表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/33

26. 打ち上げお茶会

19.ピンクブロンド騒動①で約束していた、試験明けのお茶会です。



「みなさん、期末試験お疲れさまです」

「お疲れさまです」

「乾杯」


期末試験も波乱の(?)卒業パーティも終わった夏休み1週目に、リリーさんとレイラさんと王都の子爵邸(我が家)のお庭で打ち上げお茶会を開いた。


「はぁ、ブリオッシュ初めて食べた。美味しい… 至福」

「さすがフラン王国は、スイーツのレベルが高いですねぇ」

「彼の国は肥沃な大地が広がっていますからねぇ。」


「ソフィアさん。これが噂のコーヒーですか。癖になる味ですねぇ。」

「私、追い生クリームしちゃっても良いですか。」

「良いですね、レイラさん。私も追加したいな。シャルロッテ、お願いしていい?」


キャッキャしながらアンダーソン伯爵家(リリーさんの実家)で最近扱っているブリオッシュ(最近流行りのスイーツ)や、フレデリクソン子爵家(我が家)で扱っているコーヒー(最近流行りの飲み物)を堪能しながら女子会。

うーん、最近試験でバタバタしたり、卒業パーティで色々あったから、この女子会がすんごく癒される〜



「レイラさんのお土産のタラの塩とオイル漬けの瓶詰め、早く食べたいなぁ。私たち、この夏から麦酒(ビール)が飲める年齢ですもん。領地でみんなで食べて飲みたいなぁ」

可愛い容器に入ったタラの瓶詰めを眺めながら、楽しい夏休みの予定に思いを馳せる。

いよいよ私も麦酒(ビール)デビュー。今までお父様やお母様、マークスが飲んでるのを横目に果実水を飲んでいたのよねぇ。

ビールは前世でも大好きだったから、楽しみ。前世(まえ)はそこそこ飲める体質だったけど、今世(いま)はどうだろうか。


「うふふ。気に入ってもらえると嬉しいですわ、ソフィアさん。うちの領地でタラがよく獲れるので、塩漬けを作っていたんですけど今年からオイル漬けも作ってみたんですの」

「そうなんですよ。アンダーソン伯爵家(うち)で仕入れた上質なオイルを安値でウィリアム伯爵家(レイラさんの家)に卸しているんですよ。その代わり、貿易商品として独占契約を結ばせていただいています。」


「おお、貿易が盛んなアンダーソン伯爵家(リリーさんの家)と、漁業が盛んなウィリアム伯爵家(レイラさんの家)のコラボ商品なんですね。素敵。こうやってどんどん美味しいものが作られていくと幸せが広がっていって良いですよね。」


スイーツとコーヒー•紅茶の組み合わせも、しょっぱい魚介類と麦酒の組み合わせも、人生を豊かにする幸せのアイテムだもんね。農業ハードモードのこの国でも、工夫次第で選択肢と商機が増えていくんだから、色んな可能性に挑戦しないと。


ふんすふんすと脳内で食欲(やる気)をみなぎらせていたら、リリーさんがもじもじしながら頬を赤らめて、意を決して


「そういえば私、婚約者が決まりそうなんですの」


と恋バナを投入。


「「え、えぇぇぇぇぇぇぇ。おめでとうございます。」」


思わずハモる私とレイラさん。


「まだ本決まりでないので詳細は言えないんですけど、この夏領地で一緒にお会いすることになって。」


なにこれ。恥じらってるリリーさんマジ可愛い。控えめに言って天使。


「リリーさんのお相手…。リリーさんを大切にしない方なら我が家の工房で塩漬けにしてやりますわ。」


そして何気なく物騒なことを呟くレイラさん。でもわかる、その気持ち。


「政略結婚でも、お相手の方と誠実に向き合って愛を育めたら良いなぁって思っているので。少し緊張しておりますの。」


ぐはぁっ


リリーさんの可愛さが致死量を超えそう。隣でレイラさんも悶えてる。私たち、今同じ気持ちよね。


「上手くいくと良いですね。じゃぁ、婚約者がいないの私だけになっちゃいますね」

「またまたぁ、ソフィアさんにはマークス様がいらっしゃるじゃないですか。どうなんです?進展の程は」


ツンツンしながらいじってくるレイラさんと、まだ赤い頬を手で押さえながら期待に満ちた目で見つめてくるリリーさん。


あぅ、マークスは従兄で幼馴染、、なんだよぅ。そのはずなんだよぅ。


「や、私とマークスはそんな仲じゃないんですってば」


「えー、でもでも。一緒にいてドキドキすることはないんですか?」


「ないことも、ない…ですけど。まだ気持ちの整理がついていないというか、自分の気持ちがわからないっていうか。」


正直、卒業パーティ以来少し意識しちゃってます。普段はいつも通りを心がけているんだけど。




その後女子会は恋バナモードに突入して、マークスとのあれこれを突かれたり、レイラさんの惚気を聞いたり、リリーさんの可愛さにうちのめされたり。平和に時間が過ぎて行った。




んだけど…


「ソフィアお嬢様。お嬢様のご友人の方が訪問してきていらっしゃるのですが、いかがいたしましょう。」


執事が困惑顔で来訪者が来たことを告げに来た。


嫌な予感がする。このタイミングでアポなしでくる来訪者って…。リリーさんとレイラさんもお察し顔になってしまっている。


「ソーフィーアーさーん。来ちゃいました〜。お邪魔しても良いですかぁー?」


門から聞き覚えのある声が聞こえてくる…。淑女がそんなはしたないことをしてはいけません…


やっぱりというかなんというか、来訪者はアンさんのようだ。


グリュックス王国は16歳になる夏から、アルコール度数の低いお酒が飲めるんです。

タラの塩漬けとビールの組み合わせ、好きなんですが塩分高くて翌朝顔がパンパンに浮腫むのが悩みの種です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