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第九章、恋心ステージ2  その4

卸本町の蜃気楼、パターン2(過去からの訪問者)オリジナル

http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/folder/1515515.html


春実は夜、中川家に出向いていた。



中川家の居間で..。



春実は申し訳なさそうに、「あ..あの、この始末はどう申し上げて良いか..」。



俊夫、「アハハハハ!、まあそんなに重く考えなくても、成る様になると思うけどね」。



久美子、「良子さんは昔から、春菜に隠れてはいたけど、猛烈なのよ!」。



春実はお茶をすすりながら、「なんと申し上げて良いか、母親が情けなくて困ります」。



俊夫、「別に結婚しても、遠くに行く訳では無いのだろ?」。



春菜、「私、一度だけ良子さんと夜、柿本ハウスで喧嘩した事が有るの、



大輔君と知り合って間もなく、恋愛関係になって、



良子さんと私、以心伝心出来てしまうから、



『もっと誠実な人と付き合いなさい#!』って言われて、私も激怒して、



家飛び出したら、直ぐ追いかけて来て、『私が悪かったから』って、連れ戻されたの」。



春実は更に面目なさそうに、「あちゃ、産みの親の方が理解が有って、



前世の親の方が理解が無いか..、参ったなぁ」と、頭を抱えた。



俊夫、「春実ちゃん、確かに良子さんは、赤ん坊のこの子あやしていた姿は、



何か言い難いものが、有る様な気がしたよ」。



春実、「本当に申し訳無い、春菜に我が家の財産を築かせて貰って、



あの始末は本当に恥でして..」。



久美子、「そんな深く考えなくても良いわよ、春実ちゃん、



大輔君はしっかりしてるし、根性有るから任せておけば、



春菜を悩ませない様に、旨く遣ると思うわ」。



俊夫、「杉浦さんは昔から、星の観察仲間で、



幼いこの子によく、星の事を教えていたよ、



知らない人の息子さんでも無いから、



結婚してもそんなに寂しいとは思わないけどね。



大輔君で安心してるよ..」。



久美子、「よく家に来てくれるのよ、気さくで良い青年よ」。



春実、「たった一人、聞き分けの無い厄介な私の母親が、



春菜を引き止めていて、



そこをなんとか説得しない事には、埒が開かないので」。



春菜、「お母さんを、寂しくさせたくは無いと思っているよ」。



春実、「それは痛いほど、伝わるのだけど、



それを春菜が飲んでしまうと、



何が有ろうと春菜を放せなくなるから、そうすると今度は、



大輔が邪魔になり、本社社長命令で、



『大輔を追い出せ!』と、言われると、



結局私と喧嘩、大輔の母香織さんと、



私の母とも喧嘩、挙句の果ては、



春菜に愛想を尽かされ、一人ぼっちになる我が母親」。



俊夫、「それを久美子も感じたから、



今日からずっと春菜を、家に置く事にした訳だろ?」。



久美子、「あのままだと、春菜と良子さんは、



永遠に仲違いに成るのは、間違い無いと思うから」。



俊夫、「良子さんの為に、一時春菜を放す訳か、



春実ちゃんは今後、板ばさみになるね」。



春実、「まあ、母親の気持ちも汲んで上げないと、



又一人になってしまうから、



心の友に捨てられない方法としては、これしか無いかと思いますが」。



俊夫、「春菜が結婚して家を出た後は、



春実ちゃんが、今度我々の娘に成ってくれるかな?、



春菜を良子さんに上げて、アハハハ!」。



春実、「そ..そうして頂けます!」と、頼んだ。



久美子、「本当はそうだったのかも、フフフフ」と、指先を口に当てた。



俊夫、「確かに我々の感覚的には、春実ちゃん春菜の、実のお姉さんに感じるよ!」。


春実、「あ..あの~、すでにもう離婚をした、とっくに可愛い盛りを過ぎた、



30過ぎの不束な娘ですが、ここに置いて頂けます?」と、三つ指を付いた。



皆んなは笑った。



久美子、「まじめな話だけど、秘策が有るのよ、



だから春菜の事は、放って置いても大丈夫よ」。



俊夫、「春実ちゃん、我々はこうなる事は事前に把握していたよ。



そうでなければ、週三日も大事な一人娘を、いくら前世の母だとは言え、



預けたりはしないから、安心していいよ、



まじめな話、春実ちゃんも、



我々の実の娘でもいいけどね!アハハハハ、ずうずうしいか」。



春実、「とんでもない!、何時でも娘になれと言うなら、



中川家の娘になります」。



春菜、「所で秘策ってなに?」。



久美子、「まだはっきりとは、言えないわよ」。



俊夫、「良子さんに義理は返す、



そう言う事だよ!、春実ちゃんなら解るだろ!」。



春実、「まぁ、春菜よりかは人生経験は、ちょいと上だから」。



春菜、「お姉ちゃん、考えている事、隠すの旨いからね..」。



久美子、「そうでなければ、あんな大きな店の経営こなせないわよ」。



春実、「いずれにしても春菜、我々も年を取ると、



回りから見放された様に、感じるのかな?」。



春菜、「我ばっかり張り詰めて?」。



春実、「そうそう、あの婆どもの様に、金は持っているけど、



他人に思いやりが無く、ズケズケ言いたい事ばかり言っていると、



気が付くと、三人だけになっている訳」。



久美子と俊夫は笑った。



春菜、「私もいずれ、そうなるのかな?」。



春実、「逆に春菜は素直だから、寄り付き過ぎて将来困るよきっと」。



俊夫、「春菜が居るから、今でもあの三人は、



繋がっているのかも知れないね!」。



春実、「その通りです。プラス1名増えましたが..」。



そんな話で話題が尽きない、中川家であった。




この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。

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