第81話:オーク集落への殺戮戦その2
本日2話目?
15日目:オークの集落、半壊
視点:ゴブリン隊隊長シレイ
今回のオーダーはオーク集落との戦い。
オークは基礎ランクが3であり、ランクでは俺たちゴブリン隊と同等。
上位種はランク4であり、ジェネラルはランク5だ。
今の俺たちは、ランクで言うならランク3,5。
単なるオークなら倒せるだろうし、オーク上位種も集団でかかれば勝算は高い。
相手も組織だって攻撃してくれば危うくなるが……。
『敵オーク集団、混乱。レッド様に大半が向かっている。私達に向かってくるオークはほぼ0』
初撃でかなりの損害を与え、大将のスキルにより大将がオークの対象になっている。
俺たちは、戦闘経験を積ませ、経験値を得るために参加を許されている。
『シレイ、アレ』
アナが狩りやすいオークを見定める。
『みんな、アレを狙う。相手はこちらよりも上位。
全力で殺りに行くぞ。
ユミ、頼む』
近くの木に上ったユミが、オークを狙撃。
『……分厚い』
アナは強弓というよりは、精密性が持ち味だ。
ここのオークどもは簡単な皮鎧を着けているが、その隙間を狙って射てる。
しかしオークは脂肪という鎧にも守られている。
スピードが落ちる代わりに、耐久力に適性の有る種だ。
敵意は大将に向いているが、流石に攻撃されればこちらにヘイトが移る。
「ぐが?」
『殺れ!』
『<一番槍>!』『<馬上突撃>!』
毒が回り、動きが鈍るオークをソウシが先制攻撃。
ガタイが良いため、胴部ではなく脚を狙って傷付ける。
次いでキシが、念願かなった騎乗戦。
武器を槍に持ち替え、動きの悪いオークの口を穿つ。
『シレイ。高さでキシとライトが優位に動ける。
他はサポートでキシがメイン』
『それで行こう』
アナが情報を伝達させ、俺が<指揮>をする。
『キュ』『シッ!』『飛んで殴れグーパンチっス!』
フォルトゥーナの<ツェール>により不幸が付与されたオークを釣り、耐性が下がったところで毒の矢。
そこをアウトが追撃。
『<斧撃>!』『<二段突き>!』
センシが斬りつけ、ソウシが足を狙い。
『ライト殿、行きますぞ!』『ヒヒン!』
ゴブリン隊以外には畏まるキシが、ライトと共にオークを殺る。
「グガァァァアアアア」
『! 1小隊。平10、槍1、剣2、魔1!』
『2の4だ! フォルトゥーナは撹乱! アウトは迎撃!
ライトはキシとメインアタッカーだ!』
ここからは乱戦に近くなる。
センシとソウシをタンク。
俺も前線で棍棒を振るう。
「ガァ!」「オォ!」
普段壁役のキシをアタッカーに、ソウシをタンクにチェンジ。
後ろからユミの掩護射撃。
マホの強化とホリィの回復。アナは解析し、攻撃の予兆を読み取り前衛に伝える。
これだけで策が出来るのに、今回はライトという高さ的優位。
加えて、不幸というバッドステータスを付与しながら、恐ろしい神回避を見せるフォルトゥーナ。
一人で強化・回復、そして攻撃をこなせる非常識なアウトが迎撃に入ることで優位に進められる。
『<氣鬼棍棒>!』
相手の上位種の前衛3体、ランク4だけあり強い。
装備も魔物装備と呼ばれる<オーク・ソードマンの剣>や<オーク・ソードマンの軽鎧>等を装備している。
亜人型の魔物は、ランクアップで装備類も充実していくためランク差はより開く。
「がっ、がぁ!?」
装備類が充実している?
こちらは大将よりさまざまな装備とアイテムを賜っている。
名前も頂き、ポーションでドーピングまでしているのだ。
<レッドカード>による弱体化があっても、そうそう引けを取らない!
