表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/54

第十一章、復刻ステージ2 その4

卸本町の蜃気楼、パターン2(過去からの訪問者)オリジナル

http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/folder/1515515.html

春菜と良子はお風呂から上がり、部屋に戻った。



部屋に戻ると、春菜は押入れを開けた。



すると当時寝ていた、二人の布団が出て来た。



それを見た良子は、「いつの間に私の自宅の倉庫から、お布団持って来たの?」。



春菜、「この寮が出来て直ぐ持って来た」。



良子は更に切なさが増した。



良子、「そんな、これ以上私が春菜に、未練がましくなるだけよ」。



春菜は急に態度が変わり、「そうじゃない#!、お母さんもう一度ここからやり直すの!。



側に私がずっと居たとしても、お母さんは結局周りから、避けられるだけよ#!。



もう私一人では、お母さんを庇い切れない!。



周りからはお母さんの陰口を聞かされ、私が周りをなだめても、



最終的にはお母さん自身が変わらなければ、どうしようもないの#!。



ここで思い出して!、下ろした子供を悔やみ、黄昏ていた自分と、



長男長女に恵まれて、賢パパの愛情にも恵まれた事。



あの青森で貧乏で直ぐ喧嘩して、職を転々としていた若かりし頃のパパとは違い、



お母さんに何でも与えたパパが居た事を。



贅沢の極みを尽くし、今度はお母さん自身のあり方で、自分が黄昏て行った。



もうあの頃みたいに、パパを恨めない!。



前世の私を下ろさせたパパの罪なんて、すでに消えているの。



私も同じ事、今日始めて聞いた私の幼い頃、



変質者に連れ去られそうになった、私を助けてくれただけでも、



前世で私をパパが下ろさせた、罪の大半が消えているの..」。



良子、「そうだったね、私はここで賢と再会して賢を恨んだ!。



恨んで殺そうとまで思った。



でも春菜がそれを止めてくれたお陰で、私は到底普通のでは味わえない、



幸せを手に入れてしまった」。



春菜、「この香り解る?、部屋の香りよ!」。



良子は実際にタイムスリップしなくても、あの当時の自分に戻っていた。



そして春菜を見つめて、「そう!そうよ!、ここで私は未来人に会った、



未来人にしては地味で、でも何処か懐かしい香りがする子が表れて、



毎日過去の生い立ちから、癒される時を過ごしていた。



未来人はこの部屋を気にっていたみたいだけど、私はそんな未来人が何処かおかしくて、



でも憎めなくて、次第に可愛く思えて来た。



いつも未来人は笑みを浮かべて、未来の話を私に語っていた。



不思議な子だと思っていたけど、前世で捨てた子だと判明した時は、より愛しく感じた。



その時、貧乏暮らしでも寂しさが無くなり、昔を思い出して眠れない事が無くなった。



その子は何時も言っていた。



『豊かに成れば成るほど、人々は癒しを求めてさ迷うの、



お金が有るから幸せには成れるとは限らない、何もかも手に入れた未来の人々は、



最終的には懐かしい時代に存在した、緩やか時間を求めた』とね..」。








Shopping Arcade



作詞:Shiny Pastel Moon



街を歩くと笑顔が耐えない人がいた



八百屋のおじさんいつでも



通り掛かれば話しかけた



雨の日には軒先で雨宿りをしていると



中に入れと店に誘われ会話が弾んだ



孤独にさせない街だった



なんだか気分が踊ってた



スキップすれば街の皆なが微笑んだ



駄菓子屋のおばさんいつも陽気で井戸端会議



アーケード、それはいつも華やいだ



魚屋さん、いつも声がかれていた



酒屋さん、軒先でお酒を飲んでる陽気なおじさん



街並はどんな時でも、皆なを優しく包んでくれていた



気が付けば私は、昔の人の温もりに馴染んでた



この時間が繰り返す事を願う私だった。







大声で喧嘩してる夫婦を見かけ



それを見に行く暇な人が仲裁に入る



