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とある人に捧げる百篇の詩  作者: 橋本洋一


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代えのある存在

心が寒いと貴女は言う

季節はもう春なのに

僕はどうにかして暖めようと

貴女のそばにいたんだよ


貴女に必要だったのは

僕じゃなかったのかもしれない

誰でも良いってわけじゃないけど

僕じゃなくても良かったんだね


僕は貴女がいないと駄目になる

今だって僕はどうしようもない

愚かで悲しい存在

平凡ですらないんだ


僕は貴女が居れば良かった

だけど貴女はそうじゃない

僕は代理人なんだ

僕は代替品なんだ


僕は貴女の本物になりたい

偽物じゃ嫌なんだ

だから今も生きているよ

本物になるために

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