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29)いぬも食べない『あい』のはなし

以前どこかで書いた記憶があるのだが、自分で書く詩にも色々あって、書いたときのことをしっかりと覚えている詩と、そうでない詩がある。

この詩は、完全に覚えている。

夜中だか、早朝だか微妙なまだ真っ暗なAM4時ごろ、新聞配達のバイクの音が、聞こえてきて、そのとき、配達人たちの『会話』も聞こえてきたので、えー、新聞配達って、ふたりでやるもんだったけっけ?とか、物凄い違和感を覚えて、それを詩にした。

むろん、現実は、男女の組み合わせなどではなく、男ふたりの組み合わせだったし、おそらく、コースの引き継ぎか何かだろうと、想像はつくのだが。

ただ、会話と、笑い声を聞いたとき、凄くこころがざわついてしまい、思わず妄想してしまった、というところまで、はっきりと覚えている。


で、その話とはまるでべつに、過去、いついつくらいに書いたと思っていたとある詩が、ぜんぜん違う時期に書かれていたとわかり、驚くこともある、って経験も書かせていただいていたと思うのだが、今日のこの詩は、それにもあたり、いつくらいという具体的な月や、季節さえ覚えていないのだが、実際にこの詩を書いたのは、去年の9月30日らしく、そのころって、このサイトに投稿し始めた、ほんとの直後のことになる。

10月1日から、『ゆめなか日記』という詩集もどきを作り始めていて、私個人のイメージでは、それがわたの「なろう」の実質的デビューなので、ほんと、デビュー前の詩だったことになる。


どう思い返しても、そんな昔に書いたという記憶がない。


変な感じである。


ま、人の記憶のあてにならなさ(人、じゃなくって、私の、やね?)を痛感している次第である。


だから、というわけではないのだが、この詩、読んで頂いているのはわずか(?でも、それなら、最近の詩、ほとんどこんなものなんだけど)27という詩であるにもかかわらず、この、『よりぬき秋さん』に入れさせて頂きます。


上のような理屈もあるけど、ほんとは、ほんとにこの詩が、大好きだから、なんだよね。

たぶん、なんどかこの詩はリニューアルで投稿させていただいて、それが悲しいことに毎度毎度あまり読んで頂いていない結果となっているんだよなぁ。

この辺りの、私と読み手の方の好き嫌いの違いが、私の詩が一部を除き、あまり読んで頂けない理由となっているのだろうか?


あッ。

今日の詩、たぶん、本文より、まえがきの方が長いとかいうことに、なってない?

ブサイクな話で誠に申し訳ごさいません。

その本文、ぜひ、ごゆるりとお読みくださいませ。

でわ。


しんぶん配達をしていた

かのじょもつき『あい』

まるでまよなかみたいな午前3時

朝かんくばるのに

ふたりでバイクつらねてね


かわいいそうおんまきちらし

(ちっちゃなぼーそーぞく みたいね)

ってけらけら笑って


(ふたり、

この街の

おーさまとじょおーさまだね)


(それもいうならおうひさまやろ)


(だって ふたり けっこんしてないもん)


かおに当たるかぜが

むすうの針のいたみをふきつけ

終わるころにはふたりとも

のうめんフェイスになったりね


ひるまは汗ばむ初秋だったが

午前4時のちいさなふるえは

ほんとうなら

ひとりでたえなきゃいけないけれど

かのじょが

いてくれたので

かおみあわせて

「ひょうじょう、ないもん」

ってゆびさし『あい』げらげら笑い『あい』

「ちょっと寒いね」

ってふたりきつくだきしめ『あい』


そんなしあわせな朝も

むかしはあったってだけの はなし




──────────────────────

以上が、9月30日の、第1作。



以下が、12月2日の、改訂版。

──────────────────────


犬の遠吠えが

何処かから聴こえて

2人愛し合ったあと、

新聞配達をしていた。

彼女もつき『あい』

まるで朝じゃない午前3時

朝刊配るのに

ふたりでバイクつらねてね。


あっち行ってはこっち行き

ミニバイクの騒音まきちらし、

(ちっちゃなぼーそーぞく みたいね)

ってけらけら笑った君。


(ふたり、

この街の

王様と女王様だね)


(それもいうなら王様と王妃様だろ)


(だって ふたり けっこんしてないもん)


かおに当たる風が

無数の針を顔に突き刺し、

終わるころにはふたりとも

マネキンフェイスになったりね。


昼間はまだ暖かい晩秋だったが

午前4時の小さな震えは、

本当なら

1人で耐えなきゃいけないけれど

彼女が

いてくれたので

顔見合わせて

「表情、ないもん」

ってゆびさし『あい』げらげら笑い『あい』

「ちょっと寒いね」

って2人キツく抱きしめ『あい』


そんな幸せな朝が、

昨日はあったってだけの 話、

それが、『あい』の話。





長ったらしい「まえがき」含め、お読みくださり、誠にありがとうございます。

またお会いできる日を楽しみにしています。

でわ。

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