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53)バッカだねー
せっかくの休日の公園で
野菜サンドイッチを食べていたら
突風が
砂まみれにしたものだから
ふたり顔見合わせ なんだか笑ってしまったね
そして明るくキラキラした
小さな道を歩いて
ふたり手を繋いで
ふたり出会えて世界が
どんなに変わったかを話すんだ
ありがとう と
ちゃんと眼を見て話すんだ
白鳥のボートがある池を
右手に見ながら
空中にきらめくあたたかい紙吹雪を
はらいのけながら
それでも乗った
髪にまとわりつく四角い紙切れを
ていねいに取ってあげるね
( そんなことしてくれたら
好きになりそうだよ、あなたのこと、
バッカだねー、
あとが大変だよ)
まだ休日は始まったばかり
これからふたりっきりの1日が──
夢みたのと同じくらいなので
もうふるえてしまい
くるいそうさ
こころしあわせで声は漏らさず
なんだかうつむきながら泣いていたのは
あたしはそうなんだが、もしかしたら
──あなたも?




