第十一話 裁定
「おーい、レイン?こりゃダメだ。」
泡を吹いて倒れたレインを介抱するヤマトと心配そうにウロウロとする子狸。
その様子を見てヤマトに対して淡々と判決の続きを述べる裁判長。
「通例では死罪である。だが、貴重な存在である貴様らをただただ死に追いやる事は帝国としても忍び無い。」
「…やれやれ。」
裁判長の言葉の意図に気付いたヤマトは呆れる。
「お前らの軍門に下だれと言いたいんだろう?」
「ふむ…。その通りである。むざむざ死を選ぶか、我が帝国に忠誠を誓うかだ。ただ、忠誠を誓うにしたとしても、その生を保証するものではないがな。」
ヤマトの察しの良さにやや驚く裁判官たち。
「ふん。知った事か!それと、さっきから儂らにずぅっと敵意を向けてるお前ら!」
ヤマトが傍聴席に向けて殺気を飛ばすと傍聴者達は虎に睨まれたように冷や汗を流し、その場にうずくまった。しかし、その中に二人動じぬ人物が居た。
「!?あらら!バレてたぁ?ちょっと面白い奴らが現れたって聞いて見に来てたんだよねぇ〜♪来て大正解!」
「ふむふむ、ふっふっふ。なかなか気骨ある武人のようだな。実に楽しみだ。」
ヤマトの殺気を前にして傍聴席に平然として足を組んで座っている少女と腕を組み肩を揺らしながら笑っている大男。
「あなた達はっ!第四術師長カルミア殿に第七軍隊長ミディス殿!」
「さて、裁判長殿。茶番は終わりにしましょうか。」
「はっ、はい…。では。」
ミディスと呼ばれた大男が裁判長に告げると円卓に居た裁判官達は一礼してその場を去った。
「傍聴者たち。アンタ達も皆、ここを出ていきなさいよ。これから、ここは裁定を下す場所。処刑場になるんだからね!あははははっ!」
立ち上がって傍聴者たちにこれから起きる危険を告げるカルミアと呼ばれた少女。
そして、去り際の裁判長から受け取ったレインが作った剣をミディスはまじまじとそれをつめる。
「ふむ。実に不出来。不細工な剣だ。魔素の並びすらままならぬ。が、確かにアーティファクト。これをどう使うのか。見せてみよヤマトとやら。弱き者を受け入れる程優しくはないぞ、帝国は。」
ミディスは剣をヤマトに投げ渡すと腰に携えた大剣を抜きヤマトに切っ先を向けた。
「急展開過ぎてついていけんな。だが、この剣の悪口言いやがって。レインが悲しむぞ。やれやれ。ゲンコツ一発くれてやろうか?」
ミディスから受け取った剣を構え、証言台にいるヤマトは二人の敵に挟まれるような状況になっていた。
カルミア
ミディス




