表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
36/54

第九章、恋心ステージ2  その5

卸本町の蜃気楼、パターン2(過去からの訪問者)オリジナル

http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/folder/1515515.html


明くる日。



柿本オフィスでは、只ならぬ空気に包まれていたのは当然だが、



相変わらず頼まれてもいないのに、部長をここへ誰かが連れて来ていた。



春菜と良子には距離が出来ていた。



里美も浮かぬ顔で、オフィスに出向いていた。



すると里美が、「良子、あんた本当にこのままだと、春菜との絆が途切れるよ。



その話は後にして、まずあの店の監督として、一言言わなければならないが、



お客の前であんな態度で、来店して来て謝りもしない、



確かに春菜が結婚すれば、香織が姑にはなるが、



あの時、香織は決してそんな気持ちで、あんたに忠告した訳では無い事は、承知してるのかい?」。



良子、「あの時は興奮していて、見境付かなかったのよ..」。



圭子、「それでは困るのよ、いい大人なんだから、



香織と二人きりで遣り合ってる場なら解るけど、



世間が見ている前で、感情のままに、激怒している姿を客の前に晒して、



春実の立場も考えないで、当事者にどう謝るのよ?」。



洋子、「あんた、春菜を奪われるくらいなら、何もかも築き上げて来た信用を、



潰しても良いと思っているの?。



あのDear store には、柿本クリエイトのお客も、回っているんだよ#!、



溺愛し過ぎる前世の親が、あんな恥晒しなまねして、春菜が周りから悪く言われるだろ#!」。



里美、「残念ながら43年前と違ってね、タイムスリップの信憑性は、



関係者の多くに浸透しているんだよ!。



あんたと春菜の関係も、昔と違って周の多くは信じているし、逆にそれが痣になるんだよ」。



良子、「今でもあの感動が忘れられないの、流した子が来世で生まれ変わり、



私の本へと帰って来てくれた事、時を越えて私の手の中に包んだ春菜、



あの43年前の愛しい気持ちが、忘れられないの」。



部長、「良子、普通では有り得ない事態が起きた。



普通なら帰って気やしない、いや側に居ても気付かない事が、



時を越える何らかの装置で実現して、会わせて貰える事が出来た。



それだけでも本望であろう!」。



良子は急に激怒して、「解ってる#!そんな事、昔から思ってる」と、態度を荒げた。



部長、「少し春菜とお互いに、理解し過ぎてしまったな!。



良子は春菜の気持ちが伝わるから、何でも理解者になれた。



それ故に、いつかそれが当たり前の状態になると、



誰にも春菜の心を奪われたく無くなる。



例えそれが小さい頃から知っている、



馴染みの知り合いの息子でもな!」。



良子、「春菜が可愛いの、どうしても..」。



部長、「ワシだってそうだった。



この子が現代から過去に降り立った時、素直で正直なこの子を、



路頭に迷わせたく無くて、住所不定でもワシの親戚と言う、



架空の名義を作って、会社に登録したんだ」。



春菜は俯いていたが、「その時のお礼するの忘れてました。



ごめんなさい」と、頭を下げた。



部長、「礼なんぞせんで良い、その分あの会社で僅かの間だったが、



貢献してくれたからな!」。



洋子、「今は大幅にこの会社に、貢献してくれたけど!」。



圭子、「あれは研修期間ね!」。



里美、「この女どもの、おもりをする為のかい#?」。



部長、「ワハハハ!、それも含めて研修じゃったか!」。



春菜は俯きながら、「良子さんあの時は楽しかったね。



貧乏暮らしの時の方がよく眠れたし、



風が吹くと、窓ガラスがカタカタ鳴ったけど、



今程良子さんは、そんなにギスギスしていなかった」。



良子、「は..春菜」。



春菜、「忙しかったけど皆んな、おおらかで笑いが耐えなかった。



街も賑やかくて、銭湯も壁にカビが生えてたけど、



でも皆んなお風呂に浸かっている人は、



笑顔や笑い声が絶えなかった。


直子さんが戻りたいって言う気持ち、私には解るの。



良子さんあの時から、貧乏暮らしに嫌気が差していたけど、



逆に今の方が心に余裕が無い様な気がする。



『私何処へも行かないよ!、結婚してもお母さんの側に居るよ』って言っても、



すべての私の心を自分の物にしていないと、気が済まないの?。



私も恋をするの、あの時の賢パパをお母さんが愛した様に..」。



里美、「良子、春菜の神の結婚に賛成派の票は、100人中、賛成99人、反対1だ!。



この子のあんたに対する気持ちを、大切に思うなら、



今後私利私欲である自分を、見つめ直す事だね!。



いずれにしろ、無条件で来年には、春菜は結婚させるから、



これは春菜.の産みの親を含む、店の代表者、春実と私もその 一人として、



前世の母の反対を却下して、バージンロードを歩かせる意向で話を進める!。



解ったね!良子..」。



そう言って里美は、このフロアーから出て行った。



するとこのフロアーに、大輔が来た。



大輔は良子の前に立ち、「悪かったよ昨日は、でもいつも俺の話、聞く耳持たね~から、



ちょいと派手に出たのさ!」。



良子、「大輔、あんたにあんなに怒ったの、初めてだったね」。



