その2
さて、今日はどこでうろつこうかな……。
もはや日課となった不審者ムーブにいっさいの疑問を
抱かずに考えをめぐらせる。
繁華街の方へ行くことにした。
気が付けば夜になっていた。
ゲーセンでチンパンジーと化しているうちにすっかり時間が
たってしまっていたようだ。
やれやれ、と俺は帰路につく。
するとどうだ。何やら路地裏の方が騒がしい。
俺は興味本位で何が起こっているのか確かめに行くことにした。
「ターゲットだ!撃て!」
甲高い発砲音が響き渡る。
どうやら銃撃戦が展開されているようだ。
「ハッ!」
「うぎゃああああ!!!」
「ざっこ」
何ということだろう。
銃を持ったヒットマン相手に少女は
丸腰で無双していた。
何と少女は手を前にかざしただけで風を起こしていたのだ。
正直、訳がわからなかった。
俺の理解を超えた状況に俺は戦慄する。
「―――ハッ!?誰!」
「っ!」
どうやら俺の気配に気づいたのか
こちらに振り返る少女。
俺は身の危険を感じ、そそくさと
家に帰るのであった……。
「ってことがあってさ……」
「夢でも見たんじゃね?」
昨夜のことをぼっちゃんに相談するが
相手にしてもらえない。
「くだんねぇこと言ってないで頼むぜおっさん」
「ちぇ、わかったよ」
「……超能力を使う少女だと……?まさかな」
そんな気になること呟かれても困るよぼっちゃん。
さて、今日も繁華街でメンバー探しだ。
俺は色んな人に声をかけていく。
しかし、ニートで40歳という身分が
それを邪魔していた。
くっ、どうしよう……。
意気消沈としていると、何やらパトカーのサイレンが聞こえた。
多分通報されたのだろう、俺はやべっと思い路地裏に入る。
「ここまで来れば大丈夫か……」
かなり奥まで逃げたのでようやく落ち着いてきた。
その時だった……。
「動かないで」
「……!?」
不覚。
どうやら何者かに背後を取られてしまったようだ。
「……君は?」
「私を見たものは排除する」
「ちょ」
刺客は問答無用で俺を仕留める気だった。
俺はとっさに前に転がり難を逃れる。
「待ってよ!命だけは……!」
「ハァ!」
刺客の顔は暗くて良く見えない。
命乞いもどうやら無駄のようだ。
「助けて!」
「逃がさない!」
俺はとにかく路地裏を走った。
ただただ走った。
すると、運よく人通りがある場所へと出ることができた。
「危なかった……、今度からは気をつけよう」
まさに、好奇心猫を殺すとはこのことだった。
すっかり疲れてしまったので早く帰って寝ることにしようか。
なかなかメンバー集めがはかどらないなぁと思う今日この頃であった。




