松井が立って挨拶する。
小坂も名刺を差し出し、席へ着いた。
担当者は、持ってきた紙を机の上へ置いた。
何枚かを選び、端を揃える。
「電話で言うてたやつ、これです。ほかにもあるんですけど、まず一つの方が分かりやすいかなと思いまして」
「ありがとうございます。そちらを見ながら、順番に伺えれば」
小坂は、会社案内を開いた。
普段どんな仕事を手伝っているか、短く説明する。
相手が頷いたところで資料を閉じ、机の端へ寄せた。
「今日は、実際にどう進めていらっしゃるかを教えていただきたいと思っています。こちらからも途中で確かめながら、お聞きしてよろしいでしょうか」
「はい。説明、うまくできるか分かりませんけど」
「分からないところは、その都度、伺いますので」
松井は、手元の紙に日付を書いた。
担当者が、一枚目を二人の方へ向ける。
「これが、最初に回した分です」
品物と数量が並んでいた。
担当者は一つの行を指し、その下に置いてあった紙を引き出した。
「ここが、そのあと変わりまして」
「こちらが修正後ですね」
「そうです。で、営業所へもう一回、確認をお願いしてます」
松井は、変わった行を見比べた。
紙の上だけなら、どこが違うかは分かる。
担当者が続けて示したのは、その横に書かれた短いメモだった。
「こちらは、返事のあった日でしょうか」
「はい。こっちは、その前の分ですね」
担当者が、最初の紙を指した。
「この時点では、もう確認が済んでたんです。でも、ここが変わったんで、また見てもらわなあかんくなって」
「一度終わっていた確認が、もう一度必要になった」
「そうです。先週お話ししたのが、これで」
松井は頷き、紙へ短く書き込んだ。
担当者は、次に別のメモを探した。
紙を一枚持ち上げ、裏を見て、元へ戻す。
「ええと、こっちから来た返事が……」
机の隅に置かれていた電話が鳴った。
「すみません。ちょっと出てもええですか」
「どうぞ」
担当者は受話器を取り、営業所の名前を復唱した。
小坂が、机へ広げていた資料を少し自分の方へ引いた。
「はい。……ああ、それ、昨日の分ですか」
担当者が椅子を引き、脇に置いていたパソコンを寄せた。
画面を開く。
「ちょっと待ってくださいね。今、見ますので」
松井は、書きかけた文字の横へペンを置いた。
相手の手が、画面と、別の紙の束を行き来していた。
「数量の方は、そうです。そちらは、それで大丈夫です。ただ、日付の方は、まだ返事を待ってまして」
担当者は紙の端へ何か書き、一度頷いた。
「はい。そこが分かったら、また連絡します。すみません、お願いします」
受話器を置いてから、紙を一枚、机の奥へよけた。
「お待たせしました。……すみません、どこまで話しましたっけ」
「こちらの返事を探していただいていたところです」
松井は、もとの見積の横を示した。
それから、いま脇へよけられた紙へ目を向ける。
「今のお電話も、同じような確認だったんでしょうか」
「ああ、別の件なんですけど。これも、途中で変わってるやつで」
「差し支えない範囲で伺いたいんですが、今は、何を見てお返事されたんでしょうか」
担当者が、もう一度、その紙を引き寄せた。
「これですね。数量は、先に返事をもらってるんです。日付は、まだやったので」
「同じ見積の中でも、確認の済んだところと、待っているところがあるんですね」
「はい。全部待ってたら、先の人も動かれへんので。分かったところは、先に返してます」
松井は、最初に書いた矢印の途中へ、小さく線を足した。
送って、待って、返事をもらう。
その一往復の中でも、返せるものを先に返している。
「そのあと、残りのお返事が来たら、またこちらを開かれるんでしょうか」
「そうです。どこまで言うたか、見てから。別の件も入ってくるんで、覚えてるだけやと、分からなくなりますし」
担当者が紙の端を示した。
短い言葉と日付が、狭いところへ書き足されていた。
