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この世界は乙女ゲームの世界で?

俺、寿王(すのう)の好みのタイプに整形してくる。

そういって走り出そうとした穂村(ほむら)さん家の燈夜(とうや)くんをなんとか引き留めて、とりあえず椅子に張り付けた。

高校の教室って何でもあるもんだね。ガムテープとかガムテープとかスズランテープとか。

椅子に張り付けた穂村さん家の燈夜くんは一旦放置して反省なんて一切していない反省文を書く。まあ、その間ぶつぶつうるさかったから口にガムテープを張ったけど仕方ないことだよ。

1mmも反省してない反省文を生活指導の男前先生に提出して、さて、帰r……ああ、そうだった。そういえば私は穂村さん家の燈夜くんのお母さんのご飯を食べる予定だったんだ。つまり、この幼馴染をどうにかしてから行かなくてはならない、と。


「……はあ」

「?」

こっちの葛藤も知らずに、なんてキョトン顔なんだ。ふざけんな。


ベリッ!

「っっっ~~~!!!いったああああああ!!??」

「うるさい」

むかついたから思いっきりはがしたけど、うーん、うるさいな。


「これ大丈夫!?大丈夫なの!?唇はがれてない!?」

「燈夜」

「!はい、」

「うるさい黙れ」

「……ハイ」

唇何てそう簡単に取れてたまるか。アホめ。

なんて横暴なんだとか思ってそうだけど、私が横暴なのは今に始まったことじゃないでしょ。いちいち騒ぐな。


「さて、燈夜。突然求婚してきた理由、説明して」


机に座ってそう言ってやると、行儀悪いよなんて言ってこられた。うるさい。お前の机を破壊するぞ。




「俺が寿王を好きで結婚したいから求婚したんだよ」

あっさり爽やかキラキラオーラ全開でそう言った穂村さん家の燈夜くん目掛けてスクバを投げるとドゴォンと音がして壁がへこんだ。

ちっ、避けやがったか……

「はあ、穂村さん家の燈夜くんのせいでまた器物損壊が増えた……」

「えええええ!?俺のせい!?」

「お前が避けたのが悪い」

避けなければ壁はへこまなかったであろうに……

さて、こうなれば力ずくでも早く言わせないと。

器物損壊犯が私だとばれてしまう。


「さて、もう一度質問しよっか?」

座っていた隣の机を投げようと構えると、ようやく幼馴染は観念した。




「俺には前世の記憶があって、今までとくに気にして無かったんだけど寿王を見てるとなんつーの?デジャブ感みたいのがあって、気にしないようにしてたんだけど……」

ちょ?ちょっと待って?なにこの突然の電波。何この話。え?何。電波ターンなの?ここから先は電波のターンなの?

「今日、寿王が器物損壊バレて反省文書いてて確信した。この世界は俺の前世の頃、妹がハマってたゲームの世界で主人公もといヒロインは寿王だって……」

は?

え?

は?

何がどうなってそうなった?は?

「頭、大丈夫?」

「正常だよ!!俺だってありえねぇと思いたかった!!でも、俺がここに来る途中に生活指導の男前先生と会ったんだよ!!

ゲーム自体のスタートは高2の春だが、器物損壊が一定値を超えて男前先生ルートの場合、初めて器物損壊の反省文を書いている時が思い出されるんだ。この夕日が差し込む教室で先生と二人っきりで反省文……なドキドキスチルがあるんだよ!!そして主人公は『私、もしかしてあの時からずっと先生のこと……?』ってなるんだよ!!」


ぞわわわわわ、

うわ、サブイボが……

「ない。それはマジでない。だって、たとえ男前先生がイケメンで男前だとしても、私は教師はすべて敵だと思ってる」

「お前は何と戦ってんだよ」

いや、敵だよ。教師は敵だよ。


「つーか、乙女ゲームの主人公なのに器物損壊が一定値を超えるとイベント始まるって何。

なんで器物損壊レベルもあるの」

普通好感度とかでしょ。

ちょっと考えてる乙女ゲームは確かにそういいう変わってるのあるけど、器物損壊はアカンでしょ。そんなの溜めてたら明らかに停学ルートでしょ。ねえ


「その、乙女ゲーム作成会社が変な会社で……女子力(物理)と男子力(ヒロイン)に重きを置いたらしい……」

…………んなところに、重きを置くな。

「つまり、例えば私が壁ドンするとか?」

巷でかつて人気だった壁ドン。今はもう古いけど。

それを私がするのか……

それはちょっと身長的にどっちも苦しいことになると思うんだ。


「いや、壁ドンってより壁ゴンって感じ」


……いや、きっと壁に拳を突いてドォォオンって言うネタもやりつくされていると思うんだ。

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