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化身と呼ばれる子

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第二話 化身と呼ばれる子


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島を含むあたり一体を突然襲った地震。

それなりの震度ではあったが、特に大きな被害は島に無し。

島の中に住む愛花の一族を含む村人たちも

特に大きな被害もなく、誰も怪我はしなかった。


…一名を除いて。





「う…いた…い…」


大きな岩は崩れ落ちた。

中が、空洞だったから。


「石が…足に… うごけない…

水が入ってくる…し…ぬ…

おか…さ…」


逃げなきゃ、うごかなきゃ

足の感覚がない

痛いけど…痛みが…なくなってきた…

なにがおきたの…?

地震…?そっか、岩が、崩れたんだ

私はその下敷きに…

頭がすごくよく回る

そうか

最後なんだ

走馬灯じゃないの…?

なんだ、嘘だったんだ

走馬灯なんて

そりゃ、そうだよね

誰も死んだことなんてないんだから


あーあ…。一回くらい恋愛しとけばよかった。

おばあちゃんにももっと感謝をして

お母さんに会いに行けば…


あー…あ…

わたしの…じんせいって


なんだっ

たん


だろう









「おはよう、マナ。」


「…おはよう、誰?」


「私に名前なんてないよ

君たちが勝手につけた名前はあるけれど」


「…まず私はマナじゃなくて、愛花」


「?いや?君はマナだろう?

どこから、どうみても」


「…?」


死ぬ前に見る夢?

なに、これ

キラキラ光ってる

透明な、輪郭だけが分かる

巨…人?


「大きいね、身体」


「そう見えてるんだ」


「ちがうの?」


「マナのイメージだよ、ただの

私に身体なんてないさ

あるには、あるけど」


「どっちなの?それ。ていうか…

だれ、なの?」


「私は、個体といえば個体だけど

概念といえば概念で

物質といえば物質だけど

超常といえば超常になる」


「つまり…なに?」


「…マナたちの種族には理解できないよ

でも、マナにしか私を理解できない」


言ってることがさっぱり。

私はそんなに頭がいい方じゃないから

もっと噛み砕いてほしい。


「…少なくとも私よりは頭が良さそう」


「当たり前だね」


「じゃあ、ちょっとだけ聞かせて。

私の記憶では地震か何かに巻き込まれて…血だらけで死んだ?のかな?と思ってたんだけど

どこも怪我してないし、まずここなに?」


「ひとつずつ答えてあげようかな。

まず、君は、肉体的には絶命したよ

あの岩の中で押し潰されて

死因は溺死」


出血多量とかじゃないんだ…

岩が潰れて入ってきた水で溺れ死んだのね。


「ふうん…でも生きてるっぽいけど?」


「私がいるからね」


「…そっか、?。

うん。分かった。」


「分かってないことだけが私にも分かったよ。

マナは難しい個体だね」


「じゃあ、ここはなに?」


「私の部屋」


「真っ白だし何もないね」


「そう見えてるんだ」


「また私のイメージ?」


「そうなるね」


「で、これは私が死にかけてる時に見てる夢?妄想?」


「答えてあげる、違うよ

君の意思で君の意識で君の選択で思考して発言している」


「じゃあ私は生きているの?」


「人間としては絶命したよ

君は別の生物として生き返った」


「私、今なんなの?」


「化身」


けし…ん…?


「ごめん、化身ってなんだっけ

人間の親戚みたいなもん?」


「神の親戚じゃないかな、言うなら

君は私の化身になったんだよ

…分かりやすく言うと傷付けるけど聞きたい?」


「これ以上傷付く物が残ってないよ」


「それもそうだね

君は私の容れ物になった。

来る日から 私を守るために」


「…あなたは、なに?」


「私は 星


君たちが名前をつけてくれた

地球という」


なんでだろう。

私は、国語の成績が一番低くて

最も興味ない教科が社会 特に歴史で

嫌いなものが宇宙やらなんやらのよくわからない広大なもので

結構みんなに「バカ」って言われることが多かった方なんだけど

なんで、こんなに、冷静で、頭が回るの?


「私って、賢くなったの?化身とやらになって」


「知識が増えるわけじゃないけど

君の脳は私と直結したから

思考速度は格段と増しただろうね

元人間の限界はあるから凄くはならないけど」


そっか。

だからか。


この程度の情報で私程度がこんなことを思いつくわけが、普通はないから。


「あのどくどくしてたの

あなたの心臓?」


「そうとも言えるね

核 って名前つけられてたよね、人間に」


「マントル…マグマ…よく分からないけど

地球の一番深いところにあるんじゃないの?」


「本体はね

君が触ったあれは

来る日から私を守るために私が地上に出ようとしてた核の一部なんだよ」


「地震ってもしかして…」


「私の心臓を触ったからだね」


「まじか…じゃあ手の込んだ自殺をしたわけだ、私は」


「まあそうなるね

そして私は他殺をさせられたことになるね」



いろいろ、順番に聞きたいことはある。

けど、今最も私の中で聞きたいことがあって

それを聞いてしまうことにした。


「あなたは私を生き返らせて

なにがしたいの?」


「私を守るために 私の容れ物になってもらう」


「さっきから言ってる

きたる日…?って、なに?」


「災厄のようなものかな

今からある程度時間の経ったとある日に

私の体に異変が起きる

つまり、君たちが地球と呼ぶ私が崩壊する」


「え…?」


「そうすれば私はもちろん

私の上で暮らす人間も絶滅する」


「そりゃ、そうなるだろうけど」


「私はそれを、回避したいんだ」


「死にたくないから?」


「というより…

人間を、絶滅させたくない。

私の可愛い子供達だから」


「…」


「どうしたの?」


「驚いてるの。

人間って地球を汚してる!ってみんな思ってるから

地球に嫌われてるのかと思ってた」


「そういう意見もあるね

でも私からしたら別に

君たちの皮膚に蚊が止まるようなものかな」


じゃあ嫌だよ…。


「…せっかく生き返らせてもらったけどさ

化身?になったとしても

私所詮ただの女子高生だよ。

お金も権力も何もない、なーんにも出来ないよ

災厄なんて止めれるわけもない」


「ああ、やるのは私だから

でも私はこの通り 肉体を持たない

君の体を使いたいだけ

協力もなにもいらないよ

私は私の核の横で潰れた死体を利用しているだけ」


「じゃあなんで私の意識があるの?」


「最後に返すから」


「え?」


「命を。言ったでしょ?

可愛い子供なんだから。

使わせて貰うけど、最後にちゃんと生き返らせて元の生活に帰してあげる」


「私、地球好きだ」


「そうだろうね。

まあ、両思いってことで。

これから少しの間よろしくね」


「よく分かってないけど、うん、使ってください」


私はこうして化身の子になった。

別に、何も、出来ないけれど。

別に、何も、要らないけれど。


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