「ここへ書いておけば、次に電話するとき、分かるので」
「なるほど」
松井は、いまの説明を書き留めた。
小坂も担当者の方へ向き直る。
「これを、ほかの方が見て対応されることもありますか」
「席を外してるときなんかは、ありますね。分からなければ聞かれるんですけど」
「そのときにも、どの返事を待っているかが分かると」
「そうですね。『あれ、どうなってましたっけ』って聞かれて、私も開いてみて、ああ、これかってなることがあります」
担当者が少し笑った。
「自分で書いといて、すぐ出てこないんですよ」
「別の仕事をしていると、そうなりますよね」
「そうなんです。いまも、何を探してたか、一回忘れましたし」
今度は三人で笑った。
担当者は、机に残っていたもとの資料へ手を戻した。
「こちらの続きも、見ていただいてええですか」
「はい。お願いします」
*
担当者が、探していた返事を見つけた。
紙だけではなく、画面に残っているやり取りも合わせて見せてもらう。
松井は、相手の指が止まったところで、手元へ時点を書いた。
「この返事が来たのは、修正したものを送ったあとですね」
「はい。ただ、見てもらってたのは、こっちです」
最初の見積が、もう一度二人の前へ出てきた。
「返事が来た日だけでは、分からないんですね」
「そうなんです。だから、どっち見てもらいましたかって、聞くこともあって」
松井は一度ペンを止めた。
机の上には、修正前と修正後、それぞれの確認に使ったものが並んでいる。
「少し、こちらで順番を確かめさせていただいてもよろしいでしょうか」
「どうぞ」
「こちらを、横へ置かせていただきますね」
松井は断ってから、最初の見積を左へ、修正後を右へ寄せた。
相手に紙が見える向きのまま、指で示す。
「まず、こちらで確認をお願いして、お返事をいただいた。そのあと、こちらへ変わって、もう一度お願いした」
「はい」
「こちらの営業所からも返事は来ていますけど、今の変更については、まだ確かめている途中なんですね」
「そうなんです。返事があるから終わり、とはならなくて」
担当者の指が、修正後の一か所へ止まった。
「ここが、まだなんです」
「ここを確かめていただくために、もう一度回している」
「はい。ただ、全部の営業所へ聞き直してるわけではないです」
松井は、手元に書きかけた「各営業所」を見た。
「この件では、どちらへお願いされたんでしょうか」
担当者が二つを挙げた。
小坂が、続けて尋ねる。
「その二か所は、今回変わった品物について確認が必要だった、ということでしょうか」
「そうです。ほかは関係ないので。ただ、それも、私の方だけでは分からんことがありまして」
「その場合は、営業の担当の方へ」
「はい。お客さんと何を話してるかまでは、こっちでは分からないんで。これ、もう一回見てもらう必要ありますかって聞きます」
松井は「各営業所」へ細い線を引き、その下へ、聞いた内容を書き直した。
「ありがとうございます。今のところ、私の理解が違っていました」
「いえ。こちらも、一回で言えてなくて」
「実際に見せていただけたので、分かりました」
松井は、紙を二人の間へ寄せた。
担当者が覗き込み、矢印を指でたどる。
「ここですね。ここで、一回聞いてます」
「はい。こちらへ足してもよろしいですか」
「お願いします」
松井は、確認先を決める前のやり取りを書き加えた。
担当者が、もう一度、最初から目で追った。
「……そうそう。これです」
椅子の背へ戻しかけた体が、少し前へ来た。
「私がやってるの、こういうことなんです」
小坂は、担当者が見終わるのを待ってから口を開いた。
「今使っていらっしゃる見積や在庫の仕組みと、その間の確認を、分けて考えた方がよさそうですね。今日伺ったところを一度整理して、どこをお手伝いできそうか、こちらでも考えたいと思っています」
「はい。それで、お願いできたら」