喧嘩は日が暮れ、お腹が空いたら仲直り



そんな光景が穏やかな時代に見えた私



公園を歩けば人々は話しかけた



在り来たりな挨拶が嬉しく感じた



Transience of a the time trip



発展した時代の行く末には、人を孤独にさせた



Era when does not return



物は無くて不便でも、心はとても豊かだった



楽しいそうにはしゃぐ子供達が可愛く見えた



家の軒先からは、今日のおかずの香りがしてた



なぜか希望が湧いて来て、未来が期待出来ていた



穏やかに走る電車の音が、街の風景に溶け込んでいた



誰もが他人に、有難うと言える事が不思議に思えた


軒先で子供をおんぶして、泣く子をあやす母の顔が



どこか懐かしいと思える私が、寂しさを感じたのは



何時か無くした優しさを、置いて来てしまった



時代は何時からだろうか



皆無くした心の優しさと、他人の愛情は時の狭間に落ちた様



せせらぎの様な時間すらも、改良工事が行われ



私の居た時代は、急流となって時間に襲われ戸惑うの



もう戻らない時間と笑顔は、時代のアルバムに貼り付けて



懐かしさだけを心に抱き、心を隠して街を歩いた。





電気を消して二人は床に着いた。



今でもこの昔の寮の創りを再現した、薄い壁と木製の枠のガラス窓から、



最終電車の走る音が聞こえて来た。



OB達は部屋で昔を思い出し、その話し声が聞こえて来た。



年を取っても、声だけは変わらなかった。



良子はそれを耳にすると、今時分が置かれている立場を、



とても幸せに思えて来たのであった。



春菜は結婚してももう、タイムドアーを開けて、自分の前から去る事は無く、



長男にも子供が居て、もうじき長男夫婦と暮らす事が、決まっていたからだった。



だがやはり切なは、消えなかった。



良子にとっては、春菜は特別な思いが有ったからだった。



それは何時も自分の心の友であり、良き理解者であったが為に、



昨日春菜が初めて放った、自分への誹謗が心を痛めた。



以心伝心→ → → →!完了。



春菜、「愛しているの、大輔君」。



良子、「変な意地を張ったは私..」。



春菜、「意地じゃないでしょ!、威厳を張ったのでしょ!」。



良子、「そうよ!」。



春菜、「そんな事するから、周りから避けられるの..」。



良子、「身に着いた癖は、そう簡単に直らないのよ!」。



春菜、「その後、お姉ちゃんの店で、ビービー泣いて、ヘのツッパリだったじゃない#!」。



良子、「反省してるわよ!」。



春菜、「知らないよ!、私を生んだ久美子さんあの時は冷静だったけど、



後からの仕打ちが激しいからね..」。



良子、「へ!」。



春菜、「お母さんね!、あ~見えても感情を隠すから、始めは解らないけど、



後もう一歩で激怒していたよ」。



良子、「ど..どんな風に?」。



春菜、「私を見ていたら解るでしょ!、きつい一発が来るから」。



良子、「きつい一発って、どんな風な?」。



春菜、「人の娘をこれ以上こき使うな#!、パシーンって遣られてたよ!」。



良子、「まさか..」。



春菜、「もう少しで遣り損なったのを、以心伝心出来たお姉ちゃんが、



焦って止めたのだから、嘘だと思うならお姉ちゃんに聞いてみて!」。



良子「......」。



春菜、「それを遣ってしまうと、良子さん絶体絶命になるのを案じて、



私の家にお姉ちゃん、昨日泊まり込んだのだから!」。



良子、「春実、私の身を案じたの?」。



春菜、「久美子ママに、愛想をつかされたら、私もどうする事も出来ないからね..。



春実お姉ちゃんの前世の母だし、私を生んだ実際の母でもあるから、



春実お姉ちゃんは、良子さんを本質的な所は拒絶しているし、



主導権は完全に久美子さんだから..」。



良子、「 (ToT) 」。



いよいよ虚勢を張るのも、これで最後である良子さんだった。




この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