おまけ・3
はい、おまけのくせに長いですよね。
ええ、自覚していますとも。
とはいえ、この「おまけ」は、「おまけ」の名目で一布が好き放題に作品について語るコーナーなので。
そんなわけで、もう少しだけ続きます。
【各設定】
まあ、設定についてはそれなりに作り込みました。
作り込んだので、その全てを書くと、たぶん3、4万文字になります。ので、簡単に魔術と魔法、その他の設定を。
■魔術
・自然界に存在する元素などを、魔力を使って実用化する技術。
・人間が使用するものなので、その威力等は人間の限界を超えない。周辺を一発で吹っ飛ばす魔術などは、人間には不可能。
・意図的に発動速度を上げる訓練をしていなければ、魔術の発動には、平均で20秒以上かかる。だからこそ、戦闘で魔術を使う場合は、発動速度をどれだけ上げられるかがポイントになる。
・また、魔力を込めて威力を上げようとしても、込めた魔力をコントロールできないと、作り上げた魔術は霧散する。そのため、発動速度と同時に、込める魔力を大きくする訓練も必要となる。
・訓練を受けた軍人でも、魔術を放つには3、4秒の時間がかかる。高い威力の魔術を放つには、当然、さらに時間がかかる。
・レトは超一流の魔術師だが、それでも、攻撃用の魔術を放つには1、2秒前後の発動時間が必要である。
■魔法
・魔術と異なり、自然界の存在有無を問わず物理作用を起こす技術。
・魔法を発動させる際には、意図する目的を達するための構成を編む必要がある。メタネタだが、プログラミングをイメージしている。コードを作成して、意図した動きをする、みたいな。
・効果が不自然であればあるほど、構成も難しくなる。
・ロキは、その気になればマセリアを完治させることができた。フェイタル病を治す魔法は、異世界召喚に比べれば簡単である。しかし、作中にある通り、レトが召喚者を育てて他国を陥落させられなければ、見殺しにするつもりだった。
・ロキを含む皇帝がこれほどの魔法を使えるようになったのは、一万年近くも研究を続けたからである。ハイドがわずか半年ほどでマセリアを治療しようとしたのは、無茶なことこの上ないと言える。たとえ、ロキの魔法の痕跡を研究したとしても。
・・・と、まあ。
魔法と魔術はこんな感じで。
続いて、その他の設定などをば。
■歌人
・日本での「歌人」とは、いわるゆ短歌を詠む人である。だが、この世界では、日本でいう「歌手」を意味している。理由は、まあ・・・一布的に、「歌手」とか「ミュージシャン」とか「アーティスト」って、なんかファンタジーっぽくなかったんで。
■爵位など
この世界での爵位や軍での地位は、概ねこんな感じ
・公爵:王に次ぐ地位。行政を司り、独自の私設軍を有している。自身より下位貴族の干渉を受けず、しかし、伯爵側が発案した立法に対する拒否権がある。また、独自の軍隊は国防ではなく、あくまで自衛というのが基本。
・侯爵:通常、国境付近の領地を管理することが多く、防衛の役割を果たしている。とはいえ、国境付近だけではなく、国内各地に領土があり、国全体の防衛を担っている。
・伯爵:立法、司法を担う。立法発案ができるが、公爵に拒否されることもしばしば。領地は多数あるが、基本的に公爵領地の付近が多い。立法と行政が繋がりやすくするため。
・子爵:伯爵の補佐的役割を担う地位。領地はなく、伯爵領の中にある村や町、都市に邸を構え、管理している。
・男爵:侯爵傘下につくことが基本。そのため、軍事に関する業務を担っている。領地はなく、侯爵領の中にある村や町、都市に邸を構え、管理している。
・百人長:約百人の兵を部下とする地位。
・千人長:十人の百人長を部下とする地位。
・将軍:数人の千人長を束ねる軍の上層。通常は侯爵家の者や男爵などがなる。
はい。本作の設定はもっとゴチャゴチャしていて書き切れない部分もありますが、主立った設定はこんなところです。
ちなみに一布は設定をWordに書き込んでいるのですが、その設定ファイルの文字数を見返したら、プロットも含めてやはり3万文字ほどもありました。そんなん、書いたところで誰が読むか、って感じですよね(笑)
■フェイタル病
不治にして短期間で命を奪う病。いくつかの現実にある病気をモチーフにしています。
フェイタルの語源は、スペイン語で「致命的な」とか「ひどい」とか「運命的な」を意味しています。
これといって深い設定は実はありません。強いて言うなら感染性ではなく遺伝性の病気というくらい。あとは、フェイタル病にかかる遺伝要因は人口の約50%が有しているんだけど、発症率は極端に低いとか。
■作品について
まあ、一言で言えば反戦の物語です。
戦争には金がかかる。
必然的に、戦争に巻き込まれた(仕掛けた側、仕掛けられた側を問わず)国の住民は、生活苦に陥ることになる。
また、生活苦だけではなく、身の危険にも晒されることになる。ジュネーブ条約とかハーグ陸戦条約があっても、敵国の国民に危害を加える者は確実に存在する。さらに、敵国の国民に対して危害を加える者だけではなく、困窮する国内で、自国の弱者に危害を加える者さえいる。
もちろん、力でねじ伏せなければならない目論みをする国だってあるかも知れません。
しかし、作中でシーダが言っていた通り、どうしても戦争をしなければならないなら、それは守るための戦いであるべきです。
過去の遺恨により、特定の国に対して拭いきれない憤りを抱えている人もいるかも知れない。
国家の間で、どうしても譲歩できないものがあるかも知れない。
ある国との外交手段として、戦争というカードを使用する必要が出てくるかも知れない。
でも、それらが、今を平和に生きている人を傷付けていい理由にはならないはずです。
まあ、そんなわけで。
作中では、ノースの兵士にもサウスウェストの兵士にも、あえてゲスで下劣になっていただきました。
初めて転移モノ異世界ファンタジーの長編に挑戦するうえで、どんなテーマにしようかと考えたら、まず最初にこんな内容が思い浮びました。
とはいえ、単純に「戦争はいけません」というだけでは味気ない(「味気ない」という表現が適切かは不明)ので、そこに、トラウマを抱えたイチヤという人物を加えてみました。
最初は、過去の自分のような人達を救いたくて戦い。
ラストでは、過去の自分だけではなく、未来の自分のために旅に出る。レトに会いたいという自分自身のために。
利他主義は美しいかも知れませんが、個人的に、「自分の幸せのために努力できない奴が、他人の幸せのために努力できるはずがない」と思っているので。
戦争を終らせるという目的がある。
でもそれは、過去の自分を救うためだけではなく。もちろん、自分以外の誰かを救うためだけでもない。
好きな人を見つけ出すために。
好きな人にもう一度会って、自分の幸せを得るために。
そんなイチヤの旅立ちと童貞喪失を持って、この物語を完結させよう。
・・・という流れで、本作が出来上がりました。
なんか軽い感じで簡単な制作過程まで書きましたが、どうでしたでしょうか。
正直なところ、ここで終わらせるのは、ある意味「俺達の戦いはこれからだ!」的な感じがするという印象は否めないと思いますが(本当にこれからですし。二人の皇帝に関しても、レトを探すことに関しても)。
まあ、ある意味打ち切り的な終わり方に賛否はあると思いますが。
それはそれとしても。
個人的には、「まだ一工夫も二工夫もできたのではなか」と、ちょっと反省しきりですが。
楽しんでいただけたなら嬉しいですm(_ _)m
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
(おしまい)




