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反乱で処刑された若き領主、気づいたら過去に戻っていました。  作者:


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広がる畑と次の課題

「……かおりさんも、分かってきたかのう」


倉庫の軒先で、爺さんが楽しそうに笑った。


「フォフォ。小型耕運機か」


「こりゃまた、たいそうなもんを作ったな」


耕された畑と、整然と並ぶ区画を眺めながら、心底楽しそうに目を細める。


「わしもワクワクが止まらん」


「もう少し、わしが若けりゃなぁ……」


はぁ〜爺さんは肩をすくめた。


「気持ちだけはな。体は、正直じゃ」



爺さんは、ふと遠くを見る。


「さて……そろそろ、わしのお友達も先方に着いた頃じゃが」


「連絡は……まだ、来とらんな」


通信魔道具を、軽く叩く。


「まあ」


「物が物だけに、慌てて動く話でもあるまい」


「のんびり待つとするかの」


その言葉には、焦りよりも覚悟が滲んでいた。



一方その頃。


「……よし」


かおりは、膝をついて畑に向き合っていた。


小さな溝を作り、謎の種を一つずつ落としていく。


「これで、全部……かな」


土をそっと被せ、手のひらで軽く押さえる。


「育ってくれればいいけど」


耕運機のおかげで、作業は順調だった。

だが、そこで一つ、気づく。


「……あ」


顔を上げ、周囲を見る。


「水……」


今のところ、水は倉庫から引っ張ってきている。

元々、この倉庫は井水を使っているから問題はない。


「でも……」


もし、ここが壊れたら?


倉庫の設備が途絶えたら?


「それは、かなり困るわね」


畑だけじゃない。

家も、人も、生活も、全部止まる。



「……共同井戸」


ぽつりと呟く。


「それも、一つじゃ足りないかも」


畑用。

生活用。

非常用。


「できれば……」


かおりは、頭の中で配置を思い描く。


「中心に共同井戸があってそこから、各家庭に水が届くような施設。毎回、汲みに来なくても済む仕組み」


風魔法や、水魔法との組み合わせも考えられる。


「魔道具として、やりすぎない程度に……」


自然と、爺さんの言葉を思い出す。


便利なものほど、制限が必要。



かおりは、立ち上がり、倉庫の方を見る。


「これは……次の、生活インフラね」


畑を守るため。

人を守るため。

そして、ここを“住み続けられる場所”にするため。


「よし」


土で汚れた手を、軽く払う。


「井戸計画、考えよう」


家庭菜園の種は、土に埋まった。

そして同時に、次の“芽”も――

かおりの中で、静かに育ち始めていた。

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