「<ファイア・ボー──」「グッ!?」
『厄介なマジシャンは潰した! 援護に入るぞ!』
『よくやってくれたトウゾ!』
今まで気配を殺し、罠を所々に仕掛けていたトウゾによるアサシネイト。
マジシャンはまだ絶命していないが、発声を封じ痛みで集中を阻害した。
加えて、平オークも俺たち3人が3体の上位種を抑えているうちに殲滅。
『グーパンチっス』『キュー(<打舵ー輪>)!』
上位種の後ろから攻撃を加える特殊枠。
1体攻撃が加えられなかった奴が気を逸らしたところに。
「ぐぇ!」
うちの狙撃手が狙ってるぞ。
炎球を飛ばしてくるマジシャンから避けるために、ユミは回避を余儀なくされていたが、それももうない。
ランク4だけあって耐性も有るが、何時まで持つかな?
──鈍った!
『全員ここで決めろ!』
上位種3体に、持ちうる最大のスキル技や魔術をぶつけていく。
俺も<棍棒術><鬼撃棍命>をソードマンの顔に叩きつける。
ライトに騎乗したキシを除けば、一番上背が有るのは俺だ。
棍棒の先端から、骨を砕く感触が伝わってきた。
『……絶命確認! みんな、回復を!』
おー、痛いもんだな。
小盾を着けた左腕で何度か攻撃を受け流していたが、左腕の感覚が薄い。
『回復しますね~』
負傷した全員がホリィの回復魔術のお世話になる。
違った、アウトだけ自分を殴って回復している。どういう理屈だ?
ポーションを呷り、消耗した氣力・魔力の回復を図る。
ふー、全員大将の<思考技術>で思考速度が訓練されているから対応も早かったが、やはり上位種は強い。
だが良い実戦に──
『キューーーー!!!!!』
「アア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ーーー!!!!!」
『<魔術障壁>!×3』『<氣壁>!』『グーパンチ!』
バリィィィン!
ガハッ。
しまった。気を緩めすぎたか。
『ウッ<全体治癒>』
いち早く敵に気付いたフォルトゥーナのお陰で防御態勢を取れたが……被害が甚大だ。
今、動けるのは。
『オイラがアレの相手をするっス!
フォルトゥーナさん達はオーク達を!』
『頼むぞ、アウト』
アナからの情報だと、何故かグーパンチで攻撃を受け流したアウト。
いち早く回避できたフォルトゥーナ。
元々近くにいなかったトウゾとユミだけが動ける状態。
ホリィが精神力を振り絞って回復をかけてくれたから、虫の息よりはマシ、か。
『敵は……オーク・ジェネラル。斧持ち。
! <幸運>と<隠密>持ち、だった』
なんというスキル構成だ。
<幸運>レベルの高いフォルトゥーナだから気付けたものの、ランクの高いジェネラルの<幸運>は、そもそもスキルの効果が高い。
魂のレベルやランクが高いと、スキルそのものが強くなる。
ジェネラルの<幸運>と<隠密>のレベルは高くなさそうだが、ランクが高いってのはそれだけで武器だ!
気合いで奥歯に仕込んだ固形回復アイテムを飲み込み、棍棒を支えに立ちあがり瓶のポーションを身体にぶっかける。
『ジェネラルはアウトに投げる。
平オークとオーク・ガーダーは、俺とトウゾ、ユミ、そしてフォルトゥーナで防ぐぞ!
立て直せ!
そして死ぬなよ!
俺たちは死を越えられる。だが、死んで良いわけがない!』
『そうだなシレイ。
それにこんなもん、紅血の間に比べりゃあ温いもんだぜ』
『……同感。援護するから、壁になって』
『……キュー(……おにくのぶんざいで)』
なんだ? フォルトゥーナだけ軽口じゃない。
『キュキュキュキュー(おにくのぶんざいでー)!』
いぃ!?
なんだあれは!?




