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まどか 乃木坂学院高校演劇部物語  作者: 大橋 むつお
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73:『施設一覧の図面を広げた』

まどか 乃木坂学院高校演劇部物語


73『施設一覧の図面を広げた』





 思いあまって、柚木先生に相談に行った。



「……わたしも、ペーペーだからね。普通教室じゃ、だめなの?」


「はい、机と椅子を全部出しても、舞台の半分もありませんから」


 里沙が、図面を出して説明。


 手書きだけどセンチの単位まで書き込まれていて、さすがに里沙。


 事実上の部長であるわたしも負けているわけにはいかない。なじみの技能員のおじさんにコピーしてもらった学校の施設一覧を出そうと、カバンを揺すり上げる。


「よっ、ウワ!」


 ドサ


 ダッフルコートが落ちかけて力を入れたらトートバッグが落ちてしまった。


「なにこれ?」


 夏鈴がはみ出たあれを見咎める。


 はみ出たあれこれは、直ぐにバッグに押し戻したんだけど胡蝶蘭の折り紙が間に合わなかった。


「ヘタッピーな折り方だね」


「どれどれ……これ折ったのは……男の人。とにらんだ」


 柚木先生まで覗き込んできた。


「こ、これは兄貴が折ったんです。お誕生祝いに。兄貴にはいろいろ貸しがあるから。アハハ、こんなもので誤魔化されちゃった」


 みんなの視線が集まる。


「そんなことより、稽古場稽古場」


 わたしは、机の上に施設一覧の図面を広げた。


「さすが、井上さん(技能員のおじさん)部屋毎の机の配置まで書いてある」


 先生が感心した。


「あ、ここ良いんじゃないかなあ!?」


 里沙が一点を指差した。そこには同窓会館談話室とあって、ピアノと若干の椅子が書かれているだけ。広さも間尺もリハーサル室に近い。


「「「「ここだ!」」」」



 四人の声が揃った。



「……はあ、そうですか。いや、ありがとうございました。いいえ、交渉相手が分かっただけでも参考になりました」


「おじさん、なんて言ってました?」


「同窓会館の管理は。同窓会長の権限だって」


 柚木先生は、さっそく技能員のおじさんに内線電話を掛けてくれた。


「同窓会長って……?」


「たしか、都議会議員のえらいさん……」


 先生は、パソコンを開いて確認してくれた。三人も仲良くモニターを見つめる。


「去年の春に亡くなってる……てことは……」


 先生は、同窓会の会則を調べ始めた。


「次年度の総会において、会長が選出されるまでは、理事長がこれを代行するものとする……」



☆ 主な登場人物


仲 まどか       乃木坂学院高校一年生 演劇部

坂東はるか       真田山学院高校二年生 演劇部 まどかの幼なじみ

芹沢 潤香       乃木坂学院高校三年生 演劇部

芹沢 紀香       潤香の姉

貴崎 マリ       乃木坂学院高校 演劇部顧問

貴崎 サキ       貴崎マリの妹

大久保忠知       青山学園一年生 まどかの男友達

武藤 里沙       乃木坂学院高校一年生 演劇部 まどかと同級生

南  夏鈴       乃木坂学院高校一年生 演劇部 まどかと同級生

山崎先輩        乃木坂学院高校二年生 演劇部部長

峰岸先輩        乃木坂学院高校三年生 演劇部前部長

高橋 誠司       城中地区予選の審査員 貴崎マリの先輩

柚木先生        乃木坂学院高校 演劇部副顧問

まどかの家族      父 母(恭子) 兄 祖父 祖母

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