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代えのある存在
心が寒いと貴女は言う
季節はもう春なのに
僕はどうにかして暖めようと
貴女のそばにいたんだよ
貴女に必要だったのは
僕じゃなかったのかもしれない
誰でも良いってわけじゃないけど
僕じゃなくても良かったんだね
僕は貴女がいないと駄目になる
今だって僕はどうしようもない
愚かで悲しい存在
平凡ですらないんだ
僕は貴女が居れば良かった
だけど貴女はそうじゃない
僕は代理人なんだ
僕は代替品なんだ
僕は貴女の本物になりたい
偽物じゃ嫌なんだ
だから今も生きているよ
本物になるために