「営業所でお返事される方にも、今の流れを伺えると、もう少し具体的に分かると思います。こちらから届いたものを、どう確かめて返されるかも含めて」
担当者が、松井の紙をもう一度見た。
「これなら、次の者にも説明できます」
松井はペンを置いた。
「次の方へ、ですか」
「はい。何の話を聞かれるんですかって言われても、これを見せたら、分かると思うので。営業所の方にも、一度聞いてみます」
「ありがとうございます。今日の内容をまとめて、先にお送りします。違うところがあれば、直していただければと思います」
「あ、それやったら助かります」
担当者が、二人の会社案内を自分の資料の上へ置いた。
「見せられるものも、こっちで確かめときますね。今日のこの紙、そのまま渡してええかは、ちょっと聞かないと分からないので」
「はい。お持ち帰りせず、こちらで伺った内容を整理します。必要なものがあれば、また相談させてください」
机に広げた資料は、担当者の手元へ戻った。
松井は自分の紙を揃え、聞き残したところがないか、小坂と目を合わせた。
「今日は、ありがとうございました」
「こちらこそ。こんなんで、参考になりましたか」
「はい。お電話のときより、ずっと具体的に分かりました」
「それなら、よかったです」
担当者が立ち上がり、受付まで二人を送った。
奥では、また電話が鳴っていた。
「戻っていただいて大丈夫です。ありがとうございます」
小坂が言うと、担当者は少し頭を下げ、早足で机へ戻っていった。
松井は鞄の口を閉めた。
入ってきたときと同じところを、また台車が通っていった。
*
建物を出ると、風が冷たかった。
松井はコートの前を留め、小坂と並んで歩いた。
「時間、いただけましたね」
「はい。途中も、そのまま見せていただけて、よかったです」
小坂が答えた。
「あの電話がなかったら、順番に片付けているように聞いていたかもしれません」
「私もです。返せるところだけ先に返して、ほかの仕事が入って、また続きを見てるんですね」
松井は、鞄に入れた紙の位置を確かめた。
「営業所で聞くときも、先にこちらの理解を見てもらった方がよさそうです」
「そうしましょう。今日の方にも、一度確認していただいてから」
「はい。まず、記録を送ります」
角を曲がる手前で、小坂が足を緩めた。
店先の立て看板へ、短く目を向ける。
「少し早いですけど、お昼、どうしますか」
「そうですね。ここなら、入れそうですね」
店の中には、まだ空いた席があった。
座って注文を済ませると、松井は水を一口飲んだ。
指先の冷たさが、ようやく薄れてきた。
「次のお話も、聞けそうでよかったです」
松井が言った。
「ええ。向こうの方から、聞いてみると言っていただけましたし」
小坂も、少し笑った。
「今日のうちに、送れる形にしましょうか」
「はい」
運ばれてきた皿を置くため、松井は机の上の手を引いた。
まず食べてから、記録を開くことにした。
*
翌十四日、森川紗季は、朝の点検を始めていた。
一社分の確認先を開く。
藤井が作った表示にも、先週より項目が増えていた。
昨夜の処理の結果と、その日付。
取り込んだ時刻の横には、元の確認先がある。
森川は、手順に沿って元の結果と見比べた。
終わった時刻が合っている。
続いて、件数を見るために元の画面へ移った。
点検の記録へ戻り、人が確認した時刻を入れる。
表示に出ている取込時刻とは、別の欄だった。
今週も、いつもの確認と並べて見ていた。
一つ目を終え、次の項目を探す。
下へ送ってから、もう一度、上へ戻った。
森川は手を止め、確認を終えたところへ小さく印を付けた。
残りを済ませてから、藤井へ連絡する。
『昨日の分も、元の結果と合っていました。表示の順番で、一つ相談したいところがあります』
しばらくして、返事が来た。
いまの作業を終えたあとなら話せるという。
森川は、その間に、顧客へ返す確認を進めた。
