第六章、休日4
卸本町の蜃気楼、パターン2(過去からの訪問者)オリジナル
http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/folder/1515515.html
試着室から出て来た直子は、半袖のミニスカートの、白いワンピースを身にまとい、
昭和30年代の、日本ブースにやって来た。
そこは昔の日本の映画スターのポスターや、プロマイド、衣装なども飾られ、
当時のエレキギターの演奏や、8ミリ映写会なども行われ、
当時の映画の鑑賞会なども開かれていた。
すでに団塊の世代も十は超えている人達が、古き良き次代を懐かしむ為に、
椅子が置いてあったり、ベンチが置いて有ったりで、日曜日となれば、70歳前後の人達が、
好き勝手に使っているブースでもあった。
そこに急に直子が現れたので、直子の話が伝わっていない人達は驚いた。
すると直子、「ねぇ、活きのいい奴、弾いてよ!」と、
昔のエレキを抱えた、白髪の男性に答えた。
白髪の男性は、「へ?」と、驚いたが、エレキに繋がっている、
アンプのボリュームを、少し上げた。
すると調子良く、昔の映画スターが弾いた曲を弾き始めた。
それに合わせて、直子は勢いよく踊り出した。
踊りながら、「ヘイ!」と、大声を張り上げると、この店に居た人々が、
一斉に直子の方に顔を向けた。
次第にこのブースに居た、同じ世代の人々が、ここに置いて有った楽器を手にして、
セッションが始まった。
ゴーゴーを踊り出す直子は、急に激しく体をくねらせ、頭もくねらせ、
スカートも乱れ、パンツ丸見えだった。
そんな事はお構いなく、踊り続ける直子は、注目の的であった。
お客は大喜びで、指笛を鳴らして声を上げた。
曲が終わると、拍手喝さいであった。
今日子、「つ..使えるわねぇ~!、この店一番のスタッフで優秀に成るわよ..」。
春実、「おぉ~!、アレがゴーゴーダンス女王の、乱れ舞かいな!。
まさに乱れ桜じゃ!あっぱれ..」。
春菜、「げ..元気がLLサイズ!」。
良子、「あ~あ、まさかこの現代に、台風女が登場するとはね..」。
大輔、「男はいかれ何とかって言うけど、女はなんて言うんだっけ?」。
直子はいきなりここで、人気アイドルになった。
ただ、70歳世代のだが..。
するとここに居た、70歳前後の女性のお客が、「あたしゃ~踊りたくても、
あんなに激しく体曲げたら、全身の骨が砕けちまうよハァ..」と、溜息を付いた。
叔父さん叔母さん方々にとっては、ノスタルジーな直子だった。