ナロナロクにて その2
「フフフ……ようやく我が悲願が叶う……」
薄暗い部屋でそうつぶやく老人。いや、神というべきか。
「フハハハ……フハハハハハハ!!!」
不気味みに笑い続ける一柱の神。
その傍らには一人の男……いや、女性がたたずんでいる。
女性もまた小さく笑みを浮かべていた。
そして、ついに神々のゲームが幕を開ける―――。
「一回戦の相手が決まった」
机に肘を置き、眼の前で手を組んで
司令官のように静かに口を開く男―――。
そう、我らがクライアントのぼっちゃんだ。
「相手は、笑顔が超いけ好かない、ぱっくんのチームだ」
「誰だよ」
なんだよその適当な名前は。
もっと捻れよ。
「それで、ルールは?」
神妙な顔持ちでそう問いかける暮人くん。
「ルールは3対3のチーム戦になる」
「ほう」
これからの戦いに力が入っているのか、
彼は拳を握りしめる。
「でも、大丈夫でしょうか……。
先日の特訓でも連携が取れていたとは
言いづらいものでしたし……」
対して、真逆の反応を見せるぼっくん。
そう。俺たちは《転聖戦争》までの数週間、
お互いの息を合わせるために特訓をしていた。
しかし、ぼっくんの言う通り
チート持ち同士の連携というのは結構疲れるものだった。
「そうだね。不安は残るけど、今できる
最大限のことをするしかないさ」
俺は先輩風をふかしながらそう答えるしかなかった。
「俺の足を引っ張ることだけはするなよ」
「ハハハ、善処するよ」
黙れ小僧。わきまえろクズが。
「少し聞いてくれ」
真剣な声色でそう切り出すぼっちゃん。
「俺は神として、おっさんにはチートを、
ぼっくんには使い方次第でチートな能力を、
暮人にはすげえステータスを与えてある」
「そして、それと同じように相手チームもまたチートを有している可能性が高い」
「まあ、そうだよな」
戦う相手は自分達と同等、もしくは上と見ていいはずだ。
「俺は神としては天外の力を持ついわばエリート中のエリートだ」
「自分大好きすぎるだろ」
「事実をいったまでだハゲ」
「ええ……」
よほど自分の力に自信があるらしいぼっちゃん。
「だが、保有する転生者によっては
低位の神が与えたチートでも、おっさんを超える
力を引き出すかもしれない」
そんなぼっちゃんだったが、言うだけあって
冷静に状況を見越している。
「つまり油断するなってことか」
「そういうことだ」
そんな時だった。
丁度、ひととおりの話しを済ませたタイミングで
時間を知らせるブザーが鳴り響く。
俺たちは互いに目配せして席を立つ。
「じゃあいくぞお前ら」
「おう!」
こうして俺たちは○ョジョっぽく
横に並んで気合を入れ、会場へと向かうのであった。
オーバードライッ!。




