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54)はじめにんげんぎゃ〜ぎゃ〜ぎゃ〜

阿倍野ハルカスの

てっぺんからふくかぜは

めずらしい香りがする


とおい異国のオレンジ農園に

水をまくホースにさす

錆びどめオイ〜ルの い〜い香り


三千マイル走り続けた

大陸横断列車のせんとう

その機関車のエンジンルームのなか

たべたハンバーガーの

トマトとレタスに

かけたごま油ドレッシングの

ちょっと香ばし〜い い〜い香り


真下の歩道橋でやってる

俺さまなうたうたってるボーカルの隣

今夜は長髪でかみふりみだし

たまのあせはじきとばしながら

かき鳴らしてるアコースティックギターの

ピックのせいしゅんの

焦げくさ〜い い〜い香り


どこにでもありそうで

たったひとつを探そうとすると

だいがえひんのない無二のもの


ふくかぜのなか百舌が空たか〜くを

すべっている


かたほほにえみをうかべて

あなたはわたしのこころを

わしづかみにした


ゴメンもないのね、許せない。


逢えない夜は、あやまるもんでしょ!


阿倍野ハルカスの

真下の歩道橋には

とおりすぎられるためか

のよ〜な ミュージシャンふた〜り

それはひと〜りでは立てな〜い

しょ〜ね な〜さ


でね、

かぜはふきおろす死神の異名を

りょうてでにぎりしめたわたしのなか


ビュービュー

ビュービュー


吹き抜け過ぎる


わた〜しは、

ど〜んな リ〜ズムも と〜れないで

た〜だ こお〜った え〜がおで

は〜んば〜が〜、をほ〜おお〜おばる。


ほおばって、かみくだき、かみしめて

あすの予感のより立つところをしる


阿倍野ハルカスの

てっぺんからふくかぜは

はるか原始時代の

はじめにんげんゴンや

二足歩行えんじんドテチンもすった

あのかぜの

なれの果てかもしれないね。





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