第80話:オーク集落への殺戮戦その1
15日目:オーク集落
ダークに騎乗しながら、ハルバードを振るう。
ライト、ダークともに馬用装備を着けている。
ライトはゴブリン隊と一緒に攻撃。
キシが騎乗し、馬上槍を振るっている。
俺は騎乗系スキルそのものは持っていないが、<変態機動>スキルを持っているし、魂の繋がった魔物達との連携は強力だ。
ダークは回避を優先させ、<思考技術>でイメージを伝えつつ攻撃を捌いていく。
おっと、そこのオーク危ないぞ。
そこは落とし穴+爆裂だ。
そこのオーク・ランサー。足元に撒菱だぞ。
猛毒のな。
そこのオーク・マジシャン。
気を付けなくていいぞ。
今、イフをそっちに投げたから、存分に死んでくれ。
魔術とアイテム、<投擲>を駆使し、敵の攻撃を捌いていく。
俺はハルバードでお肉を捌く。
蚤の市と市販品の中から見つけてきた、ランク:レア素材の魔鉄。
その魔鉄をイメージで<錬金術>。
比率はエルさんお任せで作り出した、魔鋼という上位素材。
エクストラ格の中では低位だが、ランク4のオーク上位種程度が防げるもんじゃないぞ?
「おらどうしたぁ! <五段突き>! <藍円氣炎>!」
一息で5回突きを放ち、オーク・ソルジャーとオーク・ウォーリアを2体貫き。
豪快にハルバードを振り回しては、風属性を付与して藍色になった炎の斬撃を飛ばしていく。
……セシウムやインジウムではないぞ。
ハルバードを振り回した隙を突こうと、オーク・シーフが飛び込んでくるが、鈍重。
オークにしては細身だが、脂肪が邪魔だな。
オーク・シーフの脂肪フラグ(誤字に非ず)を切って捨て、1度ハルバードを収納。
周りの死体達も、<魔力手>でぽんぽこ収納していき足場を確保。
代わりに、杖を装備。
<die・炎・杖>
ランク:レア
スキル:<火属性魔術:強化><燃焼力:強化><殺傷力:微強化>
名前だけネタな、ガチ装備。
火の中でも、燃やすことに特化させた火属性の杖。
「死にな。<倒誅火葬>」
<投擲>しておいた、魔術基点系の投剣・投球達。
その数、10。
五芒星を描き、5本の線が交わる点にも基点がある、二重五芒星。
その内側は、敵対者を葬る殺意の火葬だ。
オーク・アーチャーを中心にオーク・ガーダー、平オーク合わせて7体をこんがり焼く。
実はこのネタ装備。
燃焼力の操作にも補正が入る。
つまりは美味しく焼けましたー! だ。
余裕は有るのでオークの丸焼き。
とは言え、おーくは望まない。(ry
痺れを切らしたオーク・ジェネラルさんが本格参戦だ。
先にこの辺りの遠距離持ちを潰していったからな。
アーチャーやマジシャンを先に狙ったのは、対処にリソースを割きたくないから。
あとダークのぱっちりお目目を狙ってきてイラッとしたのもある。
装備を即換装。
1度収納したため、脂や血糊のなくなったハルバードを再装備。
「『貴様ら、俺がやるから邪魔をするな!』」
おいおい、ランク5の力は有るだろうけど。
一騎討ちか?
望むところだ。
ハルバードを構え、ジェネラルも同じくハルバード。
太い足、豚足を踏み出した瞬間!
ズコッと転ぶオーク・ジェネラル!
「だっさ」
落とし穴と<木属性魔術>の草結びだ。
「ガァァァ!」
怒ったオーク・ジェネラルは頑張って立ち、ハルバードを振りかぶって飛びかかり──落ちる。
「グガァ!?」
草結びと平行して、蔦を足に絡めておいた。
木属性だけでなく、<錬金術>による特別製の蔦。
加えて<操糸術>の範疇で更に強化。
蔦にはワイヤーまでくっ付けた、嫌がらせ用自在ロープ。
なんで飛んじゃうかねー?
君の体色は黄色じゃないか。ジェネラルらしく、防具着けてるけど。
赤いのはこちらだよ?
『ひゃっふぅー! 旦那様ー! いっきまっすよー!』
上空から重力と思念で加速された、ハイ・テンション呪武器イフ嬢。
オーク・ジェネラルの鎧、<オーク・ジェネラルの鎧>という装備。そのまんまやないかー。
という魔物装備は、兜も有り、全身を覆っているが。
今、転んで立ち上がろうとして。
その後ろ首、空いちゃってるよね?
「─────!!!!!」
『あははははは! 良いですね良いですね!
上位種の苦痛はワタシにとっての悦楽です!』
落下速度を武器にして、色々と想いが重いイフがその身を重くするという、衝撃を高める仕様でグッサーと刺さる。
『生命力高いと殺り害有りますねー!
ほらほらほらほらほらほら!
ワタシの受けた痛みはこんなもんじゃない!』
『イフ』
『はっ、はい! 旦那様。今すぐ殺します』
『いや、違う。
ソイツを、生かさず殺さず。
なぶり殺しで留めておけ。命を残すなら、何をしても自由に。
──心を壊せ』
『──!
はーい! 旦那様ぁ!
イフは頑張りますよ!』
既に毒も回らせたあのオーク・ジェネラルは動けない。
痛覚は更に鋭敏にする劇毒。
加えてイフさんのお楽しみ。
<精神魔術>で軽く精神保護かけてやるから、──長く苦しみな、豚。
オーク・ジェネラルをあっさりやられて動揺している平オークや、ランク4で一応の上位種達。
平オークをダークが<脚術>の<砕きの蹄>で蹴り飛ばし。
上位種オーク、ソードマン、ランサー、ウォーリアをハルバードと魔術で絞めていく。
「アア゛─────!」
よう、オーク・キング。
流石の重役出勤。
テメーの兵隊は既にお肉だぜ?
オーク・ジェネラルさんはランク5なので強いです。
ただ、レッド君の嫌がらせ力とイフさんの殺意力が強すぎただけなのです。




