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おっさんが異世界でチートする話だったのに  作者: 陰キャきっず
新世界1 ポケプロクンパワット
43/122

その13

 俺たちは順調に勝ち続け、ついに決勝に

進出することが決まった。


 これまでに戦ったチームはどれも強敵で

一瞬の油断が命取りになる、そんな試合が続いた。


 きっと明日の決勝戦はこれまで以上の死闘になるだろう。


 俺とぼっちゃんは練習終わりに

明日のことで相談をしていた。


「次に当たるチームの情報だ」


 ぼっちゃんが調べてきたのか

決勝で戦う相手の資料を持ってきた。


「チーム名はテンセイシャーズ。攻守ともに優れたチームだ」


 俺は渡された資料を眺める。

よくわからなかった。


「選手層も厚く隙がない……全く油断できない試合になるだろう」


 そうだね。


「監督の名前は……ミスターZ?ふざけた名前だな」


 思いっきり不審者な恰好をした

たぶん年配の方の写真が載っている。


「とりあえず渡した資料は頭に入れといてくれ」


「わかったぜ」


 40の記憶力がどういうものか知らないな?。

やれやれ……。


「じゃあ明日なおっさん」


「ああ」


 ひとしきりの相談を終えたので

帰ろうする。


 すると、グラウンドの外に誰かが立っていた。


「あれ?佐井ちゃん?」


「ん……」


 呼んでいた本をかばんに入れて

こちらに歩いてくる。


「もしかして何か用事?」


「ううん。ちょっとおっさんと話したくて」


 ほお、佐井ちゃんからとは珍しい。

いつも俺の方から話しかけていたからな。


「最後かもしれないでしょ?だから全部話しておきたかったの」


「最後って……そんなおおげさな」

 

 フラグっぽいこと言っちゃって……知らないぞ?。


「私ね……おっさんのことが……」


 いつもとは違う雰囲気に戸惑ってしまう。

何?俺がなんなの?。


 ついに佐井ちゃんが重たい口を開く。

その時だった。


「危ない!」


「えっ?きゃっ!」


 まるで風の刃と言うべき一閃が

佐井ちゃんを切り裂こうと迫っていたので

俺は彼女を抱えて倒れこむ。


 あと一瞬遅れてたら死んでいただろう。


 それにあの力は佐井ちゃんと同じ―――ッ!。


「運のいいことね」


「誰だ!」


 暗闇の中から刺客が姿を現す。


「私?そうね……《完全超能力者》と言ったところかしら」


「な、あ、あなたはまさか……」


「そうよ!そのまさかよ!」


 刺客は大きく腕を広げる。


「くたばっちまいな!失敗作のガキィ!」


 刺客の周囲に風が集まっていく。

まるで竜巻のようだった。


 このままじゃやばい―――ッ。


「佐井ちゃん逃げるよ!」


「だめ!あなただけで逃げて!」


「目の前の人間も救えなくて大会優勝なんてできるかよ!」


「おっさん……!」


 俺は佐井ちゃんの腕を無理やりつかんで

走り出す。


「逃がすか!」


 竜巻をびゅんびゅん飛ばしてくる。

俺はそれを避けつつ逃げ続ける。


 人通りの多いところなら

こんな目立つことはできないはずだ。


「とりあえず繁華街の方へ行こう!」


「逃がすか!」


 しかし、まわりこまれてしまった。

風を自由に操れる刺客はジャンプ力も高いようだ。


 まさに万事休すといったところだ。


「おっさん……下がって」


「佐井ちゃん」


 佐井ちゃんは俺をかばうように前に出る。

すまないやるだけのことはやったんだが……。


 俺は無力感にさいなまれる。


「正気?失敗作のあなたが私に勝てるとでも?」


「サイコパワー!」


「ぎゃああああああ!不意打ちとは卑怯なぁぁぁ!」


 一瞬の隙をついた佐井ちゃんの一撃は

それなりのダメージを刺客に与えたようだ。


「ぐっ、能力を使いすぎて……体が……」


 しかし、相応のリスクをともなったのか

彼女の体がふらついていく。


 そして俺も緊張とストレスからかふらついていく。


「絶対に許さないぃぃぃーー!!!」


 やばい、相手さんはまだ立ち上がる気力がある。

今まで以上に大きな竜巻を作り出していた。


 終わったな……。


 そう思った時だった。


「おっさん伏せろ!」


「!?」


 俺はその声を聞いて反射的に動き出す。


 俺は本日二回目になるであろう。

佐井ちゃんを抱えて伏せる。


 後ろから飛んできた何かが

爆発し、煙が発生する。


「な、煙幕!?」


「おっさん!佐井!こっちだ!」


「ぼっちゃん!」


 俺たちはすんでのところで逃げ出すことに成功した。


「まったく……騒がしいと思って来てみれば……厄介なことに巻き込まれてんな」


「助かったよぼっちゃん」


「ありがとう」


 俺たちは救世主にたいして深くお礼を言う。


「佐井……やっぱりお前はじっちゃんのところにいたんだな」


 いつも以上に真剣な表情でぼっちゃんは

そう佐井ちゃんに質問した。


「……!?じっちゃんを知っているの?」


「ああ。あれは10年前になるかな……」


 長くなりそうだった。


 そしてなんやかんや話が進んでいく。


「とまぁそういうことで一緒に研究をしていたんだが、あいつのやり方にはついていけずに俺は研究室を出た」


「そうだったんだ……」


 ぼっちゃんの知られざる過去が明かされた。


「佐井、お前が助かる道は一つしかない。大会で優勝することだ」


「そうか、お金の力で何とかすればいいのか!」


 まさに、目からうろこ。ぼっちゃんの

ここぞという時の賢者っぷりには頭が上がらなかった。


「ああ。だが、油断するなよおっさん。じっちゃんは目的のためなら手段をえらばない男だ」


「それは身に染みて分かってるよ」


 何度命の危険にさらされたことか。


「私のために……ごめんねおっさん。ぼっちゃん」


「いいさ。俺たちは真の仲間だからね」


「フッ。そうだな」


 もはや一連托生、仲間のために

俺はすべてをかけて戦う所存だ。


「じゃあ帰るぞ。明日は長い戦いになる」


「ああ」


 ぼっちゃんはそう言って帰っていった。


「佐井ちゃん、送っていくよ」


「あ、うん」


 俺は大人として佐井ちゃんを家まで送ることにした。


「そういえば話ってなんだったの?」


「え?あ、ああ、うん。それは……」


「それは?」


「……明日、全部終わってから話す」


「うん?そっか」


 結局なんの話だったのかは分からない。

でも、きっとこれからを決める大事な話しに

なるんだろうなと、俺はなんとなく感じていた。


 









 ※きつかの好感度が上がった!








 そらね?上がってもらわなね?。


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