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おっさんが異世界でチートする話だったのに  作者: 陰キャきっず
新世界3 ハザード・オブ・ザ・デッド
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その3

 一方その頃―――。



「くっ……ドコなんだよココは……!」


 俺の名は日根暮人。イセカイシティにあるイセカイ☆ハイスクールに留学していたのだが、突如学校にゾンビが現れ、噛まれた生徒が次々にゾンビになっていくのを見れば俺の心中も察せよう。


 逃げる途中、謎の覆面集団がコソコソと何かをしているのを見つけた俺は、怪しいと思い、観察をしていたが後ろから近づく何者かに気付かず、気絶させられてしまった。


 そして気がつけば見知らぬ部屋の中だ。

拘束などはされていないが、扉には鍵がかけられており、脱出は難しい。


 早くなんとかしないと、ゾンビがやってきてしまう。


 他に出られそうな所はあの通気口しかない。


 しかし、そんなフィクションのようなことができるのか。


 できた。


 どうやらこの建物を設計した人は良心的らしい。

熱膨張って知ってるか?。


 





「よっと」


 俺は通気口を通り、部屋の外に出る。

見慣れた材質の床や天井を見るに、どうやら学校の中のようだ。


 しかし何故か見覚えが無い。

校舎の中は一通り覚えているはずだが、ここがどこなのか見当もつかない。


 やはりあの連中ヤバい。


 常日頃から学校テロリストシミュを欠かさない俺に死角はなかった。


 俺はあたりを散策する。

するとB1Fという表記が目に入った。


 学校に地下なんてあったか?。

そんな疑念が浮き上がる。


 とりあえず階段を探してみることにした。






 結論から言うと階段はなかった。


 つまり別の移動方法が存在するということだ。


 いくつか部屋があったから手あたり次第に探索していく。


 何やら見慣れない機械が設置されていたり、危なさそうな薬品が棚いっぱいにあったり、おおよそ学校の備品とは言い難い。


 やはり《機関》の仕業か。

いや《機関》が何かなど知らないが。


 しかし、何もない。エレベーターのようなものがあると思ったのだが。


 厳重に秘匿されているのだろう。

いったん廊下に出る。

 

 とりあえず目につく部屋は次で最後になった。


 ずこずこと部屋に入る。


 なにやら資料室のようなところだった。

部屋には本棚がいっぱい並んでいた。


「ん……?」


 しかし、どことなく違和感がある。


 ああ、そうか。青い本が何冊も続いてるのに妙なことに、赤い本が間に挟まっている。


 隣の本棚には逆で赤い本の中に青い本が挟まれていた。


 なんとなくお互いを取り換えてみる。


 するとゴゴゴ、と本棚が横に動き出した。


 本棚の後ろには扉だろうか、開けてみるとそこはエレベーターではないか。


「フン、他愛ない」


 俺は自らの名探偵振りに気持ちの高鳴りを感じていた。


 中に入るとボタンがあった。

一階と地下二階……?。


 まだ下があるのか。

おもしろい。


「乗ってやるよ……!」


 なんとなく俺は地下二階へと降りるのであった。


 




 エレベーターを降りるとそこは建設現場のような質素な通路があった。


 カンカンと足音が鳴り響く。


 一直線の長い通路を進むと、地下鉄のプラットホームのようなところに出た。


「列車か……?」


 そこには資材運搬用だろうか、簡素な列車が存在していた。


「どこまで続いてるんだ?」


 線路の先を見ても結構な長さだ。

俺はなんとなく動かしてみようと試みる。


 いろいろ触っているとなんか動き出した。


 まあ、これで脱出できるだろ。

と、安易な考えを抱いた。


 それが地獄への片道切符と知らずに―――。







 そして場面は戻り―――。



「これ見てください」


「あら、ショットガンじゃない」


「どうですか?」


「ああ、大丈夫ね。飾り物ではないわ」


 二階右エリアを探索中、俺はショットガンを見つけた。

下で見た怪物はハンドガンでは中々致命傷を与えられないので、ショットガンの威力は大きかった。


 俺は彼女に使ってもらおうと渡した。


 しかし、再度俺の元に返ってきた。


「俺が使うんですか?」


「そのほうが、男なら、ね?」


「それは……そうなんでしょうけど……」


 扱い方も知らぬゆえ、どうしていいかわからないが使えというのなら使って見せよう。


 とりあえずショットガンを背負い、慎重に歩を進めていく。


「あらかた探索は終わったわね」


「何だがよくわからないモノしか見つからなかったですね」


 食料なんかは少し見つかった。

他は模様がついたメダルや弾薬が少々。


 しかし、ケイさんの目的である事件に関連するモノはなかった。


「うーん、どうしましょう……」


「じゃあ、そろそろぼっちゃんと合流しませんか?」


「二手に分かれたっていう?」


「そうです。最初からそう思ってたんですけど、ケイさんがどしどし先へ行くもんですから」


 そこで俺は提案した。

あれからぼっちゃんがどうなったか気になるからだ。


「情報の交換もしませんと」


「信用はできるの?」


「それは大丈夫ですよ」


「どうして?」


「勘です」


「それはそれは」


 理屈ではなかった。

けれど彼女には通じる道理ではない。


 皮肉が込められた物言いを我慢しつつ、廊下を進んでいく。


 





 そして俺とケイさんは一階の左エリアにあるダイニングルームへとやってきていた。


 すると、壁にもたれかかりながらタバコを吹かすぼっちゃんがいた。


「お、やっと戻ってきたか……ってそちらのお嬢さんは?」


「ケイ・サッカンよ」


「頼りになる警察官さ」


「そりゃすごい」


 お互い、握手を交わしていた。


「積もる話もありそうだ」


「そうだね。まずは……」


 俺たちはお互いが得た情報を交換し合う。





「とりあえず二、三日は何とかなりそうだな」


 テーブルの上にずらっと並べられた戦利品を見つめながらそういう結論になった。


「あとはこのメダルね」


 ケイさんが指摘したのは模様の付いた二つのメダルだ。

ぼっちゃんが見つけたのはチンパンジーの模様が、俺が見つけたのは猪の模様がついていた。



「何か用途がありそうだね」


「この館、やけにギミックが凝ってるからな」


 そう、そうなのだ。

この館は謎解きゲームのステージのようによくわからないギミックがいたるところに施されている。


「そうね、例えばあの暖炉とか?」


 ケイさんが指さしたのはダイニングルームでも存在感を放つ暖炉。

今時珍しいものだ。


「確かに何かはめるようなくぼみがあるな」


「じゃあそれじゃね?」


 もはや正解を言っているようなものだった。


 そうしてメダルを正しい順序ではめると、変化が現れる。

使われてないと思われた暖炉のなかでゴゴゴと音を立てながら、地下への階段が出現した。


「隠し階段か!」


「行きましょう!」


「応ッ!」



 俺たちはなんかテンションが上がったのでさっそく下へ偵察に行くことにした。


 



 それがあんなことになるとは思いもしなかったのだ。

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