隣に開いていた通話では、安藤が井上と問い合わせの返答を合わせている。
自分にも関係するところを聞き、手順の該当箇所を確かめた。
藤井から連絡が来たのは、その返事を送り終えた頃だった。
「お待たせしました。順番のところやね」
「はい。今朝見たところを、出します」
森川は画面を共有した。
藤井の表示と、普段の点検の手順を並べる。
「私、いつもは、こちらを先に見てるんです」
「ああ、こっちが先?」
「はい。これを見て、元の方で件数も確かめてから、次へ行ってます」
森川は、今朝動かした順番で画面をたどった。
一つ目を見て、元を開く。
戻ってきたあと、次に見る項目は、下の方にあった。
「ここまで行って、その次は上へ戻るので。終わったところを、もう一回見そうになって」
「なるほど。僕、取れるようになった順で足してたわ」
藤井が、自分の方でも手順を開いた。
「この並びは、普段の点検に合わせた方がええね」
「その方が、私は見やすいです。ただ、ほかの方も同じ順かは、聞いてみないと」
「そうやね。井上さんにも見てもらおうか」
井上は、少し後なら入れると返した。
森川は、それまでに示せるよう、今朝確認した順番を記録へ足した。
通話に入った井上が、二つの並びを見る。
「私も、手順の方で見ています。ここの件数を確かめてから次ですね」
「表示も、この順でよさそうですか」
「はい。元を開くところは、残したままで」
藤井が頷いた。
安藤にも短く確かめると、同じ順で進めているという返事があった。いまは、顧客から届いた内容を確認しているところだった。
「じゃあ、並べ替えます。直したあと、今日の分で一度見てもらってええ?」
「はい。午前の返事を済ませたあとでしたら」
森川は、戻る予定の時刻を伝えた。
藤井も自分の作業を確かめ、合わせられるところへ予定を入れた。
*
並べ替えたものを開くと、森川が最初に見る項目は、一番上にあった。
その下に、次の項目が続いている。
「これで、どうやろ」
「一度、進めてみます」
森川は、今朝の結果をもう一度たどった。
元の画面へ入り、戻ってから、次を見る。
さっき上へ戻ったところを、そのまま下へ進めた。
「はい。この順なら、いつも見てるところと同じです」
「ありがとう。ここの日付も、前と同じものが出てる?」
「はい。合っています」
並びを変えたところだけでなく、その前後も確かめる。
森川は、終えた箇所を指してから、手をマウスから離した。
「見やすくなりました」
「最初に、順番も聞いたらよかったな」
「いえ。私も、使ってみるまで、そこが気になると思ってなくて」
森川は、今朝付けた印を見た。
いつもなら、わざわざ誰かに伝えるほどでもないことだった。
自分で少し戻れば、次へ進める。
けれど、伝えると、その戻るところがなくなった。
「ほかにも、使ってみて気づいたら言うてな」
「はい。次の点検でも、見てみます」
藤井が共有を終えた。
森川は、自分の記録へ、並びを確かめたことを書いた。
朝の点検時刻は、そのまま残す。
いま見直した時刻を、試した内容の横へ別に入れた。
翌朝、同じ表示を開いたときには、最初に見る場所を探さずに済んだ。
順に確かめ、必要なところで元を開く。
その後に残る問い合わせの返事も、いつもの一覧にあった。
*
木曜日の午後、井上は西田へ、その週の試行を共有した。
藤井も、使った時間を合わせるところへ入った。
「対象は、引き続き一社です。結果の一致を見ながら、表示する項目を少し増やしています」
井上が、確認した日付を示す。
元の結果へ戻るところと、表示だけで見られるところを、分けて記録していた。
「使う方は、どう言うてる?」
「確認先を探すところは、少なくなったと言っています。昨日、森川さんに見てもらって、表示順も合わせました」
「そっか」
西田は次の欄へ目を移した。
「藤井君、こっちに使ったのは、ここまで?」