大輔、「オヤジと春菜の関係の時も、あんな風にオヤジと喧嘩したのかよ?」。



良子、「しないわよ!」。



春菜、「嘘つき..」。



大輔は呆れて、「ボウリングの指導、していただけだと、言い訳したんだろ!」。



良子、「パパに聞いたの?」。



大輔、「お袋が昨日ぼやいていたぜ!、叔母さんは春菜が側に、居てくれれば無敵だって..」。



良子、「ずっと側に居なかったじゃない、40年もの間..」。



大輔、「そうでもね~よ!、隠れて見守っていた訳だろ!、それは春実姉さんに聞いたぜ!」。



部長、「定年してから暇での~!、春菜が通っていた女子高で、



授業が終わった後、清掃員の一人として、掃除業者から派遣されて、掃除しによく行ったよ!。



春菜が言っていた派遣とは、こう言うものかと思ったよ」。



春菜、「あ~!思い出した。いつも、『気をつけて帰るんだよ』って、声掛けてくれたおじさんだ!。



『何で私にだけ、そう言ってくれるのかな?』と、思ったら!」。



洋子と圭子は大笑いだった。



良子、「試されるのは、叔母さん好きではないの」。



大輔、「俺も毎度、春菜の事に対して、スカかされるの好きじゃね~し」。



部長、「良子が悪いな!」。



大輔、「叔母さん気取ってんじゃね~よ!、本音で話し合わね~と、



春菜の精神状態を、あの時に最初に春菜が見た、



卸本町の蜃気楼が、出た時の精神状態に戻っちまうぞ#!」。



良子、「ならばあんたが、春菜から離れなさいよ#!、



どれだけ春菜に目を掛けて、ここまでの幹部に、成長させたと思っているのよ#!」。



部長、「いい加減にしないか#!良子!。



意地を張るのは、この洋子と圭子の前だけにせんか#!。



今のお前はそんな事を言える立場では無い#!。



春菜が未来を教え、お前に財を築かせて、お前が昔望んだ様に、



贅沢な暮らしが出来るのは、春菜のお陰であろう!。



誰もがそれを見届けている中で、



お前が威張れる立場では無い事は、皆が承知しておるぞ#!」。



良子は顔が強張り、「大輔、私から春菜を、取れるものなら取ってみろ#!」。



大輔、「昨日の喧嘩の続きじゃね~つぅ~の#!。



俺はまじめに、春菜との交際を認めて貰いに来ているんだよ#!」。



部長、「良子はバカな奴よのぉ」と、呆れ返った。



良子、「交際?、フ!、誰があんたなんかに、春菜との交際認めるもんか!」と、笑った。



<作者:え~ これから、とんでもない事が起きるのは、言うまでも有りませんので、



読者の方、御了承下さい。>



すると春菜が.... き・れ・た。



春菜、「あんたなんか!薄汚い金の亡者よ#!。



死のうが喚こうが知った事では無いわよ!。



十分私はあんたに貢献したわよ!、もう知らないわよ死神女#!」。



今まで見せた事も無い、春菜の態度に成す術が無かった良子だった。



そう言ってこのフロアーから出て行った、春菜だった。



絶望的であった。



大輔、「何で意地っ張るんだよ叔母さん#!、



これで終わりだよ春菜と叔母さんの絆は..」。



良子の意地は時にして、大切な心の友も失ってしまった。



一瞬の出来事だった。



愕然とする良子は、後悔すら出来ない有様であった。



春菜は春実の所に来ていた。



Dear store の 2階の事務所で、椅子に座り泣いていた春菜。



その横でパソコンを扱いながら、



ネットオークションで入札を掛ける、春実であった。



入札手続きを終えた春実は、「泣くな春菜、味方は五万と居るぞ!」。



デスクの椅子に座りながら、お茶を飲んで寛いでいた里美が、



「春菜、そんな事は想定内だよ!」。



その横のデスクで、書類に目を通していた今日子が、



「叔母さんはね~春菜、



一度伸びた鼻をポッキリ折らないと、



精進しないから、それでいいのよ」。



春菜は泣きながら、「これで終わりよ!、良子さん..」。



春実、「これで終わりかいな、良子さんは年貢の納め時だぁ~ね!」。



今日子、「香織さんが言っていたわよ、



『良子から春菜を奪えば、信管抜かれた様なもんだ』って」。



里美、「良子の原動力が、いよいよ無くなると、思考停止だね!」。



春実、「春菜、わらわは、黙っていたけど、



もうちょっと母親の舵取りうまく遣らないと、



こう言う風にコントロール不能になるのじゃぞ!」。



春菜、「どう言う風に扱えば良かったの?」。



春実、「大体春菜は、わらわとあのおっかさんの間に入って、



気を使い過ぎるから、かえって空回りするんだよ自分が。



気にいらなければ、もっと良子に暴言吐いて、ガンガンぶつかれば、



めんどくさい事には、成らない訳だよ!」。



今日子、「そこが春菜の良い所で、可愛い所じゃない!」。



春実、「そうなんだけどね..」と、自制した。



里美、「さてと、敵は受注に嵌りおったぞ!春実..」。



春実、「あの鼻っ柱折らん事には、拉致が開かんでの!」。



里美、「春菜!よく遣った褒めて使わす!。



これで当分ここで、事務を遣ってもらうから、



それから帰る場所は、今日から杉浦家だから、



花嫁修業を開始する良いな!」。



春菜、「は?」。



何だか訳が解らないまま、従うしか無かった春菜だった。





この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