「はい。表示を足した分と、並べ替えた分です。照合は、井上さんたちの方にも入れてもらっています」
「通常の方は」
「先方への返事は、予定どおり返せています。安藤さんに確認してもらったものも、こちらへ書いています」
井上が答える。
画面には、試作だけでなく、比較して確かめた時間もあった。
「今のところは、いつもの点検に、こちらとの比較が加わっています。どこが短くなったかは、もう少し同じ範囲で見たいです」
「うん。それで見よう。来週も、この一社で」
西田は、藤井が持つ別の作業と、井上たちの予定を確かめた。
続けられる時間を合わせ、次に共有するところを決める。
「森川さんが使ってるところ、今度、僕にも見せて」
「はい。時間を合わせます」
井上が予定へ書き込んだ。
藤井は、先ほど話していた別の作業を開き、残っている確認へ戻った。
*
十六日、金曜日。
松井のところへ、卸会社の担当者から連絡が届いた。
火曜日の訪問後に送った記録は、内容を確認できたという。
営業所の方にも話をしてもらえていた。
次の説明には、その担当者も参加できそうだと書かれている。
松井は、文面を小坂へ共有した。
『日程の候補を合わせられればと思います。資料は、共有できる範囲を確認していただいているところです』
小坂から、予定を見ようと返事が来た。
通話をつなぎ、二人で来週以降の欄を開く。
「こちらの時間なら、私は大丈夫です」
「私も空いています。先方へ、候補として返します」
松井は二つを書き留めた。
その横へ、次に聞きたいことを置く。
「営業所の方には、最初に届くものから、見せていただきたいと思っています」
「そうですね。本部から送ったあと、向こうで何を見ているか」
「はい。途中で変更が来たときも、どうしているかを」
小坂は、訪問後にまとめた図を開いた。
「こちらで分かったところを先に見ていただいて、営業所側の仕事を、つないでいきましょうか」
「はい。その方が、お聞きしたいところも伝わると思います」
松井は、候補日と、次に伺いたい内容を書き始めた。
小坂は金目へ、初回訪問を終え、営業所側の話も聞けるよう調整していると短く共有した。
返事は、少し後に届いた。
『ありがとうございます。また聞けたところを教えてください』
小坂が確認し、自分の仕事へ戻る。
松井も、書きかけの文面を読み直した。
添える図の横には、火曜日に持っていった紙があった。
急いで書いた矢印と、小さく足した言葉。
「各営業所」のところには、細い線が残っている。
送った記録では直していたが、手元の紙には、まだ書きかけのままのところがあった。
松井はペンを取り、担当者に確かめてもらった内容を、そこへ書き足した。
確認が必要な営業所を、先に確かめる。
火曜日、担当者は、その一行を指して頷いていた。
次は、返事をする側の人にも、この続きを聞ける。
松井は、書き直した紙をキーボードの横へ置いた。
画面の向こうへ送る文面には、二つの候補日が並んでいた。
その下へ、もう一度お時間をいただく礼を書き、返事を送った。
お読みいただきありがとうございます。旭月です。
今回は、松井と小坂が、相手の仕事を実際に見せてもらう回でした。
説明の途中にも電話が入り、別の確認が始まる。そんな普段の仕事を見せてもらうことで、松井の手元の記録も少しずつ変わっていきます。
「私がやってるの、こういうことなんです」
自分の仕事を分かってもらえたとき、こういう言葉が出ることがある気がします。松井が聞き、確かめ、書き直した時間が、次に話を聞く約束へつながりました。
運用側では、森川の「いつもは、こちらを先に見ている」という一言から、表示の並びが変わりました。使ってみて初めて言えることを、伝え合える関係も描いていきたいと思います。
相手の仕事が少し分かり、こちらの仕事も少し進む。その手応えを楽しんでいただけていれば嬉しいです。
引き続き、よろしくお願いいたします。




